写真機は要らないわ。五感を持ってお出で。
なんですか、このタイトル。
でも、どっかで聞いたことがある言葉ですね。
‥‥東京事変の「閃光少女」の歌詞ですか?
正解!よく分かったね!
急に歌詞なんか出してきて、どうしたんですか?
いい歌詞だなぁと思って。
まぁ、いい歌詞ですけど。
「写真機は要らないわ。五感を持ってお出で」という歌詞って、我々現
代人へのメッセージのように思うんだ。
今、WBCが開催されてるよね。東京ドームは連日満員で、侍ジャパンの
選手も相手選手もみんな活躍している。俺もテレビで観ていて、とても
興奮している。
ただ、中継を観ていて思ったんだ。
「スマホで動画撮影している観客ばっかりだなぁ」って。
たしかにそうですね。
でも、現地で観戦してたらスマホで動画撮影ばっかりしてしまうと思い
ますけどね。
そうなんだよ。
かく言う俺もそうなんだよ。
俺はサッカーが大好きだから、サッカーの試合観戦にもよく行くんだけ
ど、動画ばっかり撮っちゃうよね。
でも、せっかく現地で観戦しているなら、白熱した試合を肉眼で凝視し
て、その様子を脳に焼き付けるのも忘れちゃいけないと思ったんだ。
勿論、動画を撮ることを否定しているわけじゃないよ。試合観戦のとき
俺もめっちゃ動画撮ってるし。
何を言いたいかというと、動画を撮影するのもいいけど、肉眼で見て光
景を脳に焼き付けることも忘れないようにしようぜってこと。
だから、「写真機は要らないわ。五感を持ってお出で」なんですね。
"映像に残そうとするよりも、己の感覚で感じなさい"
あなたは、そういうメッセージを閃光少女から感じ取ったんですね?
その通り!
試合の様子を画角に収めようとすると、我々はどうしてもスマホの画面
を見ることになる。このとき、我々が見ているのは試合ではなく、試合
を撮っている画面だ。
でも、「写真機」をポケットの中にしまって、「五感」をもって試合を
観ることで、より直接的に試合を観戦できるようになると思うんだ。
たしかに。
レンズ越しに観戦しているときって、自分と選手との間にレンズが存在
する分、間接的な観戦になりそうですね。
そうなるよりかは、己の視覚によって光景を脳に焼き付け、己の聴覚に
よって歓声の圧を感じ、己の触覚によって会場の揺れに身を委ねること
に集中する方が良さそうですね。
そういう観戦体験を優先したいね。
あと、動画を撮ることに慣れすぎると、自分の視覚をスマホのカメラに
外注しているような感覚になるんだ。
自分の記憶の置き場所が脳ではなく、スマホの写真フォルダになってい
る感覚になるんだ。
俺がそんな状態であるからこそ、「写真機は要らないわ。五感を持って
お出で」という歌詞にはっとさせられたんだ。
今回の話で、最近のあなたが「閃光少女」を鬼リピしていた理由が分か
りました。
なんで鬼リピしてることを知ってるの!?
イヤホンはちゃんとつけていたはずだけど‥‥。
めちゃくちゃ音が漏れていましたよ。ダダ漏れですよ、ダダ漏れ。
イヤホンで爆音で曲を聴くのはやめた方がいいですよ。聴覚が壊れてし
まいますよ。
己の感覚で知覚することが大事だと力説していたあなたが、己の感覚を
壊しにかかっているなんて、面白いですね(笑)
嘲笑しないでくれよぉ。
‥‥以後気を付けます。