Manabu Kuwabara(CPA)

立教大学体育会準硬式野球部出身。公認会計士試験合格後、KPMG・カカクコム・PEファン…

Manabu Kuwabara(CPA)

立教大学体育会準硬式野球部出身。公認会計士試験合格後、KPMG・カカクコム・PEファンドのインテグラルを経てアクアコーポレートアドバイザリー設立。PEやVCファンド・一般企業・スタートアップのM&A・資金調達・事業承継等をサポートしています。

最近の記事

プログラム初心者が大谷翔平ヒット・ホームラン予測アプリを作ってみた

こんにちは。公認会計士の桑原です。 前回の記事ではyfinanceAPIでの自分専用の上場企業財務データダッシュボードの作成について書きました。このダッシュボード作成から数週間後の8月初旬にチャレンジした大谷翔平選手のヒット・ホームラン予測アプリについて書いていこうと思います。 今回のチャレンジ前回の記事でも触れたTech0の課題の一環でチームでアプリを作ることになり、ダッシュボード作成時から色々と学習が進んだので以下を盛り込むアプリを作りたいと考えました。 サイトか

    • プログラミング初心者がyfinance APIで自分専用の上場企業ダッシュボードを作ってみた

      こんにちは。桑原です。 今回はプログラミング初心者の私がyfinance APIで自分専用の上場企業ダッシュボードを作ってみた話をしようと思います。 なぜプログラミングの勉強を始めたか?元々文系人間でプログラミングとは無縁の生活を送ってきましたが、縁あって今年の4月からTech0というコミュニティでプログラミングなどのテックの勉強をする機会を得ました。 振り返ると監査法人退職後にIT企業の経営企画部門に勤務していたにも関わらず、当時は全くITの勉強をしていませんでした。

      • スタートアップのPEファンドを利用した2段階エグジット

        こんにちは。公認会計士の桑原です。 今日は利益が出ているスタートアップファウンダー向けのPEファンドを利用した2段階エグジットを説明したいと思います。 2段階エグジットとは何か?通常スタートアップのファウンダーが株式譲渡で資金を取得するには、①IPOか②M&Aエグジットの2つと考えられることが一般的です。 しかしIPOを実現するためには何年も必要ですし、他社に売却した場合は手塩に育てた会社が自分の手から離れてしまい経営者の地位から降りることもあるでしょう。 会社の成長に

        • 財務デューデリジェンス(財務DD)の限界

          こんにちは。公認会計士の桑原です。 職業柄、財務デューデリジェンス(財務DD)の依頼を多く受けます。 公認会計士に頼めば財務の問題点は見つけてくれるでしょ?とお考えになるかもしれませんが、会計監査では把握出来ても財務DDでは検出出来ない財務リスクが存在します。 今回は財務DDで検出することが難しい財務リスクを見ていきたいと思います。 会計監査では出来るが財務DDでは出来ない手続き 会計監査でも財務DDでも対象企業の財務諸表の内容を精査するという点に違いはありません。 し

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          株式交付で28億円も節約したスタートアップの買収例

          こんにちは。公認会計士の桑原です。 2021年3月に新しいM&Aの手法である株式交付制度が施行されています。 この株式交付を用いてGMOインターネット株式会社(以下、GMO)が株式会社OMAKASE(以下、OMAKASE)を子会社化するというリリースが2021年5月24日に公表されました。 今回はGMOによる株式交付を用いたOMAKASEの子会社化のリリースを通して株式交付の概要・手続きを見ていきたいと思います。 株式交付とは何か? 最初に株式交付の内容を確認しましょう

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          スタートアップに知ってもらいたい優先株式の論点

          こんにちは。公認会計士の桑原です。 本日はスタートアップに知ってもらいたい優先株式の論点をまとめました。 スタートアップが資金調達をする場合、特にVC等からまとまった金額を資金調達する場合は普通株式でなく優先株式を発行するケースが多くあります。 普通株式であれば株価と株式数を決めればOKですが、優先株式は色々と決めなければならないことが多くスタートアップからすれば手間やコストがかかるため面倒だなと感じるかもしれません。 しかし、優先株式で色々と決めることで投資家のリスク

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          資本と借入の違い

          ビジネスをスタート・成長させるためには初期投資、運転資金、人件費等の資金が必要です。 まず自己資金。会社に必要な資金をファウンダー自らが資本金として会社に拠出するものです。 この手元資金の範囲内でビジネスをスタートさせ、収益を得て利益を確保し、キャッシュ・フローが回っていけば特に外部からの調達は不要です。 しかし、サービスをローンチするまでに一定規模の初期投資が必要な場合や、サービスをローンチしても黒字化するまでの期間が長期にわたる場合はキャッシュ・フローが回るまで外部

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          Valuationの基礎(EVとEV/EBITDAマルチプル)

          今回は通常のM&Aで検討されるValuationの手法であるEV/EBITDAを見ていきます。 エンタープライズバリュー(Enterprise Value) エンタープライズバリュー(Enterprise Value)とは、企業のある時点の金銭的な換算価値をいい、略してEVと呼ばれます。M&Aでの買収対象の経済的価値を評価する手法の一つとして用いられています。 EV=時価総額+純有利子負債(借入金等の有利子負債‐現預金) 時価総額=株価×発行済み株式総数 純有利子負債=借

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          豆蔵HDのMBO、投資分析とのれん対応

          先日豆蔵ホールディングスのMBOのリリースがありました。 早速、公開情報からValuationを見てみたいと思います。 ※以下の内容は公開情報とこれに基づく個人的な見解になります。 TOB価格のValuation TOB価格は1885円でプレミアム18~25%程度です。 今回、筆頭株主である情報技術開発社(16.87%保有)と創業者であり代表取締役である萩原氏(1.66%保有)と事前に応募契約を締結していますが、合わせて20%に満たず、また2019年10月7日の終値は1

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          オリオンビール買収のValuation

          先日NCAPとカーライルがオリオンビールをバイアウトするというニュースが流れました。 オリオンビール社の基礎数値 借入金よりもCashのほうが160億強多いです。 しかも、投資有価証券や投資不動産も保有しています。 合計200億円強のCashライクを保有しており、 これを考慮すると368億円のNet Cashです。 Valuation 通常のマルチプルは8.4xですが、 200億円のCashライクを考慮した修正Net Debtで計算した 修正EVでは4.2xとなります

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