
【高校物理】力学分野 「原則編」
私が毎年行っている「早朝物理講習」を 𝕏 上で再現しようという試みです。
力学の基本から実戦問題までを扱います。
公式の導出も可能な限り行っていきます。
特に,力学問題の取り組み方に重きをおき,
受験生が誤るポイントなどにも触れていこうと考えています。
問題の選定にあたっては,
・ 力学の考え方が体系的に学べる
・ 解いて楽しい,新たな発見がある
この2点を念頭に置きました。
力学分野「原則編」で,力学問題の解き方を学んだ後,
「さまざまな運動編」で,身の回りで見られる運動を扱う予定です。
【原則編1】
「力のつり合い」(講義・例題)
電気通信大学 過去問解説
物理基礎の教科書は,
速度,加速度の定義から始まり,等速度運動,等加速度直線運動,
重力だけを受ける運動(自由落下・水平投射・斜方投射)を扱います。
そして,そのあとで「力のはたらき」へと入っていきます。
しかし,加速度が生じるのは「力」がはたらいた結果です。
この講義では,
「力のベクトルの描き方(作図の仕方)」を紹介したあと,
入試問題を解きながら物理用語(物理独特の言い回し)についても
説明していきます。
【力学 原則編1】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 3, 2024
力のつり合い(講義・例題)
私が毎年行っている早朝物理講習の内容をここに再現していきたいと考えています。投稿頻度は落ちますが,ゆるゆると続けていきます。力学の基本から実戦問題まで講義・解説します。まずは重要事項「作図の仕方」から。例題は電気通信大学の過去問です。 pic.twitter.com/PfTXERoJlX
【力学 原則編1】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 3, 2024
(例題 解答・解説①)
物理の問題には「物理用語」や「独特の言い回し」がちりばめられています。受験生はその言葉遣いに慣れていく必要があります。今回は講義の文章および入試問題文の中に含まれるそれらの言葉すべてに(注)をつけ,説明してみました。是非参考にしてください。 pic.twitter.com/2ckgUqBZTN
【力学 原則編1】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 3, 2024
(例題 解答・解説②)
力学が苦手な人は作図に向き合っていないという特徴があります。そもそも図を描かない,文中の図をそのまま写しているだけ,図が小さすぎ,何の工夫もしていないことがほとんど。
昔つくった動画もどうぞ。https://t.co/7b9CSMXu6ohttps://t.co/HtP6l6yhT7 pic.twitter.com/b5IaY8Py35
【原則編2】
「等加速度運動」(講義・例題)
等加速度運動の公式を導出して,例題を1問解きます。
初速度,初期位置,変位,速度,速さ,加速度,相対速度など,
教科書を見て,再度,定義を押さえておきましょう。
「等加速度運動問題の解法」も示しておきました。
やはり基本は「作図をすること」です。
相対運動に関しては,後ほどこの【原則編】で改めて取り上げます。
【力学 原則編2】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 10, 2024
等加速度運動(講義)
速さは速度の大きさなので,等速運動と等速度運動(等速直線運動)は異なります。言葉(物理用語)の定義を押さえておくことは重要です。𝒗 - 𝒕 グラフを利用して等加速度運動の公式の導出を行いました(注:私の使う公式には,初期位置 𝒙₀ が入っています)。 pic.twitter.com/mi17Klb5Qq
【力学 原則編2】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 10, 2024
(例題・基本事項の確認)
講義内容をふまえて例題を解いていきます。例題には図がありませんが,必ず図を描きながら考えてください(地面から見ると,小石 𝐀 は鉛直投げ上げ,𝐁 は斜方投射)。相対速度の考え方が出てきますが,相対運動に関してはまた後ほど詳しく取り上げます。 pic.twitter.com/dvWY7GGyDe
【力学 原則編2】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 10, 2024
(例題 解答・解説)
「等加速度運動問題の解法」を示した上で例題の解説を行っています。小石 𝐁 については,鉛直方向の運動と水平方向の運動を分けて考えます。
昔つくった動画(3本)もどうぞ。https://t.co/1lFEexqR5phttps://t.co/er83VuKSaphttps://t.co/Z1gXKFzawQ pic.twitter.com/9obzaZ09U6
【原則編3】
「等加速度運動」(実戦問題)
工学院大学(1986年) 過去問解説
等加速度運動の問題を探してみると,
テニスやバスケットボールなど,スポーツに関するものが見つかります。
もうちょっと夢のある入試問題がないかと探してみたら,ありました!
