1時間ほど前、食事を取ろうと階下に降りると愛犬が死んでいた。 いつも寝ている場所で眠ったようにしているので一見死んだとは思えなかった。体を揺すって声をかけて、息をしているか確かめて、胸に耳を押し当てて鼓動を確認して、それでやっと、死んでいるとわかった。彼女の口からは少し血が出ていたし、死後筋肉が緩んだのかすこし漏らしていた。 死んでいるとわかってからまず真っ先に、一番彼女を可愛がっていた父に連絡した。おそらく会議中だった父は何度も本当に死んだか問いかけて、状況を説明