株式会社10Xに一人目のHRBPとして入社しました
三行まとめ
これを読むと以下の効用があります。
一貫性のないキャリアを歩んでる人の物語を読んで、安心できる
HRBPが何の略で、何の役割か、なんとなくわかる
10XのHRBPになりたくなり、応募ボタンを押しちゃう
なお、これは、素晴らしい入社エントリブログを書かれたアナリティクスエンジニアの吉田さんの出だしを少しパクったものです。
これは何?
10Xに一人目のHRBP職種として入った私が、①どのように入社に至ったか、②10XのHRBPとして何を目指しているか、を書いているものです。入社エントリとして、書こう、書こうと思っていたのですが、怒涛の3ヶ月だったので、今になってしまいました(まだ3ヶ月未満)
この投稿が、「10Xで働くことに興味を持っている、だけど一歩踏み出すのに躊躇している」といった方々に届き、未来の仲間の背中を押すことに繋がってほしいと思っています。(なお、この一文は、とても素晴らしい記事を書いているPdMの江波さんの文章をそのままパクったものです。そもそも、もしかすると江波さんの記事を読んで頂いたほうがよいのかもしれません)
そもそも誰?
自己紹介を記載すると長くなるので、以下とても簡単記載します。もしご関心を持って頂けたら、Podcast聞いて頂けたら嬉しいです。
以下、とても簡単なサマリー。
1社目:国際協力機構(JICA)→主に水・環境分野における途上国支援業務に従事(最後2年はスリランカ駐在)
2社目:ラグビーワールドカップ2019組織委員会→人事戦略業務を担当
3社目:地方創生ベンチャー→地方における課題解決のために官民連携の促進事業を企画・立案・実行
4社目:EY→主に官公庁向けのプロジェクト・大規模国際イベントの立ち上げを推進・実行
上記のとおり、私のキャリアは、一貫性のなさがウリです。ただ、「社会への価値提供」「自分の好奇心に正直に」の2軸をおおよそ大切にやってきました。
Why 10X?
どこで10Xを知ったのか?
私と10Xの出会いは、Podcastでした。確かNewsPicksの記事で「このPodcastが面白い」の中に、Free Agendaが含まれており、それで聞き始めたのだと思います。
そこから、Zero Topicを聞き始め、「このフェーズの組織で、ここまでしっかりとカルチャーやバリューを意識しているの会社があるのか」と強く感じたのを覚えています。
ラグビーワールドカップ2019組織委員会で人事戦略、といった分野を担当させて頂き、組織・人事に関心を抱いていたこともあり、「いつか組織拡大フェーズになったら、戦略人事みたいなポジションがでるかな」なんて思っていたのでした。
そんな事を考えていた2021年の年末、私の想像を超えた10Xの組織拡大・成長とともに、「戦略人事みたいなポジション」がオープンされたのでした。それがHRBPだったのです。
前職の充実と葛藤
当時は、外資系のコンサルファームであるEYの公共・社会インフラユニットに所属していました。ラグビーワールドカップの時から知っている上司と仲間に恵まれ、国内で行われる大規模国際イベントの組織・財務予算・企画系のプロジェクトを複数担当させていただいていました。
EYそのものが変革期にあったことに加え、所属するチームが、パートナー(上司)とほぼ二人三脚で垂直立ち上げ状態だったため、とてもチャレンジングな機会を頂き、充実していました。「この案件落としたらチームお取り壊しかな」という痺れる場面も数回ありましたが、無事に1年半で売上も10xすることができました。安堵。
上記の通り、共に歩んできた上司への仁義もあり、「応募してみたい気持ちは強いが…」と、年始あたりは文字通り、頭を抱えていました。当時の日記を掘り返して見ると、以下が主に葛藤していたポイント。
人として良いのだろうか。苦楽をともにしてきた上司を見捨てることになるのではないか。また自分が採用したメンバーもいる。そこに仁義はあるのか。
一方で、ずっとコンサルを続けていくキャリアは描いていない。10Xというずっと気になっていた会社で、かつ、このフェーズで、さらに自分のやりたいポジションがオープンになることって、この先発生しうるのだろうか。
長期で事業と自分の成長をアラインさせたい。サステナブルな組織づくりにコミットしたい、というキャリア上のwillは強い。
ちなみにパートナーも同時期にベンチャーへ転職を決めており、転職時期が被ってしまうことも、大きな懸念材料でした。
葛藤の結果
情報が非対称である中では、決断は出せない。そう思い、オープンオフィスとカジュアル面談を経て、応募し、トライアルに取り組ませて頂きました。時期は年度末。子育てと、まさに年度末の超絶忙しいタイミングが重なり、文字通りヒーヒー言いつつ、発表を終え、最終的にオファーを頂きました。(トライアルはとても楽しかった)
こんなに素敵なポジションだから、1,000人くらい応募していて、すでに別の方にも内定でてるのかも、と思っていたところ、1人目としてオファー頂けたとのこと。プレッシャーと喜びに心拍数が250くらいに上がったのを記憶しています。
冷静に考える時間をもらい、家族とも話し、気持ちを固めた上で、お世話になった上司に満を持して伝えました。今でも思い出すと最も胸の痛む瞬間のひとつですが、上司は引き止めず、「仕方ないよな…」と悲しそうな声を出しながら、応援してくれました(その後、しっかり引き継ぎを行い、その上司とは今でも良好な関係を気づいています。しかも自宅はご近所)
入ってみてどうだったのか?
