ぶなまうどんえ(ぶ氏)

・流離う福祉びと ・老人ホームを改革したいともがいているオジサン ・一人時間を愛する閑人

ぶなまうどんえ(ぶ氏)

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最近の記事

老人ホームをINNOVATION。そしてCREATIVEで、HAPPYEND HOMEに。もがく施設長日記その4。〜老人ホームは、今でも「姥捨山」なのか?

入居者も職員もHAPPYと思える場所づくり。 1)入居者ファースト、実は職員もファースト  〜スローワーク、スローケア、スローライフを実践する。 ③3つの「ゆっくり」  私の施設の理念は、3つのゆっくりを実践すること。ひとつめのゆっくりは、入居者さんたちの隣に座ってゆったりと寄り添い、語り合いながら、急かさないケアを行うこと(スローケア)。ふたつめは、時間に追われない仕事の進め方をすること(スローワーク)。そして、休日のお茶の間のように、のんびり寛いだ雰囲気の中で、職員

    • 老人ホームをINNOVATION。そしてCREATIVEで、HAPPYEND HOMEに。もがく施設長日記その3。〜老人ホームは、今でも「姥捨山」なのか?

      入居者も職員もHAPPYと思える場所づくり。 1)入居者ファースト、実は職員もファースト  〜スローワーク、スローケア、スローライフを実践する。 ②3つのHAPPY    入居者さんも職員も法人も地域も、みんなHAPPYになれるようにするにはどうすればいいかな、と毎日毎日欲張って考えています。お金もかけず、一方的なやらされ感がなく、役割と居場所があり、適度に責任が生まれるようなケアサービス、職場環境、やりがい創出、地域支援。みんながいつも笑顔でいられる場所にするために、入

      • 老人ホームをINNOVATION。そしてCREATIVEで、HAPPYEND HOMEに。     もがく施設長日記その②〜老人ホームは、今でも「姥捨山」なのか?

        入居者も職員もHAPPYと思える場所づくり。 1)入居者ファースト、実は職員もファースト  〜スローワーク、スローケア、スローライフを実践する。 ①まずは、コミュニケーションを増やすために、生活環境と仕事環境を整える  私がいまの小さな老人ホームの施設長に着任して6年になります(7年かも💦)。  定員20名の軽費老人ホーム(ケアハウス)ですが、介護保険上では、地域密着型特定施設入居者生活介護のカテゴリーに分類される施設なので、要介護1以上の方が入居の対象になっていて、い

        • 老人ホームをINNOVATION。そしてCREATIVEで、HAPPYEND HOMEに。もがく施設長日記その1。  

          もがく施設長日記① 〜老人ホームは、今でも「姥捨山」なのか? このままでいいのか、老人ホーム  老人ホームってどんなイメージですか?と地域のある集会に集まった介護予備軍に訊ねたら、思った通り「姥捨山」でした。  「施設みたいなところに入れられて…」「施設なんかに入ってしまって…」という場所。  ある老人ホームの介護福祉士に聞いたら、3大介護(食事・排泄・睡眠)が何より大切だと自信たっぷりに言い、そこで暮らす高齢者の主体性や自立心より「管理」が大事で、変化よりルーティンの作業

        老人ホームをINNOVATION。そしてCREATIVEで、HAPPYEND HOMEに。もがく施設長日記その4。〜老人ホームは、今でも「姥捨山」なのか?

          陽陽介護、やってみた。

           7月はじめ、職場がコロナに占拠された。  私の職場は18人のスタッフが、シフトを回しながら、介護が必要な20名の高齢者をケアしている小さな老人ホームだ。  コロナはいつの間にか潜り込んでいて、突然姿を現した。職員9人、入居者8人があれよあれよという間に感染した。  「ついに、やられたか!」と落胆しつつも、感染を間逃れた職員たちでどう戦闘体制を整えるか思案していた矢先、私自身も発熱し、喉の痛みが出現した。まさかの「陽性」に、驚きはなく、むしろ笑ってしまった。  自分が陽性とな

          陽陽介護、やってみた。

          蝉と網戸

           目覚めたら蝉、おそらくクマゼミが騒がしい。今日も朝から猛暑をうかがわせる日差し。 掃き出し窓を全開にして、網戸は隙間なく閉めて、網戸に貼り付くように寝ると朝まで快適な睡眠が得られる。扇風機もエアコンも出番がない。ただ目覚めると夏の風物詩、蝉の挨拶が待っている。  隣の老夫婦にとって蝉は天敵らしく、隣の敷地からうちの小さな庭に植えたコナラの木に向かって、水が飛ぶ。水を撒いてセミを驚かせて逃がそうという作戦とみえるが、焼け石に水というところか。  夏は好きだ。蝉の声も、夜の微か