ちょっと設定に問題点はありますが,
実戦問題①は,なかなか楽しい問題です。
毎年,実戦問題②で「束縛条件」の紹介をしています。
ただし講習では,「座標軸のとり方」に重きを置いて解説しています。
【力学 原則編3】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 17, 2024
等加速度運動(実戦問題)
等加速度運動の公式は,力学の総合問題の一部や他分野の問題で小問として出題されることが多く,それだけで大問がつくられることはあまりありません。実戦問題①は工学院大学の過去問(1986年)です。出題当時は未来の話でしたが,もう実現できています。 pic.twitter.com/TsnnpBikMs
【力学 原則編3】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 17, 2024
(解答・解説①)
実戦問題①の(1)は走り幅跳びで,(2)は走り高跳びです。人間ならば感覚でこの辺りで跳べばいいだろうと分かりますが,機械の場合は計算して予測をして踏切の位置を決めねばなりません。個人的には(2)の「厚みを無視できる突出部」がものすごく気になります。 pic.twitter.com/DhMtH04OQZ
【力学 原則編3】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 17, 2024
(解答・解説②)
私が受け持っている生徒はこの実戦問題②で「束縛条件」という言葉を知ります。問題文の最後に【基本事項の確認】として「束縛条件」の説明を入れておきましたが,講習ではここまで詳しくは語りません。講習ではむしろ「座標軸のとり方」に重きを置いています。 pic.twitter.com/5eiD7CHyzF
【原則編4】
「斜方投射と自由落下」(講義・例題)
河合塾第2回全統私大・短大模試(1990年)
<改題> 過去問解説
「斜方投射と自由落下」 味もそっけもない名称の問題ですが,
現象としてはものすごく興味深いものがあります。
「なぜ空中で衝突するのか」の考察では,
水平方向の運動と鉛直方向の運動の双方からのアプローチ,
そしてベクトルを使った「視点を移動」させた見方などを紹介しました。
この現象の具体例を長年見てきましたが,
例題はなかなかうまい設定を見つけたなと個人的に感心しています。
【力学 原則編4】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 27, 2024
斜方投射と自由落下(講義)
「物体の空中衝突実験」ともいいます。以前は別の名称でよばれていたのですが…。どういう条件があれば,「斜方投射をする球」と「自由落下をする球」が空中で衝突するのか,さまざまな角度から検証していきましょう。等加速度運動の仕上げの問題です。 pic.twitter.com/mM5uVetTL8
【力学 原則編4】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 27, 2024
(例題)
例題は,河合塾第2回全統私大・短大模試 (1990年)の改題です。実際の問題の後半の文字式の議論を数値化して設問を増やしました。イルカやえさを質点と考えるという条件は受け入れがたいものがあると思いますが,それ以外は,うまい設定を考えたなと私は感心しています。 pic.twitter.com/JQtNWGuRah
【力学 原則編4】
— マナ物理 (@manabu_physics) April 27, 2024
(例題 解答・解説)
なぜはじめにイルカがえさを目がけて飛び出さなければならないのかは,仮にイルカの初速度が無限大だったら,と考えれば明らかです。
「斜方投射と自由落下」については,解説動画をつくっています。実験動画(スロー再生)もあります。https://t.co/wReJ4jNc69 pic.twitter.com/KGs6SX39T0
【原則編5】
「運動方程式」(講義・例題)
いよいよ力学の核心である「運動方程式」です。
「運動方程式」を力学の第1の原理におく参考書もあります。
運動方程式の使い方をこれから学んでいきましょう。
糸の運動方程式を立てることで導いた
「軽い(質量の無視できる)糸の両端の張力の大きさは常に等しい」
という事実は重要です。
例題2の最後の「素朴な疑問」は毎年受講生に問う問題で,
問われると返答に困ってしまう者が多数出ます。
「運動の法則」の理解度が問われます。
【力学 原則編5】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 4, 2024
運動方程式(講義・例題1)
いよいよ力学の核心に入ります。運動の第2法則である「運動の法則」です。この法則から得られる「運動方程式」は力学の根幹をなす最も重要な式です。「運動方程式の立て方」の手順も示しました。水平方向の運動である例題1を解いてみてください。 pic.twitter.com/OguvPGo8PQ
【力学 原則編5】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 4, 2024
(例題1の解答・解説・例題2)
運動方程式から得られるのは加速度です。物体の運動を記述するには,加速度だけではダメで,ある時刻における速度(初速度)と位置(初期位置)の情報(初期条件)が必要になってきます。「張力について」を読み,鉛直方向の運動である例題2を解こう。 pic.twitter.com/jGNEbWnQtn
【力学 原則編5】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 4, 2024
(例題2の解答・解説)
「素朴な疑問」は,補足問題として毎年受講生に問いかける問題です。
↓ 運動の3法則の解説動画。https://t.co/CZfjro9nnBhttps://t.co/WmLr08PPQMhttps://t.co/oX8wxlDTQkhttps://t.co/wf6AQbLEwdhttps://t.co/rkfIAJUhNnhttps://t.co/xojTnzfGGC pic.twitter.com/EbAskZoFxq
