「祭は必要?」 アベプラ出演で本当に伝えたかったこと
先日、Abema Primeの番組に出演しました。個人的によく見ている番組で、 考えることや学ぶことも多かったのでnoteで振り返りたいと思います。
動画はYouTubeの方が短くで見やすいのですが、一番伝えたかったところはカットされてしまっていたので、よろしければ本編を見てもらえると嬉しいです。
動画【お祭り】だんじり事故で廃止するべき?危険性どこまで排除?警察の介入は?住民と地域に必要?|アベプラ -
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=O8IyPOgFNC0
本編:https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p4699
直前の出演オファーから、伝えたいことを整理
4月20日の昼、岐阜県飛騨市の古川祭の最中にテレビ局からの電話で30分のインタビュー後、番組の出演オファーを受ける。富山市に移動しての会食後、21時から利用可能なコワーキングスペースで進行表等を確認。答えるのに難しい質問が多いが、時間もなく問答集は作れず。「なぜ祭が必要か?」が最も重要な問いと判断し、後悔しないようまとめておく。
そのメモがこれ(汚くてすみません)
「なぜ祭をやるのか?」
ハレの場で、エネルギーを放出することで、日常のサイクルが回っていく。
はぐれもの(特に日常をうまく生きれない人)にとっての「生きる歓び」だから。
祭は地域の円陣、身体性・共同体意識。
これだけ記憶してあとはその場の流れでいこう決めた。
迎えた本番 記憶に残った兼近さんとのやり取り
緊張で迎える初めての生放送。コワーキングスペースの個室に、飛騨古川で買ったお土産の箱を3箱積み上げその上にスマホを乗せてカメラの位置を合わせる。なんとも心もとない。
個人的に思うハイライトは兼近さんの発言から始まる以下のくだり。
この意見になるほどと思い理論的には理解しつつも、「プロ化」って言葉が感覚的に引っかったので、話題が流れる前に「すみません、ちょっといいですか」と割って入った。
途中でのカットインのタイミングは難しかったが、それをMCがうまく拾ってくれたことに感謝。あそこで発言できず次の話題に移っていたら確実に後悔していた。また、これまで使ったのことのない「ヒロイズム」という言葉が自分の口から自然に出てきたのは驚きで、対話があるからこそ生まれるものもあると思った。
祭では素人(アマチュア)同士が、感情をさらけだして本気でぶつかりあう。社会的な枠を超えた人間同士の丸裸なコミュニケーションが楽しいし、それが祭の醍醐味なんだと思う。見せる/見るの関係で終わらない、渾然一体となってみんなが祭の一部になれるのが素敵なことだと思っている。
全体を振り返って思うこと
テーマがセンシティブかつ準備ができなかったので不安もあったが、結果楽しむことができた。MCの平石さんのスムーズな進行は流石だったし、兼近さんの論も素晴らしく説得力があった。自分自身に対するいい問いをもらえただけでも出演した価値があったと思う。
良かったこと
・最低限伝えようと決めていたことは伝えられた
・実際に祭の現場に行っていたので、臨場感を持って伝えることができた
・古川祭と蘇民祭という、自分がこれまで何度もお世話になっているお祭についても(少しは)PRできた
難しかったこと
質問の意図をきちんと汲み取れず頓珍漢な答えをしてしまったことがあった。「大原さんは(祭の)事故で死ぬことをどう思うか?」という質問に対して、瞬間的に娘の顔が浮かんで「絶対に死にたくない」と即答してしまったが、あとで動画を見返してみると質問の意図は違ったように思う。本来は「他の人が死ぬことをあなたどう思うか?」という問いだったのだと。
その問いならば、「決死の覚悟で全力でぶつかるのは大切だと思うが、死ぬことは良くない。死なない(重大な事故が起きない)ような仕組みづくりが重要。」と答えただろう。
生放送でこれを毎日やる方々は大変だ。尊敬。そして、自分に子供ができたことで、無意識的に生に対する執着心が高まったんだと実感する。
その他雑感
・危険を伴う祭に参加するときには大怪我する覚悟は持っているけれど、死ぬ覚悟は持てない。だからこそ死ぬ気でやれる人は尊敬する
・「祭り」っていう言葉の定義は人それぞれ本当に広くて多様で、イメージするものの違いから、こうした対話が噛み合わなくなることも多い。今回も何度かそれを感じて戸惑ったことがあった。またこういった議論で出てくる「盛り上げる」という言葉も様々な意味合いをもつから、同じように混乱を生みやすい
・今後祭りをどうしていくかは最終的に地域の人が決めることだと思うし、そう発言したが、それはもしかしたら無責任なことかもしれない。仮に休止する、やめるなんて決断、普通の人じゃできないもの
・今回のだんじりの事故に限らずだが、これだけ祭り批判が多くなったのは、皆がスマホで動画を撮影し、すぐにSNSに投稿されるようになったのが大きいと思う。目の前で大きな事故に関する動画を見たら、ことの経緯とか関係なく、人は感情的に反応してしまう
・番組内で議論展開まではいかなかったが、南弁護士が発言したLGBTへの対応やハラスメントという視点も大事だし、今後避けては通れない話になってもくるだろう
さらに振り返って、編集後記的なもの
そういえばアベプラの祭り特集、前回も「夏祭り不要論」だった。最近メディアに祭が取り上げられる時はこういうネガティブな取り上げられ方ばかりなのは少し寂しい。
去年の夏に秩父の重鎮の方々とお話していたら、「祭には意味なんてねえんだ。意味がないからいいんだ。」と言っていた。
それ以上何も言えなかった。だってこれが真実だもの。
でも地域社会も含め、社会がホワイト化(岡田斗司夫的ホワイト化)してしまうと、こういうことが通じなくなってしまうのよね。
好きな祭りを続けたいなら(わざわざ)なぜやるのかを周りに説明しなくちゃいけない。住民や行政、ときには学校などにも納得してもらわないといけない。
最後に、コロナ後に祭を再開する際の祭の担い手に、武器として使ってもらいたい!と思い、資料を作ったり、調査も行ったんだった。地域の祭りを残していくために必要な要素も散りばめられていると思います。是非活用ください!そして何か必要なことがあれば声掛けください。
地域の祭から、たくさんの「生きる歓び」が生まれることを願って。
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