          優しさを恥ずかしがらずに表現できる仕事〜落ちこぼれにもできること

          目次 「福祉」との出会い 落ちこぼれの「福祉のようなもの」への憧憬 #この仕事を選んだわけ 結局福祉バカが天職   1.「福祉」との出会い  24時間テレビがスタートしたのは、僕がまだ小学校5年、11歳の夏だった。「福祉」という言葉はもちろん、栄養失調や貧困や障害者たちがこの世に存在していることも知らなかった。      画面の中に、汚れて痩せこけた裸の子供たちが映し出される。お腹だけが異様に膨らんでいて、その顔には無数のハエがたかり、茶色い水を飲み、泣き叫んでい

          優しさを恥ずかしがらずに表現できる仕事〜落ちこぼれにもできること

          2022の扉〜過去のチャレンジを再び

          小さな小さなとある老人ホームの施設長がつぶやいた。 「スタッフが時間に追われない職場が創れないかな」 〜業務スケジュールを取っ払ってうまくやってる施設ももうあるよ。 「スタッフや入居者が恋できるような施設がつくれないかな」 〜その結果、スタッフ同士、二組の不倫の花を咲かせたのは、誰だ。 「入居者がここで死にたいって選んでくれる施設が創れないかな」 〜まだまだいい現場づくりが先だね。 55歳。流離いの福祉バカのチャレンジは続く。

          2022の扉〜過去のチャレンジを再び

          介護の仕事はカッコイイのだ!〜100年の人生の幕引きに寄り添える奇跡

           親の死に目にも会えない時代、高齢者施設では毎年必ず幾人かの100年の人生を閉じる瞬間に立ち会うことができる。  自然に枯れていくひとりの人間の一生の最後の場面は必ずしも美しいばかりではないけれど、波乱万丈の人生のラスト・ステージをこの施設で過ごしてくださったことに、そして人生のラスト・シーンに、ご家族とともに私たちを寄り添わせてくださったことに、いつも感謝している。  戦争を生き、戦争で大切なものをたくさん失い、戦後の混乱期を逞しく乗り越え、復興を支えてきた方々の月日は尊い

          介護の仕事はカッコイイのだ!〜100年の人生の幕引きに寄り添える奇跡

          3日目の扉〜美しい看取り

           人は、その人生に終止符を打つことを無意識の中で意識したとき、痛みや苦悩を道連れにしないよう、自らを楽園に導く、とっておきの魔法の扉が開くようにできているらしい。  昨夜12月23日、96年の人生を閉じたおばあさんがいる。私が働く高齢者介護施設で約3年、ともに暮らした。  ここひと月、緩やかに枯れていった。  食事を受け付けなくなり、排尿も徐々に少なくなり、ふくよかだったおばあさんの身体は、細く小さくなった。  人は綺麗に死ぬ準備の整えとして、体内に何も入れず、体内にあるもの

          3日目の扉〜美しい看取り

          2日目の扉

           扉を開けて二日目。  外は風が冷たく、我が家たる軽自動車の座席もけして快適な空間ではない。こんな時は、カフェにでも入ってコーヒーやカフェ・オ・レでも飲みながら、ゆっくり言葉探しをすればいい。  いやいやそれができたら、どんなにか、いい文章が作れるだろうに。  初投稿に続き、この話になるが、僕はひとりでカフェに入れない。   でもこれが何故か、誰かとカフェで待ちあわせをしたとして、自分が先に到着した場合は、たとえ知らない店でも、軽々と体を店内に移動し、堂々と着席し、連れが現れ

           初めて自分から踏み出す瞬間は、何事においても、歳を重ねても、勇気がいる。  55年生きていても、カフェも、雑貨屋も、床屋でさえ、その扉に手をかけるその瞬間がなんだか怖くすら感じて、ひとりではたどり着けない。例え、うまく扉が開いて、その向こうに我が身をどうにか移動できたとしても、長居が出来ない。例えば、カフェに入って、おどおどしながら、コーヒーを注文できたとしても、あっという間に飲み干してしまい、すぐさま手持ち無沙汰で落ち着かず、伝票を手にそそくさと会計に尻を浮かすしか出来な