ポスト内でも紹介していますが,運動の3法則の解説動画です。
どこからでも観ることができます。
【原則編6】
「運動方程式」(実戦問題)
武蔵工業大学(1985年)・
北海学園大学<改題> 過去問解説
運動方程式の立て方をの手順として,まず初めに,
「1つの物体に注目する」があります。
「部分」に注目するのか「全体」(物体系) に注目するのか,
もしくは「両方」ということもありえます。
この「視点の移動」を意識しながら問題を解いていきましょう。
【力学 原則編6】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 8, 2024
運動方程式(実戦問題① 解答・解説)
実戦問題①は武蔵工業大学の過去問(1985年)です。棒に質量がある場合,張力が場所によって異なります。部分 ⇒ 全体の視点の移動がポイントになります。「私が考える物理で必要になる数学の力について」は物理が苦手な人へのメッセージです。 pic.twitter.com/xxFmGBjPZ0
【力学 原則編6】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 8, 2024
(実戦問題②)
実戦問題②は北海学園大学の過去問です。「動滑車」が登場する問題には「束縛条件」がからんできます。変位の関係から「加速度の関係」を導く過程を示しておきました。各物体は等加速度運動をすることになるのですが,そのヒントがなくとも「束縛条件」は導けます。 pic.twitter.com/EGAOggR642
【力学 原則編6】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 8, 2024
(実戦問題②の解答・解説)
「動滑車問題」のさまざまなパターンを紹介したあと,実戦問題②の解説を行いました。最後の「素朴な疑問」に答えるのは意外と難しい。実戦問題②については,解説動画をつくっています。動画の中でその疑問に答えています。https://t.co/4enlPU1tJN pic.twitter.com/hXBmpb0FRm
ポスト内でも紹介していますが,
下は,北海学園大学(実戦問題②)の問題解説動画です。
【原則編7】
「フックの法則・弾性力」(講義・例題)
早稲田大学理工学部(1962年)・
早稲田大学教育学部<改題> 過去問解説
【原則編5・6】で運動方程式の立て方・基本を押さえました。
ここからは,
運動方程式(の右辺)に現れるさまざまな力の性質を学んでいきます。
まずは「弾性力」。
ばねのような弾性体が変形して元の形に戻るときにはたらく力です。
変形が小さいときに成り立つ「フックの法則」を使って,
並列つなぎ,直列つなぎのときの「合成ばね定数」を求めましょう。
また,フックの法則にしたがわないゴムひもの扱い方についても
入試問題を通して考察していきます。
【力学 原則編7】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 15, 2024
フックの法則・弾性力(講義)
ばねなどの弾性体について成り立つ「フックの法則」,ばねの弾性力について学んでいきます。フックの法則にしたがうばねを2本つなぎ,1本のばねとみなしたときの「合成ばね定数」を,並列・直列接続させたときそれぞれの場合について求めましょう。 pic.twitter.com/yW2IBKGpmj
【力学 原則編7】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 15, 2024
(例題1&解答・解説)
例題1は早稲田大学理工学部の過去問(1962年)です。かなり昔の出題ですが,「物体系」の概念や「任意」など,重要な考え方が多く含まれている問題。早稲田理工では2011年にこの問題の類題が出題されていますが,私の生徒以外は気づかなかったと思います。 pic.twitter.com/4uT9mAc67V
【力学 原則編7】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 15, 2024
(例題2&解答・解説)
例題2は早稲田大学教育学部過去問の改題。「フックの法則にしたがわないゴムひも」の特性曲線が与えられていますが,「フックの法則にしたがうゴムひも」が解決の糸口となります。アプローチの仕方は特性曲線が与えられている非オーム抵抗問題と同じです。 pic.twitter.com/qGM4mo7vgN
例題2が笠原邦彦さんにリポスト(リツイート)されました。
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【原則編8】
「摩擦力」(講義・例題)
東北大学(1972年) 過去問解説
摩擦力は運動を妨げる向きにはたらきます。
この「運動を妨げる」というのがなかなかくせもので,
「接触している面に対しての運動」であることが重要です。
静止摩擦力と動摩擦力の区別に関しては,
例えば,
積み重なった2枚の板全体(物体系)は動いているけれど,
上の板が下の板に対して動いていないならば,
2枚の間にはたらく摩擦力は静止摩擦力となります。
また,動いているベルトコンベア上で,
物体につけられた糸の張力とベルトコンベアからの摩擦力が
つり合って物体が「静止」しているとき,
その摩擦力は「動摩擦力」となります。
【力学 原則編8】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 22, 2024
摩擦力(講義)
受験生が苦手としている「摩擦力」について学んでいきます。まずは中学校理科のある問題集のミスを探してみましょう。当時は多くの(現在も少し残っている)問題集・参考書が同じミスをしていました。図をどのように変更すればその問題が解決するのか,考えていきます。 pic.twitter.com/rkLpbMtYcx