結果、10Xに入社して、とても幸せに働いています。チャレンジングな環境に優秀な仲間がいて、日々やる気に満ち溢れ、楽しいです。いくつか、羅列します。
【良いところ】
そもそも事業が社会に与えられるインパクトが大きい。さらに、事業が身近な方に届いていることが実感できる。何なら自分もそのサービスに裨益している。
社員全員にバリューが浸透している。ゆえにbrilliant jerkがいない。
マチュアな人が多い。自律していて、かつ、他人を思いやれる人間性を兼ね備えた人ばかり。
プライベート・家族を尊重する雰囲気がある。特に子育てしながらの業務にかなりの理解があり、前職で感じていた負債感やストレスがなくなった。
経営陣が骨太。優秀、かつ、チャーミングで尊敬できる。
みんな優秀。自己成長を求められるストレッチな環境。
【入社前とのギャップ】
怖い人が多いと思っていた。だけど、想像上の生き物だった。(なお、MECEじゃないイシューを提起したら「詰められる」と思っていたけど、そんなことなかった)。
もはや整いすぎてて、やれることないんじゃないかな、と思って不安だったが、まだホワイトスペースはたくさんあった。
もちろん、今の人数規模やフェーズに依存する部分もあるかもしれません。人数が、300人・500人・1,000人と増えたときに、今と同程度にバリューが浸透しているのか、組織が歪んでいないのか、という論点もあるでしょう。
そのために存在しているのが、HRBPだと使命感に燃えています、はい。
では、HRBPって何なのか?
入社直後に頂いた「期待する役割」は、以下の通り。
上記のキャリアを読んで頂いた方には分かる通り、私はHRBPそのものの経験がある人材ではありません(そもそも、そんな私を1人目のHRBPとして採用した10Xの胆力よ…)。そのような中で、10X内での1on1や様々な企業でHRBPをされてきた方へのヒアリングも含め、現時点でたどり着いている認識は以下の通りです。
市場での定義・各社の状況
HRBPとは、Human Resource Business Partnerの略であり、概念はアメリカのミシガンビジネススクール教授であるデイブ・ウルリッチによって提唱。一方で、その提唱からは十数年が経ち、事業環境やテクノロジーの進化によって、概念そのものを各社でアップデートしながら、進めている状況。
HRBPを導入する企業の目的は、おおまかに「人・組織の観点から、事業の問題解決を行いたい」「事業と組織がアラインすることを目指したい」というもの
HRBPを導入している各社を見ても、実際の所掌業務にはばらつきがあり、従来の管理型のHR業務のみ実施しているケースもある(例:10Xでは採用業務は採用部が担っている。一方、他社事例でいえば、採用業務がHRBPの主要業務になっているケースもある)
上記の定義や10Xの環境を踏まえて、定めたHRBP部のミッション・責任は以下の通り。
ただ、抽象的すぎる&そもそも日々のタスクに落ちづらいので、アプローチを「Run(定常的なもの)」と「Change(各本部オーダーメイドのもの)」2つに整理。ファミレスでいうと、グランドメニューと季節限定メニューみたいなイメージです。
Run:人事制度に対するサポート・パフォーマンスチェックイン・人員計画の進捗管理等を通じて、組織・事業に貢献する
Change:各本部の事業特性や組織特性に応じたイシュー。本部長や部長と一緒に将来を見据えて、設定し、解決していく
入社してから何をやっていたのか。
まだ、よくわからない、という声が聞こえてきそうです。というわけで、具体的にこの3ヶ月間何をやってきたか、を書きます。
1.組織移行プロジェクト
まさに、CEOのブログの通り、私の入社したタイミングでは、組織移行の真っ只中。2つあるプロジェクトのうち、主に人事企画の部分をCorpOpsの皆さんとご一緒してました(現在進行中)。
詳細は割愛しますが、新しい人事制度を入れるに必要な諸々を整備し、試し、フィードバックをもらい、それを制度変更にするのか、運用マニュアルに落とし込むのか、はたまた個別ケースとして扱うのか、ということを考え、サイクルを回していくものです。これは、とってもよい機会で、超短期間で制度がガツンと頭に叩き込まれました。最高。
