醤油兄さんと醤油差し先輩
家で醤油差しを使っている人は多いだろう。しかし、しばらく使っていないと、出口のほうで醤油が固まって中身が出ない、という事態に陥ることがある。
僕らはこの「醤油が固まって出口がつまる」という事態を、単に「醤油差しの欠陥」のように捉えているところがある。しかし本当にそうだろうか。
先日も、醤油を使おうと思って醤油差しを傾けたら、出口がつまって中身が出なかった。でもそのとき、ふと思ったのだ。
「出口が醤油でつまることによって、中の醤油が密封されて、醤油の鮮度が保たれているのではないか?」
すなわち醤油が固まるのは、醤油が自身の鮮度を保つための「自己防衛手段」というわけだ。
「醤油兄さん……!」
さらには、醤油差しの先があんなに細くなっているのも、単に少しずつ出せるようにするためだけでなく、醤油が固まって鮮度を保ちやすくするための工夫でもあるのではないか。
「醤油差し先輩……!」
醤油兄さんと醤油差し先輩のことは、これまでもかなりリスペクトしていたが、その思いは格段に強くなった。
これからもついていこうと思っている。
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