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中学受験するかしないか

たまには陰謀論を離れて現実的な話を・・・

子どもが小学4年生になり、中学どうするのかという話を妻とする機会が増えました。

僕の中では結論は出ていて、子どもが自主的に受験がしたいと言い出したなら全力で協力するけど、こちらからは誘導はしない、です。

受験したほうがいいの?と子どもに聞かれたら、してもいいけど別にしたくないならしないほうがいいと答えます。

ツイッター界隈やネットの情報だと中学受験する方の意見が多いというか、そのメリットを強調する情報の圧ばかりが異様に強いので、あえて中学受験しない勢としてこういう考えの人間もいるんだよということを残しておこうと思います。

中学受験させなくていいと思ってるんだけど踏ん切りがつかない、とか、させないと決めた人の考えを聞いてみたい、とか思ってる人の参考になれば幸いです。

どうして中学受験をしなくていいと思うのか。


メリットとデメリットのバランスが悪いと思うからです。


メリットとしてよく言われるのは主に以下のような点でしょうか。
1.自分にあった良い環境の学校に入れる
2.高校受験をしなくて済む
3.大学受験で有利になる

一方でデメリットとして言われるのが、
1.経済的コスト&体力的コスト
2.親子ともどもの精神的ストレス
3.志望校に入れなかったときの挫折感
4.小学校高学年という時間を受験勉強に費やすことによる(遊びや情操教育の)機会損失
あたりでしょうか。

メリットについて考えてみたいと思います。

1.良い環境の学校に入れる

これについてはまあそう言える面はあるとは思います。ただ地元公立中はそんなにひどい世界なのか、まともな教育が受けられないようなひどい環境なのか、といわれると多くの場合はそんなこともないかと。

僕自身はど田舎の公立中学で、当時ビーバップとかヤンキー文化の真っ盛りだった中で、若干オタクよりなグループにいて、たまにヤンキーに絡まれて殴られたりしながらもなんだかんだうまくやってこれました。

子どもには、学校にいけなくなるほどひどい目にあって欲しくはないですが、あまりな純粋培養は生きるチカラを削いでしまう懸念もあり、程度問題として考える必要があると思っています。


また、受験によるスクリーニングを経ているのでおかしな友人に当たる可能性が低いと言われますが、それも確率論であって、運悪く友達のめぐり合わせが悪いと結局何年もその関係に影響を受ける点では同じくらいリスクはあると感じます。

むしろ受験して希望のいい学校に入ったのにおかしな友達のせいで楽しくなかったりすると逆にダメージが多く感じる気がします。なんのための努力だったのか、と。

まあこれは地域性があって、どうしても荒れた地域や治安の悪い地域などでは公立学校が厳しいというのはあると思いますので、あまり一般化して語るのは避けたいと思います。

2.高校受験をしなくて済む


これがメリットとして言われていて目を疑ったんですが、その分、高校受験より過酷な中学受験をしているわけで一体何がメリットなのかさっぱりわかりません。

3年ごとに受験勉強しないといけないのに対して、中高一環で6年間じっくりやれるから負担が少ない、とかいってるんですけど、それが意味がわからないのです。

別に受験勉強といったって、公立中学に入学してみっちり3年間、高校に入学してまたみっちり3年間やるわけじゃないですよね?

本格的な受験勉強はせいぜい2年の後半とか3年に入ってから、何なら部活メインでやってる人とかなら3年の夏からという人だっているでしょう。

それまでだって一応勉強はしますけど、それは日々学校で学ぶことの予習復習と定期試験、模擬試験くらいで、そんなに精魂込めて受験勉強!!!ってやってるわけじゃないですよね?

え、それとも世の中の学生は中学高校の入学直後からみっちり3年間受験勉強してるんですか?だったら知りませんでした僕が間違ってましたごめんなさい。

ただ、個人的な体験からすると、やはり本格的な受験勉強なんて1年もやれば十分だと思っています。


なぜならば、所詮それは行きたい高校・大学に行くための手段であって、まだまだ知識も意欲も曖昧な中高校生が本気で取り組む期間なんてそれくらいが限界だと思うからです。

プロスポーツ選手を目指すべく幼少から英才教育を受けてきたエリートならともかく、普通に受験して普通に進学しようという学生なんて、それくらいやってくれれば十分じゃないですか?