2.HRBP機能の探索的な一歩&立ち上げ(人員計画)
初手として、何から手を付けるか、かなり深く考えました。そもそも定義だけのドキュメントを作っても、誰も納得感わかないだろうし、そもそも「この人何をやりたいんだっけ」となるだろうな、と。
①組織にとって価値があり、②そのプロセスの中で相互理解が高まり、かつ、③HRBPの本質的業務であること、という3つの条件が当てはまる初手を取りたかったのです。それが、「人員計画」でした(現在進行形)。
ちょうど組織企画プロジェクトの中の経営サイクルの中で、「人員計画のアップデート」があったので、Corp StrategyやAccountingのメンバーの皆さんと壁打ちしながら、新しい人員計画のプロセスの導入を行いました。
シンプルにいうと、「事業目標を達成するための、組織計画・戦略を作成頂く」というもの。単純な人員ヘッドカウントを数字で入れてもらうのではなく、どういった組織計画・戦略に裏付けされているか、を作成いただきました。これによってHR本部・HRBP側にも事業戦略の知見が貯まるし、組織としても必ず必要なもので無駄にはならない取り組みです。
結果、集計された人員計画は経営でも議論頂き、再度リバイズがかかっています。現場に負担がかかってしまっており申し訳ない部分もあるのですが、組織づくりの上で基礎となる重要な計画という意味で、探索的な一歩目は踏み出させたと考えています(NotionのPage Historyを確認したら、8月22日に本格的にドキュメントに落とし始め、9月6日にリリース。短期間であったから今回は取り組めなかった部分も多かったので、次の半期できちんとプロセス改善にコミットします)
これからの半期でやっていくこと
HRBPとして業務を遂行していく上で、「新人事制度への深い理解」と「各本部の組織戦略の土台になる人員計画」の2つがようやく揃った状況です。
これをベースに以下を進めていきたいと思っています。
新人事制度に関して、人事企画機能にフィードバックを供給し、組織のインフラとなる制度そのものをアップデートしていく
各本部における事業目標達成のための組織計画・戦略をサポートし、それをブロックするイシューがあれば解決を推進する
一方で、組織が求められる人事機能があれば、これにとらわれず、全て拾っていく所存です。また、HRBPの機能範囲に関しても、当然「これで確定」ということはなく、10Xのフェーズや状況に応じて、アップデート・進化していきたいと考えていますし、そうあらなくてはならないと思っています。
最後に
HRBP、募集しています!
市場環境は変わり得るし、パートナー企業様の意思判断もある。ただ、10Xに在籍している優秀な人材が、会社という器の中で、のびのびと働けていれば、どんな難所も乗り越えれるはず、と確信しています。
組織さえしっかりしていれば、10Xは必ず成長を遂げると信じられるからこそ、自分自身に課された役割に強いプレッシャーとやりがいを感じています。こんな場は、人事・組織をやりたい方にとって、天国なのではないかと。
そして、今は、10Xの誇る最強エンジニアリング本部に向き合うHRBPを求めています。われこそは、という方、ぜひに。
ただ、私が入社した3ヶ月前からみても、組織の状態はぐっと強くなっており、アサインを社内で調整することもあり得ると思うので、エンジニアリング組織よりビジネス組織に向き合いたい方もドアノックしてください!一度話しましょう!
超気軽な感じのHRBPに関する意見交換でもいいですし、「そもそも上記のHRBPとしての説明、イケてないんじゃない」という激しめのツッコミでも大丈夫です。
直接フォームからカジュアル面談申し込んで頂いても良いですし、10数年塩漬けにしていたTwitterへDMでご連絡頂いても構いません。
「そもそも自分では基準に達しないのでは?」「カルチャー合わないかも」という方も一度話してみることで変わることもあると思います。兎にも角にもぜひお話しましょう!