笑神様の国語力:妻に笑いの神降臨 パート3
私は妻を笑いの神、つまり笑神様と呼ぶ。笑神様の有難いお言葉は、私の腹筋を鍛えてくれる。おかげで私の腹回りは1メートルを超えるまで成長した。メタボを育成してくれる笑神様の話。(吉野賢一)
国語世論調査:2020年9月25日、文化庁が「国語に関する世論調査」の結果を発表した。翌日の新聞には「本来の意味・言い方と異なる回答が多かった例」が掲載された。
手をこまねく:この慣用句の意味を「準備して待ち構える」と回答した人が47.4%、本来の「何もせずに傍観してる」と回答した人が37.2%だった。早速、笑神様に「手をこまねく」の意味はどっち?と尋ねてみた。神のお告げは「『手をこまねく』って聞いたことが無い」だった。ご多忙な神には「手をこまねく」ことなどあろうはずがない。人間界の慣用句などご存じない。
敷居が高い:この慣用句の意味を「高級過ぎたり上品過ぎたりして、入りにくい」と回答した人が56.4%、本来の「相手に不義理などをしてしまい、行きにくい」と回答した人が29.0%だった。笑神様に第二問を投げかけた「どっち?」。笑神様は「高級、上品で入りにくい」とのたまった。神のいる天上界ではそういう意味なのだ。神託を信じるべし。
浮足立つ:この慣用句の意味を「喜びや期待を感じ、落ち着かずにそわそわしている」と回答した人が60.1%、本来の「恐れや不安を感じ、落ち着かずにそわそわしている」と回答した人が26.1%だった。もちろん笑神様は「喜びや期待を感じ」とお答えくださった。神の御示しに「恐れや不安を感じ」てはいけない。
今までのことを改め、最初から始めること:は「新規まき返し」「新規まき直し」のどちらか?「新規まき返し」を選んだ人が44.4%、本来の「新規まき直し」を選んだ人が42.7%だった。笑神様の教えは「新規まき返し」であった。悔い改める必要のない神には「まき直す」という概念が無い。「まき返し」て元に戻ることはあっても。
前に負けた相手に勝つこと:は「雪辱を晴らす」「雪辱を果たす」のどちらか。「雪辱を晴らす」を選んだ人が50.5%、本来の「雪辱を果たす」を選んだ人が38.3%だった。どっち?私は祈りながら神に尋ねた。笑神様は「雪辱を晴らす」をお選びになった。祈りは聞き届けられた。負けることが想定外の神には「雪辱を果たす」ことが無い。下々の者が「大雪で困っております。助けて下さい」と祈るとき、神通力にて「雪(辱)を晴らす」のみ。
余談①:ある日、笑神様が「あなたがよく使う古語、なんだったけ?」と聞いてきた。「いぬ?」と唯一の心当たりを答えた。関西(兵庫)では「帰る」ことを「いぬ」と言う。使い方は「ほな、いのか」=「じゃあ、帰ろうか」、「いね」=「帰れ」など。笑神様は「違う。もうちょっと長い言葉」とお導き下さったが、心当たりがない。後日、神はひらめかれて「すこぶるよ~」とおっしゃられた。
余談②:私は「すこぶる」という言葉をよく使う。noteの記事を調べたら「言語・痛みの脳科学:映画ハンニバルからの学び」「ゾナハ病:この恐ろしい病気と副交感神経」「なぜホタルは熱くならないの?:発光の不思議①」にも使用していた。会話でも良く使う。でも「確かにあまり使わなくなった言葉だけど、古語ではない」と思って調べたら、古語辞典に載っていた。笑神様に「ひとつ利口になりました」と感謝いたしました。
余談③:笑いとメタボは関係ありません。あくまでも個人の感想です。
「国語に関する世論調査」の結果は、こちらからご覧になれます。