【力学 原則編8】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 22, 2024
(例題1&解答・解説)
「スネている犬」を移動させるため,引っ張る力を大きくしていきます。力の大きさによって犬に何が起こるのかを一つひとつ考えていきましょう。ただしこの問題では犬は力を加えても変形しない物体(「剛体」といいます)とし,回転運動はしないものとします。 pic.twitter.com/pSEqPWXfdF
【力学 原則編8】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 22, 2024
(例題2&解答・解説)
例題2は東北大学の過去問(1972年)です。1問目から少し答えにくい出題となっています。それぞれの物体について「重力」「接触力(接触しているものから受ける力)」を図示してから,つり合い・運動方程式を立てていきます。そのとき「作用・反作用」に注意。 pic.twitter.com/dcc6lK49Mt
【原則編9】
「抵抗力(空気抵抗力)」(講義・例題)
東京大学(1977年)<改題> 過去問解説
空気抵抗力は,大学入試問題などで出題されるときには,
「速さ 𝒗 に比例する」という条件であることが多いです(例題2)。
しかし,2023年の共通テスト(本試)の大問2のように,
「速さ 𝒗 の2乗に比例する」と考えるとうまくいく,
という設定も見られるようになりました。
理論的には高校物理範囲外であったとしても,
その結論だけ利用して実験結果をうまく説明する,
というような問題はこれからも出題されるでしょう。
【力学 原則編9】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 29, 2024
抵抗力(空気抵抗力) (講義・例題1&解答)
春休みに研修旅行の引率で,ある国の私立と公立のトップ校の高校物理の授業を見学させてもらいました。その授業からの出題(選択肢は英文)。
実は,両校で20分ずつ飛び込みで授業をさせてもらったのですが,その時の話はまた別の機会に。 pic.twitter.com/SZkgjcAw85
【力学 原則編9】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 29, 2024
(例題2&解答・解説,オマケ問題)
例題2は東京大学の過去問(1977年)の改題です。今は,さまざまな大学の過去問や問題集などで類題を見ることができますが,これがオリジナルです。数値計算は,単位も含めて考えましょう。そして,最後の「オマケ問題」は即答してみてください。 pic.twitter.com/e4PL0vsV6m
【力学 原則編9】
— マナ物理 (@manabu_physics) May 29, 2024
(オマケ問題解答・解説)
「オマケ問題」ですが,私自身は重要視している問題です。説明は少し高校物理範囲を超えますが,読んでみてください。雨粒の形については「ウェザーニュース」のトピックスより。https://t.co/0mvmeHQWnp
「ウェザーニュース:雨粒の形は滴じゃない!?」 pic.twitter.com/hzBE85IgXf
【原則編10】
「液体中における圧力・浮力」(講義・例題)
名古屋大学(2000年) 過去問解説
物体が水の中で受ける「浮力」は,
上面と下面にはたらく水圧による力の差によって生じる,
と教科書にはあります。
そして「水圧」は,水の重さによって生じる,とあります。
この2つを合わせると,浮力は鉛直下向きに働くことになります。
…どこで間違えてしまったのでしょうか。
例題は,「アルキメデスの原理」を大前提として,
秤(はかり) は何をはかっているのかを問うています。
感覚で解くのではなく,その瞬間瞬間で式を立てて考察しよう。
力学において,瞬間に注目して立てられる式は,
「運動方程式」「力のつり合い」です。
【力学 原則編10】
— マナ物理 (@manabu_physics) June 12, 2024
液体中における圧力・浮力(講義)
教科書には,「大気圧は,空気の重さによって生じる」「水圧は,水の重さによって生じる」とあります。それならば,大気圧も水圧も鉛直下向きにだけ働くはずですが,実際はあらゆる向きから受けます。その原因は気体分子や水分子の運動にあります。 pic.twitter.com/3QClogawnd
【力学 原則編10】
— マナ物理 (@manabu_physics) June 12, 2024
(例題)
例題(添付ファイル3枚)は名古屋大学の過去問(2000年)です。どの物体に注目するのか(物体系),はかりとは「何の力」をはかっているのか(作用反作用),などに注意して式を立てて考えます。基本は運動方程式および力のつり合いの式です。最後の数値計算は単位に注意です。 pic.twitter.com/zidXejJnyR
【力学 原則編10】
— マナ物理 (@manabu_physics) June 12, 2024
(解答・解説)
水槽に水を貯めます。ポリ袋に手(+腕)を入れて,袋の中に水が入らないようにして,その手を水に沈めよう。すると次のことが分かります。
①水圧はあらゆる向きから働く
②深くなるほど水圧は大きい
直接,手を水に沈めるより,強く水圧を感じられるのでお勧めです。 pic.twitter.com/tU1pZtnK1C
【原則編11】
「相対運動」(講義・例題)
センター試験本試験 物理ⅠA(2002年)
倉敷芸術科学大学(1997年) 過去問解説
相対速度・相対加速度・相対変位など,
「相対運動」は受験生が苦手としているものの一つです。
公式どおり相対速度を求めるならば当てはめるだけですが,
問題文に相対速度が与えられ,そこから速度を求める問題や,
そこに運動量保存則が絡んできたりすると,途端に解けなくなります。
まずは一次元での相対速度を押さえた上で,
平面運動での相対速度の公式を導いて,それを使えるようになろう!
