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国際コーチング連盟の新ACC試験を受けました

ファシリテーター・ライフコーチのまなみです。
「自然の中に学びの場をつくる」ことを目標に、2024年2月から東京都日野市に越してきました。
美しい作品を考え、作り、表すことで学習者の主体性を育み、学習者・コミュニティ・世界中の生命を豊かにする、そんな学びの場をみなさんとつくっていけると嬉しいです。


前回、やっと国際コーチング連盟のアソシエイト・サーティファイド・コーチ(ACC)の資格を取得したことをご報告しました。


コーチングの資格はもともと今年の3〜4月に「ちゃんと取ろう!」と本腰を入れました。自分が通っているコーチングスクールのCICP資格の方は、最終関門がメンターコーチに実技を見ていただく試験だったのですぐ5月に取得できました。一方、ACCの方は自分のセッションの録画を提出する方式だったため、「この動画で基準を満たすんだろうか…?」とうんうん悩んでいたら、あっという間に半年経ってしまいました。

提出する動画を決めて、他の要件も揃えて、やっとのことで10月に書類審査に合格!「最終関門は試験だー!!」と思っていたら、なんと11月18日から新ACC試験が受けられるとのこと。「一ヶ月半何もしないで待つ?」と迷ったものの「新ACC試験で合格できたらチャレンジングで面白そう」と思い、11月19日に受けてきました。


今は旧試験からの移行期間なので、どちらで受けるか選択できます。新ACC試験を受けたい場合は、案内にある「ACC Exam Request Form」を送ります。私の場合はFormを送ってもしばらく音沙汰がなく、5日後に「Ready for ACC Credential Exam」という件名のメールが届きました。


結果としては、新ACC試験で受けてとっても良かったと思っています。今回のnoteではどんな勉強をしたかと、新ACC試験を受けて良かったなと思ったポイントをお伝えしたいと思います。
(本noteは完全に私個人としての意見になり、ICFと直接かかわりはありません。また、当たり前ですが合格を保証するものでもありません)



私の新ACC試験の勉強方法


ステップ1:出題範囲・内容を確認する


新ACC試験を受けようと思い立ったときに、まず確認した方がいいのがICFによる新ACC試験についての説明ページになります。ここで時間や形式、出題範囲などを確認します。
(↓これです)


このページに、新ACC試験で出題される分野が掲載されています。
新ACC試験で受けた個別の問題については門外不出で公開はできないのですが、試験を受けた後にこの一覧を見ても、本当にここに書かれていたテーマに基づいた問題が出題されていたなという印象です。

A. コーチング倫理(30%)
①職業倫理規定に関する知識。
②利益相反を構成する要素についての知識。
③機密保持に関する関連法、規制、組織のポリシーと手順に関する知識(例:機密保持違反が必要となる要因)。

B. コーチングの定義と境界(30%)
①コーチングの定義に関する知識。
②コーチングのプロセスと、それが他の関連職業(セラピー、カウンセリング、メンタリング、コンサルティング)とどのように異なるかについての知識。
③いつ、どのように精神保健専門家に適切な紹介を行うべきかについての知識。
④コーチングの進歩を妨げる可能性のある精神疾患の兆候に関する知識。

C. コーチングの能力、戦略、テクニック(40%)
①クライアントとの契約方法に関する知識(コーチング契約の重要な要素など)。
②ICFコアコンピテンシーに関する知識。
③目標設定とモチベーションに関する知識。
④さまざまなコーチングのテクニック、ツール、リソースに関する知識。


ステップ2:ICFによる公式資料を確認する


何が出題されるかわかったところで、これらのテーマについてICFのコーチとしてどういう基準を満たしているといいか紐解いていきます。
まず確認したのは「ICF Core Competencies」です。

「ICF Core Competencies」はICFが定めているコンピテンシーで、今回の試験範囲でいうとC-②をカバーしています。このコンピテンシーは動画提出のときにも確認された方が多いのではないでしょうか。ちなみに、「ICF Core Competencies」に基づいてセッション内での行動指針を示したPCCマーカーもあり、こちらも同時に見ておくといいでしょう。


ICF公式のYouTubeでは、「ICF Core Competencies」の再生リストがつくられています。この動画では、このコンピテンシーがもっとも発揮されているケース、もっとも発揮されていないケースがそれぞれ紹介されています。英語の動画にはなりますが、併せて確認するのがおすすめです。


