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#3 越境する周縁者たち 大阪公演

いよいよ今週末にある、リベラルアーツへの挑戦 
vol.4 「建築 × 音楽」
2月9日(日)大阪・本庄西の現場にて、開催します。

facebookのイベントページは、こちらです。

企画をあたためていくにあたって、メンバーの、建築家・太田翔さん、作曲家の高木日向子さんと、建築と音楽、それぞれの領域のイベントを一緒に鑑賞し、今回は、音楽の公演へ、三人で出かけました。

先日行った、建築の展覧会の様子は、こちら↓

豊中市立文化芸術センターへ

年間ほぼ100%の稼働率で公演が行われる、大人気の施設。
毎月1日のホール予約日は、熾烈な勝負が挑まれています。
建築物としても確か話題になっていなかったかと紐解くと、大阪建築コンクール 大阪府知事賞を受賞しているとのこと。
設計は、株式会社日建設計。施工は大林組。
こういうところまでチェックし始めた、今日この頃の私。笑

越境する周縁者たち 大阪公演
サントリー芸術財団 第20回佐治敬三賞推薦コンサート いよいよ鑑賞!

”越境”するのは、現代音楽のルーツにある、ヨーロッパ音楽であると、冒頭に、企画・主催の太田真紀氏、山田岳氏によって、語られます。

「今」を生きる、国境を越えた作曲家たちに、日本の現代音楽界を牽引する5名の音楽家たちが挑む。

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公演にあたっての、大変詳細な、熱い、facebookイベントページはこちらです!





成立するか、しないかの瀬戸際

□記譜法の試み
足立朋美(1972~)ギター奏者のための振り付け《どうしてひっぱたいてくれずに、ひっかくわけ?》(2011)
演奏する音はおろか、音を出す”所作”を楽譜に、いやヴィデオ(映像)で表しています。演奏者は映像をみながら演奏される様子が、舞台では展開されていきます。
もちろん指示された奏法は、弦をひっかくのではなく、ひっぱたく奏法だったのでした。

□グーグル翻訳された、日本語のテキストを歌詞に置く
アレクサンダー・シグマン(1980~)声、ギター、ライブエレクトロニクスのための《フロー》(2017)
だいぶ意味が分からない。笑 グーグル翻訳という切り口から、作品も生まれるのかという、驚きと、唖然。。



電子音楽の魅力にハマった!

□過去の音と、生の音で演奏する!エエわ!したい!
ケイト・ムーア(1979~)増幅されたピアノ、ギター、録音のための
《センシティブ・スポット》(2005)
曲を演奏する速さ(テンポ)、音にするタイミングは、人されぞれによって微細に違う。そのことに焦点を当てられた、画期的な作品。
いくつも録音されたテイクが重ねられ、その過去の音と生の音を、舞台でアンサンブルされます。

・・・・・・通常は間違いとして認識されるであろう、誰であれメトロノームを完全に再現する能力の不可能性を浮き彫りにし
・・・・・・美しさを探求する何かを創造すべく、その不可能性がもちいられている。
(プログラムノートより)

しびれる~~。それに、過去の音とセッション、したい~~。

ルイス・アントゥスネス・ペナ(1973~)ピアノとライブエレクトロニクスのための《K-U-L-T》(2011)
文句なくカッコイイ!ピアニスト黒田亜樹さんの快演に焦がれる。エレクトロ二クスの音響は、ピアノ音に効果を与えるだけでなく、独立した一つの楽器として扱われた作品。サウンドトラックとしてサンプリングされた、もう一つのピアノパートを操られたのが、有馬純寿さんです。
カタカナ語も多いですが、このお二人で、互いに調を変えたり、形をゆがめたり、絶妙な対話のアンサンブルが繰り広げられていました。
電子を相手に、私も演奏してみたい!


聴き手の脳は、バッチリ作品のメッセージ性でいっぱい

山根明季子(1982~)声、サクソフォン、ピアノ。エレクトロニクスのための《カワイイ^_‐☆b》
作曲者山根明季子さんが感じるカワイイ音の提案を受けて、演奏家がそれぞれ主観的に感じるカワイイを提案する作品。
山根さんは、「”音の質感”というものを追求していきたい」と、冒頭のトークで話されました。彼女がどういう音楽を作っていきたいのか、短いコメントに中に、ギュッと意思が込められているようにとても感じました。
この作品では、人の「感覚」の質感のようなものを扱われているのかなと、後から思うのでした。


······人の「感覚」は人の数だけ異なり、弾き手、聴き手がどう感じるか、もっといえばその時の体調、気分、空間の在り方など様々な要因までもが影響を及ぼし、変容もします。(プログラムノートより)


カワイイ、という何とも気になるタイトルが頭に刷り込まれ、奏者が奏でる音、それぞれに、これはカワイイ!、これはカワイイ!?かどうか、ずっと音とカワイイが絡みながら聞いていることに気が付きます。スゴイ!
人それぞれの異なる、カワイイの感覚も想像し、寄り添うことを目指された意図も体感しており、この”音のコミュニケーション”を作曲した驚きはとても大きいものでした。


作品とアイディア大喜利(すみません)の、紙一重

表現したいことをやりきる、そのことが”作品”になりうる力だと実感しました。また、成立するかギリギリのところだからこそある、面白さを鑑賞した時間でした。
建築と音楽。お互いの領域を鑑賞し、いよいよワークショップに向けて扉を開けます。

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