【力学 原則編11】
— マナ物理 (@manabu_physics) June 25, 2024
相対運動(講義・例題1)
動いている観測者から相手を見たときの運動が「相対運動」です。受験生は苦手。私はこの状況を「他人の立場で物事が見られなくなってきているのでは」と勘繰っています。まずは公式の意味を押さえていきましょう。例題1はセンター試験の過去問(2002年)。 pic.twitter.com/jaMlu2oPpt
【力学 原則編11】
— マナ物理 (@manabu_physics) June 25, 2024
(例題1の解答解説・例題2)
例題2は倉敷芸術科学大学の過去問(1997年)です。様々な条件で「傘を有効に使い」ます。「雨滴がつねに傘の柄に対して平行な方向から降り注ぐように,持っている傘を傾ける」必要など全くありませんが,このくだらない思考実験が個人的には好きです。 pic.twitter.com/rHe0R4P6PO
【力学 原則編11】
— マナ物理 (@manabu_physics) June 25, 2024
(例題2の解答解説・補足例題)
例題2は最終問題の前までは基本問題が続くのですが,(4)(c)で一気に難易度が上がります。やるべきことは作図です。「斜面を下り終える前の任意の時刻」での図であることが読み取れても,正確に描けるかどうか。【補足例題】は速度の合成の復習。 pic.twitter.com/zPzdRyBhnB
【原則編12】
「相対運動」(実戦問題)
慶應義塾大学理工学部・大阪大学
過去問解説
相対運動の実戦問題を2問。
これらの問題は「慣性力」を利用しても解くことができますが,
ここでは「相対加速度」を使って解いてください。
【力学 原則編12】
— マナ物理 (@manabu_physics) July 24, 2024
相対運動(実戦問題①②)
実戦問題①は慶應義塾大学理工学部の過去問で,ここで私は毎年アインシュタインのエレベータの思考実験の話を少し触れることにしています。②は大阪大学の過去問。どちらも解法は複数有。今回は「慣性力」ではなく「相対加速度」を利用して解いてみよう。 pic.twitter.com/RXzxMB4VzP
【力学 原則編12】
— マナ物理 (@manabu_physics) July 24, 2024
(実戦問題①②の解答・解説)
加速度が変化する運動については,𝒗-𝒕 グラフを利用するのは必須です。力学問題はいつでも 𝒗-𝒕 グラフを意識しながら解きたいところです。慶應大学の問題の最終問題はとんでもない設定なのですが,物理の問題としてなら違和感なく見えます…。 pic.twitter.com/4e4vLB10Kt
【力学 原則編12】
— マナ物理 (@manabu_physics) July 24, 2024
(実戦問題②の解答・解説のつづき)
「いくら以下」というような境界を問う問題の場合,通常は不等式を立てて考えるのでしょうが,私はギリギリの状態を考えて「等式」を立てます。結局は境界の値が分かればいいのです。実戦問題②の(1)と(2)は板上から見ると同じ運動となります。 pic.twitter.com/MpRJ2GtDPI
【原則編13】
「慣性系・非慣性系,慣性力」(講義・例題)
九州工業大学(2000年) 過去問解説
慣性力(inertial force または fictitious force)は不思議な力です。
fictitious(架空の)という単語で表されるように,
「見かけの力」とよばれることもあります。
加速度運動する観測者にしか見えない力であり,
この力には反作用がありません。…不思議です。
後ほどこの講義で扱う「遠心力」も慣性力の一種です。
問題文に「地上で静止している観測者の立場から考える」
という指定がありますが,
ここでは「加速するエレベータ内の観測者の立場」からも考え,
同じ結論が得られることを確認します。
注:細かいことを言うと,
[3](7)を「地上で静止している観測者の立場から考える」と,
一定加速度で上昇するエレベータの床に,鉛直投射されたおもりが衝突する
という非常に複雑な運動となります。
ここは,相対加速度もしくは慣性力で考えるのが自然でしょう。
【力学 原則編13】
— マナ物理 (@manabu_physics) July 31, 2024
慣性系・非慣性系,慣性力(講義・例題)
「慣性力」は加速度運動する観測者から見える力。慣性力を導出する過程で,慣性系と非慣性系の2つの座標系での運動方程式を比較しました。慣性系とは「慣性の法則が成り立つ座標系」です。間違えないように。後半は「教科書的な導出」です。 pic.twitter.com/d86zJp2lhA
【力学 原則編13】
— マナ物理 (@manabu_physics) July 31, 2024
(例題)
例題は九州工業大学の過去問(2013年)です(最後の方の小問はカットしました)。問題文に「地上で静止している観測者の立場から考える」という指定がありますが,ここでは「加速するエレベータ内の観測者の立場」からも考え,同じ結論が得られることを確認してください。 pic.twitter.com/smQbQKvnpN
【力学 原則編13】
— マナ物理 (@manabu_physics) July 31, 2024
(解答・解説)
「慣性力」は英語では inertial force もしくは fictitious force といいます。fictitious は「架空の」という意味で,「見かけの力」とよばれることもあります。でも,加速度運動する観測者にとっては“実在する力”。遊園地ではそれにお金を払っているのですから。 pic.twitter.com/WoPPMgdE59
【原則編14】
「慣性系・非慣性系,慣性力」(実戦問題①②)
東京電機大学(1986年)・九州大学(1972年)
<改題> 過去問解説
「慣性力」問題を2問。
実戦問題①は聖文社の全国大学入試問題詳解では《やや難》という評価。
初速度を与えた際の斜面上の物体の運動は静止系で述べるのは難しく,
