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マウイ、ラハイナの火事災害で考えたこと
因みに上の写真は、去年ハワイ島のマウナロアが噴火した時の写真です。去年の11月にマウナロアが噴火し、そして、キラウエアも続いて小規模な噴火をしました。幸運なことにこの時は、被害はどこにもありませんでした。
ハワイ島に2006年5月に引っ越してきて、すぐに大きな地震に見舞われました。せっかくカリフォルニアから運んできた、いくつかの食器が割れ、重くて大変だった大きな鏡も倒れて割れてしまいました。しかし、古い家自体には被害も無くすみました。島自体では、教会の釣り天井が落ちたり、ホテルのベランダが落ちたり、キャプテン・クックベイの記念碑が被害に有ったり、かなりの家の壁にヒビが入ったりと、それなりの大きな被害が有りました。
この時、初めてハワイ島に住むというのはどういうことか学びました。ここでは、独自のラジオ局とか有りません。情報を得ようと、車のラジオをつけても、平和な録音された番組が流れるだけ。臨時情報など、一切流れませんでした。停電で、テレビもつかず、その頃はアイフォンなんてないから、インターネットも使えないし、何がここで起こったかは、心配して掛けてくれた友人の電話で初めて知ることが出来ました。カリフォルニアの友人がテレビの臨時ニュースで流れる情報をそのまま伝えてくれました。津波警報が鳴ったかどうかは覚えていません。
2018年1月13日、いきなりアイフォンが鳴り、ミサイル警報が画面に表示されました。ミサイルがハワイに飛んでくる、シェルターに非難せよ、と。丁度同じ頃、日本の北朝鮮のミサイル警報のことをニュースで見ていたので、ここまで飛んでくるはずはないと別にあわてずにいましたが、戦争を子供の頃体験した友人のお母さんは、慌てて階段を踏み外し、足を骨折してしまいました。大勢の人を不安におとしいれたようですが、数時間後、これは単なる人的ミスだったと知らされました。
ハワイの最近の一番大きな自然災害の被害は、やはり、2018年3月12日から始まったキラウエアの噴火でしょう。最終的に716個の家が溶岩に飲み込まれ、約3千人の人が避難生活に見舞われました。島の西側は、噴火が終わる8月まで、ずっと青い空を見ることが出来ませんでした。
そして、今回のマウイの火事です。最初山火事の報道を見て、「ああ、山火事か。大きくならないといいな」としか思っていなかったのが、突然、次の日にはラハイナが焼けていると!今現在、90人以上の人が亡くなり、カリフォルニアの悲惨な火事の死者数を超えて、近年では最悪の災害となりました。まだ、50%の被害地のチェックも済んでいないので、最終的にどれほどの死者と、行方不明者の数になるか、、、、、
どうして警報が鳴らなかったのか?今多くの被災者が声にしています。オアフのオフィスの人の操作で、ハワイ全域に警報発動が出来るのに、マウイが停電や、一気に火災が広がったという事実が有ったとしても、誰かがオアフに一報し、たとえマウイと特定できなくとも、ハワイ全域の人の携帯電話に、マウイの火事の危険性を知らせることが出来なかったのか?どうしても2018年の経験が有るだけに、せめて携帯で警報を流せたらと思えてならない。
毎日の報道で、生き残った人の話を聞くたびに、その時時の判断が、命の分かれ目に成ったことを、まざまざと思い知らされる。山火事の煙と匂いが自宅に近づいた段階で、早めに避難した人は、たとえ渋滞に巻き込まれても、なんとか脱出することが出来ていた。動かない車の中、周りが炎に囲まれ、車を乗り捨て、炎の中に飛び込み、海に逃れて助かった人。車の中の家族の死体。
自分の身は自分で守るしかない。いつ避難するか?ハイウエイをぶっ飛ばす車のようなスピードで(時速100キロ)突風が吹いたら、例え山で燃えていた火の粉も、吹き飛ばされ、住宅地に落下するだろう。それに加え、住宅が並ぶ町中の電信柱も、未だに丸太。風で倒れただけでなく、それ自体が燃えてしまう。キラウエアの火山が爆発した時も、予備の電柱がハワイ島に無く、電柱が届くまで、電気を復旧させることが出来なかった。ようやくその後、火山近くの電柱の下の方には、燃えない工夫がなされたようだけど、、。
どうして火山や、地震が多いハワイの電柱が、皆丸太なの?ハワイ島に始めてきた時は、この丸太の電信柱に、ノスタルジーを感じたけど、こうした火事の被害を見ると、もし、あれが鉄筋コンクリートの頑強で風で倒れず燃えないものだったらと思えてならない。だって、ハワイ島のこの狭い道の両側に立ち並ぶ電信柱が、一本でも倒れたら、両側を塞ぎ、それこそそれが燃えたりなんかしたら、たった一本の道しかない所に住んでいる私達は、どこにも車では避難できない。2018年、噴火警報が出た時、一応非難用意だけはしたけど、あの時もしこちら側に溶岩が流れてきていたら、、、、生きていることに感謝。