【小豆島旅行記⑰3日目~part.1~】国民宿舎小豆島の朝✩これでも、嵐の前の静けさ
小豆島最終日の朝がやって来た。今日の昼には土庄港を出発し、我々は帰路に着く。
少し寂しい気持ちもあるが、その前にライブがあるのだ。5分間だけのスペシャルライブ。思い切り盛り上げて思い切り楽しもう。
1番に起きた私はまず、ブツがちゃんと壁にくっ付いていることを確認する。
完璧だ。補強が効いている。
リビングで身支度を整えて、自分の荷物をまとめていた。1人また1人と起きてくる。キャンプでもお馴染みだが、最後は必ずディレクターが残るのだ。
動画を回すから、寝ているディレクターの横でオタマトーンを弾いて起こしてと言うリーダーに頷き、わたしはオタマトーンを持ってゆっくりとディレクターの横に向かう。
人が近づく気配を察してか、ディレクターが薄ら目を覚ます。まだ随分と眠そうな彼の隣に正座した私は、オタマトーンを横置きに置いて三指を着いて一礼。他のメンバーの忍び笑いが聞こえる中、オタマトーンを手に取りチョーケシの歌のサビを弾き始めた。
ディレクターの肩が震え始める。よしよし笑っておる。弾き終わったら、今度はオタマトーンのカオをディレクターに向けて置き、三つ指を着いて一礼、「結構なお点前で...」と発した。「モーニングオタマサービス」爆誕である。宿舎さん、これ採用してもいいですよ?
少し音程は外したしテンポも走ってしまったけど、無事にディレクターの目を覚ます任務を完遂できた。なんか目覚まし時計より効果がある気がする。詩吟で言うなら今日、なんかやれる気がする~だ。
連載の始めの方にも書いたが、我々はメンバー内であってもこうしてかまし合うのだ。
頑張ったからお腹が空いた。朝食は、わざわざ届けてくれるという。ロッジの中で頂くようだ。どんな朝食なんだろう。楽しみだ。
リーダーは万一歌詞が飛んでしまった時に備えて、昨夜借りた養生テープに歌詞を書いて、腕に貼ることでカンニングペーパーにするという技を思いついた。せっせとテープに歌詞を書き写しながら、これを貼ったまま、チェックアウトに行けば養生テープを借りた理由が自然に見せれて一石二鳥だと悪いカオをして言う。リーダーは策士だ。
その時、ロッジのドアをノックする音と「おはようございます。朝食をお持ちしましたー」という声がした。宿舎さんの声だ!壁に絵を貼っていることを今バレては面白くない。瞬時にアイコンタクトを取った我々は、数人が壁のブツの前に重なるように立って宿舎さんからブツが見えないようにした。それを見届けて旦那が扉を開く。
「おはようございまーす」と朝食が入った大きなコンテナを持って当直明けの宿舎さんがやって来た。ひとつひとつ手渡しながらコーヒーの入れ方など説明をしてくれる宿舎さん。
よし!ブツには気が付いてないようだ。
1人が朝食を受け取るために宿舎さんの前にでると、すかさず空いたところにほかのメンバーが入る。全員分の朝食をアイコンタクトをしながら、これを繰り返して受け取っていく我々。全て渡し終えると宿舎さんは、
「9:30に会場でお待ちしてますってチョーケシ兄やんかが言ってました」
と優しい笑顔で伝言を伝えてくれた後、「では、ごゆっくりどうぞー」と言ってロッジを出た。
ブツには気がついていない。我々は勝利を確信した。この時の様子は動画でも見れるので、興味のある方はコチラを確認して欲しい。我々の緊張感がお分かり頂けるのではないだろうか。
届いた朝食にテンションが上がった我々はワイワイとコーヒーを淹れる準備をした。
お弁当仕立ての朝食だ。お味噌汁やフルーツジュースもついている。
朝からたこさんウィンナーを見るとテンションが上がる。そして、やはり佃煮が美味しい。妖怪美術館で頂いた佃煮もそうだったが、小豆島の佃煮ってレベルが桁違いに高い気がする。
お醤油が美味しいからだろうか。
コーヒーは小豆島の人が焙煎したコーヒーだと宿舎さんが言っていた。
香りが良く飲みやすくて、普段はブラックを飲まない私がブラックで飲んでもすごく美味しかった。
メンバー皆がコーヒーを飲み始めた頃、外から何か音楽が聞こえはじめた。ライブの会場からだ。音響のチェックをしているのだ。
それを聞いて、
「音響入っとるやん!」
と驚くリーダー。思っていたより大きなイベントだったと焦るリーダーにデジタルクラッシャーでもありコスメコンシェルジュでもあるがプロのメイクアップアーティストでもあるGOTOがメイクを施していく。闇メンバー、みんな色々草履を履きすぎだと思う。
その間に手分けをして荷物をクルマに積んだり、ロッジ内に忘れ物がないかチェックを済ませる。チェックアウトの前に、国民宿舎小豆島にある妖怪美術館の企画展示がされている「妖怪部屋」を見てから、ライブのある「小豆島ふるさと村イベント広場」へ向かう予定なのだ。
準備が整った。最後にTwitter用の写真を撮って、お世話になったロッジを出る。もちろん、出る前にブツがしっかり付いているかチェックは忘れない。完璧だ!
フロントにつながるエントランスに入るところで藤田さんと合流した。
「藤田さん、ハイエースで来てたんですねー」
駐車場で車を見たリーダーが話している。そういえば私たちの車の隣にハイエースが止まってた。あの車が藤田さんだったのか。と考えていると妖怪部屋に到着した。
妖怪美術館との企画展示は、「妖怪オリンピックの選手村」という設定だった。
部屋の押し入れなども利用して展示されている。色々作り込まれていて見ていて楽しい。これが無料で鑑賞できるなんてお得だ。
思っていたより規模の大きいライブのことを忘れて妖怪部屋を鑑賞している我々の様子を、文春砲ならぬ宿舎砲が動画で収めていた。
これも後からTwitterでアップされているのを見つけて笑った。小豆島のオモロいことはTwitterで起こっている。
フロントに行く途中で国民宿舎小豆島のロビーにある小豆島Twitterトレンド大賞の「#ドローンがドロン」トロフィーも見た。
後日談ではあるが、この時我々が爪跡として小豆島に残して行った" ブツ "ことアマビエの絵は、
現在、このロビーにあるトロフィーの横にコレクションとして展示されているそうだ。
小豆島にお越しの際には、画伯の作品をぜひ見てみて欲しい。
今年もやるのかなぁ、Twitter小豆島トレンド大賞。やるのならノミネートされるように県外から小豆島を叫び続ける所存だ。
さて、チェックアウトも済んだ。
リーダーがフロントにいる宿舎さんに養生テープを返しながら、「どうです?これ!」と腕に貼った歌詞のカンニングテープをドヤ顔で見せている。
国民宿舎小豆島、ここでの時間も最高に楽しかった!
チョーケシ兄やんが待つライブ会場へと向かう車の中、勝鬨の声をあげるべく、我々の残した爪跡の写真をTwitterにアップした。我々の勝利だ。宿舎さん、驚くだろうなぁ。笑ってくれるかなぁ。と考えるとニヤニヤが止まらない。
きっと今、チームみんな、悪いカオをしている。