斜面上の観測者(加速度系)から見ると単純な運動となります。
また,実戦問題②の設定は,大学入試問題でよくみかけるもので,
2023年にも同じ問題が東京医科歯科大学で出題されました。
(途中までまったく同じ問題でした…)
ただし東京医科歯科大学は問題文中に静止座標系を与え,
運動方程式からそれぞれの加速度を求め,
相対加速度で議論を進めていくものでした。
【力学 原則編14】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 6, 2024
慣性系・非慣性系,慣性力(実戦問題①②)
問題文に「台上から見て静止」「箱に対してすべることなく」などの表現が見られたとき,「慣性力」を使う可能性を考えます。東京電機大学(1986年)と九州大学(1972年)の改題を実戦問題として掲載しました。「視点の移動」を意識して解こう。 pic.twitter.com/4PtsqZxr0H
【力学 原則編14】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 6, 2024
(実戦問題①②の解答・解説)
実戦問題②は同じ設定が2023年の東京医科歯科大学で見られましたが,静止系が与えられていたので,慣性力を使わない解き方を誘導していました。指定がなければ静止系でも加速度系でもどちらでも構いませんが,運動が単純になる方を選択してください。 pic.twitter.com/N73T7JyJ5F
【おまけ】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 6, 2024
台上の観測者を「体育座り」させてみました。次男の通う幼稚園ではこれを「スポーツマン座り」というようです。ネーミングは重要。
ということで,「慣性力」のもっとかっこいいネーミングはないか,と ChatGPT に聞いてみた結果も添付しておきました。ダイナミックインピーダンス(笑) pic.twitter.com/ON376gzh5I
【原則編15】
「慣性系・非慣性系,慣性力」
(実戦問題③④⑤)
河合塾第1回全統記述模試(1996年)<改題>
・関西学院大学 過去問解説
「慣性力」問題をあと3問。
実戦問題③は,
問題の流れとしては静止系で考えるという誘導が入っていましたが,
こちらで改変して,加速度系で考えるようにしました。
「摩擦力は最後に図示する」は鉄則です。向きも含めて考えてください。
実戦問題④は,
図示させる問題ですが,
それぞれの観測者から見た軌道を説明できるようにしてください。
実戦問題⑤は,
慣性力のはたらく向きと大きさを考慮して,ばねの伸びを答えさせる問題。
非接触力である「重力」と「慣性力」を先に図示して,
弾性力(ばね)は最後に考えます。
「宇宙船は描かない」こともポイントのひとつです。
ただし最近の入試問題は,加速度系で「慣性力」を考えさせるのではなく,
静止系で運動方程式を立てさせ,足りない条件は束縛条件で補っていく
という傾向が多いように感じます。
【力学 原則編15】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 14, 2024
慣性系・非慣性系,慣性力(実戦問題③④⑤)
慣性力問題は苦手としている者が多いので,今回は慣性力を用いないと解けない問題,慣性力を用いると現象の理解が深まる問題を選びました。実戦問題③は,全統記述模試の過去問(1996年)。静止系での議論でしたが,加速度系に変えました。 pic.twitter.com/gjTI4CiGdP
【力学 原則編15】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 14, 2024
(実戦問題③④⑤の解答・解説)
問題④は観測者の違いによって異なって見える運動の軌道を描く問題。言葉でも表現できるようにしたい。問題⑤は慣性力を考えねば解けない問題。「ばねを最後に描くこと」がポイント。(2)はさらに宇宙船を描いてみてほしい。次のポストに解答例あり。 pic.twitter.com/5ZHZgkHhxn
【おまけ G値】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 14, 2024
Gは重力加速度と同じ値を1Gとした加速度の単位。加速するとき,減速するとき,カーブするときに,人間は慣性力という形で加速度を感じます。一般車は加速Gが0.6G,減速Gが0.8G,横Gが0.5Gといわれています。対してF1マシンは,加速1.5G,減速4.5G,横4.5G。そして…モンシロチョウは? pic.twitter.com/DYIxJ3zgdE
【原則編16】
「仕事と運動エネルギー」(講義・例題)
東北大学 過去問解説
運動方程式を立てて,加速度を求めて,速度や変位の時間変化を探る…
「原則編」のこれまでの範囲では,基本的に「時間追跡」をしてきました。
しかし力学問題の解法は「時間追跡」だけではありません。
今回の講義から力学問題の新たな解法を手に入れることになります。
「はじめの状態」と「あとの状態」の2つの状態に注目をする解法です。
どのような力がはたらき「あとの状態」になるかを考えることで,
「あとの状態」のさまざまな物理量を求めることができます。
まずは「仕事と運動エネルギーの関係」から。
「エネルギー」という言葉は日常的に使いますが,
その定義を説明しろ,と言われてもなかなか難しいと思います。
「運動エネルギー」が速さの2乗に比例するということ
を実感する場面はボーリングのときかもしれません。
(ペットボトルのキャップと簡易速度計を使った「ボーリングゲーム」
を紹介している本があります → 「枠を超えよ」(著者:辻本明彦))
【力学 原則編16】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 19, 2024
仕事と運動エネルギー(講義・例題)
