秋のはじまり
残暑が厳しかった今年も、秋分の日を境に急に涼しくなった。
最近の夏は暑くて終わりが待ち遠しいのに、
なぜかこの時期になると夏が終わる寂しさを感じて、お祭りや花火の写真を見返すのが恒例。
今年は夏祭りが9月になったり、ビールフェスが大雨で一週間延期になったりで、つい最近まで夏を強く感じるイベントが多かったからか、より一層呆気なく終わる感じがして寂しい。
でも、秋は一年で一番大好きな季節。
少し涼しくなって、長袖を着られるようになると、寂しい気持ちはすぐに忘れて、心地の良い秋の空気に飲み込まれていく。
むかしから「食の秋」とか「読書の秋」とかいうけど、自然と何かを始めたくなったりするのも秋の好きなところだ。
ずっとサービスは知っていたけど気にも止めていなかった毎日30分のオンラインヨガレッスンが受けられるASAYOGAをはじめたり、積読を2冊一気に読んだ。
見たいなと思っていたドラマも全部見て。いつもは重い腰を上げてだらだらと長引く自分の部屋の片付けも、洗濯を片付ける流れでふと思い立って始めたら、集中していたのか1時間もかからず終わった。
コンフォートゾーンを抜け出すことは、ちょっとストレスがかかるし勇気のいることだけど、季節の変わり目だって、同じだと思う。
この夏に何度も着て馴染んだ服を仕舞い込んだり、たくさん食べた夏のお野菜が食卓に並ばなくなったり、日常が変化するのだから、違和感を感じたり寂しさを感じるのは当然だ。
だけど、なるべくはやく夏の名残惜しさを手放して、秋を存分に楽しめる心になれたら、秋の終わりの名残惜しさはそこまで感じないのかもしれない。
夏にたくさん味わったナスとピーマンの煮浸しを作りながら、「夏のおわり」とつけたタイトルを「秋のはじまり」と書き換えて、暑い空気のこもったキッチンに、ひんやりとした窓の外の風を感じる、そんな朝。
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