次に確認したいのが、「ICF Code of Ethics」という倫理規範です。今回の新ACC試験では、この倫理規範をきちんと確認しておくことが鍵になるかと思います。なぜなら先ほどの出題範囲を見てみると、A(職業倫理規程、利益相反、機密保持)、B(コーチングの定義、他のサービスとの違い、精神疾患についての連携)、C-①(クライアントとの契約方法)などほとんどが「ICF Code of Ethics」から来ているからです。


「ICF Code of Ethics」もICF公式が出している再生リストがあるので、これも視聴するのがおすすめです。


ステップ3:例題を解いてみる


ICFが出しているコーチングの定義を確認したところで、最後にステップ1で挙げた新ACC試験についての説明ページの下にあった例題10問を解いてみました。
また自分は10問では練習し足りなかったので、私はChatGPTに練習問題をつくってもらい、それを解くということもしていました。(品質は保証できませんが)


当日の注意点


私は当日は最寄りのテストセンターで受けました。
注意点としては15分遅刻してしまうと無効になってしまうことと、氏名・写真・署名付きの身分証明書が必要になることかなと思います。(私は念のためパスポートを持って行きました)
また、私は今回英語で受けたのですが、事前案内で知ったのは英語が母国語でない人が英語で受験すると、自動的に60分が追加で付与されるということです。英語で受けることに抵抗がない方は、時間の余裕が心の余裕につながるかもしれないので、検討してみてもいいかもしれません。日本語で受ける方で追加の時間をもらいたい方は、試験申込時に申請が必要だと聞いています。
試験を受け終わると、受付の方がすぐに結果を渡してくださるので、心の準備をしておいてください!


新ACC試験を受けて良かった理由


最後に、今回新ACC試験を受けて良かったと思った理由をお伝えします。
それは出題範囲からも明らかなのですが、「ICF Code of Ethics」を改めてしっかり読み直すきっかけになるような試験だったと思うからです。

現行PCCやMCCの試験で続いているICF Credentialing Examは、サンプルケースに対して「一番良い対応」と「一番悪い対応」を選ぶということで、どちらかというと「ICF Core Competencies」に力点を置いた試験になっていると思います。「ICF Core Competencies」は間違いなくICFが求めるコーチングのコアである一方で、動画提出をはじめとして試験以外にも確認する場面があります。

一方、今回の新ACC試験の出題範囲の多くは、「ICF Code of Ethics」から来ていました。最初は試験勉強のために読み直していたのですが、こんな形で副次的に自身のコーチングを見直すきっかけになったと感じます:

  • 自分とクライアントさんの関係性が健全か改めて見つめ直す

  • コーチングの契約書を「ICF Code of Ethics」により合うようにリバイズする

  • セッション中に、自分のコーチングの範囲と限界を理解する(「これはコーチングの範囲だな」「これはメンタリング/コンサルティング/セラピーの範囲だな」「これは専門的な機関に繋がないといけないな」など)

そういう意味で、新ACC試験は選抜や試練という観点ではなく、「ご自身のコーチングの定義をブラッシュアップする方法」と捉えて勉強すると、この新ACC試験の意義がさらに強まるのではないかと思いました。


参考にさせていただいたnote


最後に、新ACC試験を受けるにあたって私自身参考にさせていただいた色々なnoteをご紹介したいと思います!
まずは現在ICF Japanで理事を務めている袖川航平さんのnoteです。
出題範囲や確認すべき資料など、色々なことを参考にさせていただきました。ありがとうございます。


ICFの試験を検討されている方にはぜひおすすめしたい、THE COACH仲間のTakuさんのnoteです。ICF公式が「ICF Core Competencies」について説明してくれているYouTubeは日本語訳がないため、日本語で詳しく知りたい方はTakuさんのこちらのまとめがおすすめです。


また、今回念のため旧ACC試験、通称ICF Credentialing Examの例題も勉強していったのですが、その解説についてTakuさんが解説してくださっているこちらのまとめもおすすめです。


そして最後に、国際コーチング連盟の資格は3年間の有効期限があります。私も次はACCの資格更新ではなくPCC取得を目指したいなと思っていますが、更新のためにどんな単位が必要かをぐっちさんがまとめてくださっています。こちらも参考にしながら今後活動していきたいと思います。


最後に、私のコーチングに少しでも興味を持っていただいた方はぜひこちらのホームページからご確認いただけると嬉しいです。公式LINEアカウントからお問合せも承っています。


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Manami Okuda
すべての人が組織や社会の中で自分らしく生きられるようにワークショップのファシリテーションやライフコーチングを提供しています。主体性・探究・Deeper Learningなどの研究も行います。サポートしていただいたお金は活動費や研究費に使わせていただきます。