仕事・仕事率の定義。仕事には「正」「負」があること,力が加わっているが仕事をしないパターンもあることを示した。大学入試で「仕事」を計算で求めるのは,「力が一定の場合」「1次元運動の場合」「エネルギー収支から逆算する場合」のみ。 pic.twitter.com/Xc6iGs43kw
【力学 原則編16】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 19, 2024
(講義の続き)
「仕事の原理」は教科書ではよく動滑車を用いていますが,どんな道具でも構わないので「斜面」を用いた説明をしてみました。また「ゆっくりと」「静かに」という物理用語についてもその扱い方を示しておきました。最後は「仕事と運動エネルギーの関係」の導出です。 pic.twitter.com/sBQevedugH
【力学 原則編16】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 19, 2024
(例題,解答・解説)
例題は東北大学の過去問。仕事・仕事率に焦点を当てたバランスのよい問題です。力を成分分けすると物体に被ってしまうときなど,(本来は間違いですが)問題図のような作用点が物体にない力の描き方をすることがあります。(水圧のベクトルのときにも見られます) pic.twitter.com/8RYuHXea63
【原則編17】
「力学的エネルギー」(講義・例題)
宇都宮大学(2013年) 過去問解説
物体にのみ注目すれば,「仕事と運動量の関係」。
全体(系)に注目すれば,「力学的エネルギーの変化」を考えよう。
全体というのは,「ばねそして重力場などの空間」を含みます。
非保存力に仕事をされれば,力学的エネルギーは変化をし,
非保存力に仕事をされなければ,力学的エネルギーは保存します。
「今,何に注目をして式を立てるのか」
今後はこの視点をもって力学問題に取り組む必要があります。
【力学 原則編17】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 27, 2024
力学的エネルギー(講義・例題)
位置(ポテンシャル)エネルギーを考えるときは,ばねや空間(重力場・電場)も含めた「全体(系)」に注目します。その位置に物体があることでばねや空間がひずみ,エネルギーが蓄えられると考えます。保存力にされる仕事のみ ⇒ 力学的エネルギー保存。 pic.twitter.com/TLZ830e7EJ
【力学 原則編17】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 27, 2024
(講義の続き)
位置エネルギーは(高校物理では),「重力による位置エネルギー」「弾性力による位置エネルギー(弾性エネルギー)」「万有引力による位置エネルギー」「クーロン力による位置エネルギー」の4つのみ覚えよう。非保存力にされた仕事だけ力学的エネルギーは変化します。 pic.twitter.com/E7gr17K98t
【力学 原則編17】
— マナ物理 (@manabu_physics) August 27, 2024
(例題,解答・解説)
例題は宇都宮大学の過去問(2013年)です。角度θのとり方に注意をしよう。特に指定がなければ位置エネルギーの基準面はどこにとっても構いません(位置エネルギーの変化量は基準面のとり方によって変わらないので)。力学的エネルギーが保存するのはどこまで? pic.twitter.com/my3VAxFQbO
【原則編18】
「力学的エネルギー」(実戦問題)
静岡大学(1976年)・九州大学(1975年)
岡山大学(2017年)<類題> 過去問解説
力学的エネルギー実戦問題を3問。
それぞれ初見ではなかなか解くのが難しい問題です。
重力場(空間)まで含めた「全体」に注目をして解いてみよう。
実戦問題②(九州大学の問題)は,
「浮力にされた仕事」を考えてほしい問題なのですが,
金属球が高さ 𝒉 下がり,その分位置エネルギーが減少し,
その代わりに,同じ体積の水の球の高さが 𝒉 上がり,
その分の位置エネルギーが増加する,という見方もあります。
(金属球と同じ体積の水球を入れ替えたと考えます)
実戦問題③(岡山大学の類題)は,初出は信州大学であり,難問。
重力による位置エネルギーの基準を
小球 𝐀 と小球 𝐁 とで別々にとることができます。
結局,位置エネルギーの変化量が求まればいいのです。
【力学 原則編18】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 2, 2024
力学的エネルギー(実戦問題)
実戦問題を3問用意しました。静岡大学(1976年),九州大学(1975年),岡山大学(2017年)の過去問<改題>です。摩擦のある面上での振動(実戦問題①),浮力と抵抗力が仕事をする運動(問題②),最後(問題③)はシンプルな運動ですが難問。立式できますか。 pic.twitter.com/SMv2ktPfIF
【力学 原則編18】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 2, 2024
(解答・解説)
問題①は単振動の知識があれば,運動方程式のみの立式で解決できます(「単振動」の講義で再掲)。平方完成をしましたが,運動エネルギーを 𝒚 で微分して極値をとる点を求めてもOK。問題②は「球(物体)」に注目して,仕事と運動エネルギーの関係を立てても解けます。 pic.twitter.com/gqUz5N2g6a
【原則編19】
「なぜ力学的エネルギーが保存するのか」
(講義)
金沢大学(1991年)・北里大学医学部(2019年)
東京工業大学(2016年) 問題設定考察
「力学的エネルギー保存則より」「力学的エネルギーが保存するので」
と問題集には書かれているけれど,
「なぜ力学的エネルギーが保存するのか?」
と問うと即座には答えられない設定というのはよくあります。
「摩擦力がはたらかないので」「内力のみなので」
などと理由めいたことを書いている問題集はありますが,
本来それらは理由にはなりません。