3.大学受験で有利になる


これは2つの側面があって、高校の学習内容を1〜2年生までに終えて残った時間は受験勉強に専念できるという面と、特定の大学の出題傾向に合わせた専門的なテクニックを学べるという面があると思います。

多くの親が期待するのは1,2のメリットよりも結局はこれじゃないでしょうか。


いくら子どもがいい学生生活を送れたとしても、その先(個人差はあるにせよ)いい大学に入学できなければ、結局その中学受験は成功とは言えなかったという結論になるのではないでしょうか?違いますか?

だとすると、結局のところ中学受験で得られるメリットとされているのはこの3ということになりますよね。


で、個人的にはこれが一番割が合わないなあと感じるところなんですが、上のデメリットであげたようなリスクとデメリットを享受した上で最終的に得られるメリットがこの「多少有利になる」ってそれでいいのかな?ということなんですよ。

中学受験によって明らかにその後のコースが別れてしまうならわかります。


例えば中学受験合格者じゃないと受験できない大学がたくさんあるとか。でもそうじゃない、準備が多少有利になるだけ。

何なら大学受験時に最初から加点がもらえるとか、大学の在学期間も短縮できるとか、それくらいあってもいいのに。

準備期間に若干余裕ができて、傾向と対策をみっちりしこんでくれる「だけ」。

それ以外の点ではそのコースを辿っていない人と入学できる大学も学ぶ内容も在学期間も全く同じ。

それって、小学校4〜6年の子どもにとってもっとも遊びたい時期に過酷な塾通いをさせて、親も何百万もかけて時間も労力もかけて、それでも合格するわからない中学受験にかけてまで得たいメリットなんでしょうか?

このコースを通らないと難関大学に入学するのが極めて難しい、というのならわかるのですが、別にこのコースを通らなくたって普通に難関大学に入ってる人はいっぱいいますよね。

具体的な比率はわかりませんが、少なくとも地方帝大レベルだと中学受験組よりもそうでないコースの学生の方が多かった気がします。

その他腑に落ちない点

以上、中学受験のメリットとされているものが本当にメリットなのか、という視点で気になってることを書きましたが、もう一つ引っかかっている点があります。


流布している情報が圧倒的に中学受験を肯定する側に偏っている(ように感じる)という点です。

生存者バイアス

中学受験の経験者でメリットを語るのは、少なくとも上に書いたようなデメリットを克服してプラスが得られた人、要はその後の大学受験まで成功した人です。


そういう人は一定の割合でいるはずです。でも全員そうはなれない。受験は競争なので必ず一定の落伍者がでます。

なのにネット上の情報は何故か中学受験してよかったという声ばかりが異様に目立ちます。

受験しなければよかったという失敗組の後悔みたいな情報もわずかに出ますが、受験してよかったという声に比べると圧倒的に少ない気がします。

好意的に解釈すれば、必ずしも希望の難関大学に行けなくても中学受験してそれなりに得られたものがあって満足している人が多い、とも考えられますが、うがった見方をすると、思ったような成果が得られなかった場合でも、中学受験しなければもっとひどい結果になっていた(からやってよかった)と自分の中で合理化しているのではないかと考えてしまいます。

結局通らなかった人生の別ルートがどうであったかはわからないですから、精神の健全化のためにそこに何らかの心理的な機制が働いても無理はないと思います。

業者

あとは、そもそも中学受験を煽るのは学校と受験産業ですよね。

中学受験後悔の情報が少ないのは、そういった受験産業の会社が広告を出す上で、そういう不利な情報があまり全面に出ないようにSEO対策的なことをやってるのではないかなという気もします。

たとえば、中学受験+「意味ない」等のネガティブワードで検索すると、それっぽいサイトが出てきます。

しかし、一見中学受験のネガティブな情報を記載しているようで、よく読むと、「〜というデメリットもありますが、中学受験は〜というメリットもあり・・・」という感じで結局は中学受験が良いものという印象に誘導してくるサイトばっかりです。

本当にネガティブな情報なのは個人の投稿したものに限られ、それ以外はどんな切口からでも中学受験を肯定的に記述しようとする魔性の文章みたいなのばっかりなんですよ。本当に胡散臭い。

それに気づいてからは見ててムカムカしてくるようになりました。

まとめ

というわけで、個人的に中学受験をしなくてもいいのではないかと思う理由をつらつらと書いてみました。

まああくまで最後は子どものためにどうするかなので、親の誘導無しで本当に子どもが自発的に行きたい学校がある、と言い出したのであれば、受験産業に食い物にされないように気をつけつつサポートはしてあげたいなとは思います。

以上です。

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