摩擦力がはたらかなくても垂直抗力が仕事をすることはあるし,
2 物体系で内力と考えられる動摩擦力がそれぞれの物体に仕事をし,
それらの和が 0 にならないことは普通に起こり得ます。
今回の講義では,3つの問題設定について,
なぜ力学的エネルギーが保存するのか,を検証していきます。
キーワードは「束縛条件」です。
【力学 原則編19】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 9, 2024
なぜ力学的エネルギーが保存するのか(講義)
<出題パターン1>#なぜ力学的エネルギーが保存するのか。問題集などでは理由を述べず立式することが多い。金沢大学(1991年),北里大学医学部(2019年),東京工業大学(2016年)の過去問のそれぞれで「保存する理由」を探っていきます。 pic.twitter.com/0AgzSTqNDO
【力学 原則編19】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 9, 2024
<出題パターン2>
それぞれの物体に着目すると非保存力が仕事をするが,全体で考えると相殺する。その際 #束縛条件 が大きな役割を担っている。京都大学後期日程(1992年),東京理科大学理学部(2005年),芝浦工業大学(2020年)など,難易度に関係なくこのタイプもよく見かけます。 pic.twitter.com/Tu5vxga3GK
【力学 原則編19】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 9, 2024
<出題パターン3>
最後に,非常にうまくつくられている問題である東京工業大学(2016年)の過去問の設定を考えます。この問題を取り上げた問題集には殆ど力学的エネルギーが保存する理由は書かれてはいませんが,一度ここで確かめておきましょう。やはり「#束縛条件」がポイント。 pic.twitter.com/3ilYezRaJc
二体問題の力学的エネルギー保存則導出は下の動画で。
2体問題 なぜ力学的エネルギーが保存するのか その1
2体問題 なぜ力学的エネルギーが保存するのか その2
「束縛条件」に興味をもった人は,「特講 束縛条件」をどうぞ。
今回扱った入試問題もこの中で扱っています(出題パターン1と3)。
探してみてください!
【原則編20】
「力積と運動量」(講義・例題)
京都工芸繊維大学(1986年)・
大学入学共通テスト本試験(2023年)
過去問解説
「力積と運動量の関係」は「仕事と運動エネルギーの関係」とともに
問題を解く上で常に意識をしたい視点です。
例題1:日常生活で無意識に行っている行動やよく見かける現象にも
力学的な理由があることが分かります。
例題2:力学でよく見かける放物線の接線の特徴をまとめておきました。
例題3:2つの保存則の成立条件が分かりますかと問うています。
【力学 原則編20】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 17, 2024
力積と運動量(講義・例題)
力積と運動量の定義から,力積と運動量の関係を導出します。運動方程式から導出されるのですが,運動方程式では扱えない現象でも威力を発揮します。重要なのは現象の前後での運動量変化であって,現象の最中の運動や加速度等は考える必要がありません。 pic.twitter.com/xS0jtEk4la
【力学 原則編20】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 17, 2024
(例題)
例題を3問用意しました。例題1は「高い所から飛び降りるとき,地面に着く瞬間なぜ膝を曲げるのか」が力学的に明らかになる問題,例題2は京都工芸繊維大学(1986年),例題3は大学入学共通テスト(2023年)の過去問。例題3は選択するだけでなく理由も答えられるように。 pic.twitter.com/YGZxmYCL44
【力学 原則編20】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 17, 2024
(解答・解説)
例題1: 私たちはボールをキャッチするときなど,無意識のうちに止めるまでの「時間」を長くしています。これと本質的には同じ。例題2:「放物線の接線の描き方」を知っていれば(2)は作図でOK。(4) 当時は高校数学で逆三角関数を習っていたので,この出題が可能。 pic.twitter.com/rpDdppcqKX
「力積と運動量の関係」の導出および例題1に関しては
解説動画をつくっています。
動画内で「力学的に興味深いニュース」について触れています。
なぜ膝を曲げるの? 力積と運動量の関係
また,運動量保存則の導出および大相撲の力学的な考察もしています。
小兵力士が勝つには? 運動量保存則
【原則編21】
「科学マジック」(実演・解説)
マッチ棒2本を使った科学マジックです。
まずは動画を観て,力学的に考察をしてください。
なぜ上のマッチ棒ははね上がるのか?
スロー動画でも一瞬なので,撃力を受けていると考えられます。
【力学 原則編21】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 24, 2024
科学マジック(実演)
マッチ棒2本を使った #科学マジック。なぜ上のマッチ棒ははね上がるのか,力学的に考察してください。
力を受けないとあの動きはできない → 上のマッチ棒に触れている物体は,左手と下のマッチ棒だけ → おそらく下のマッチ棒だろうhttps://t.co/rhpXk7jRGX
【力学 原則編21】
— マナ物理 (@manabu_physics) September 24, 2024
科学マジック(解説)
短時間で受けた力積が大きい → どうやって力積を与えるか?
写真①→②→③:利き手の親指と人差し指でマッチ棒をつまみ,中指の爪に強く押し当てる。2本目のマッチ棒をのせる。
動画:少しだけマッチ棒を上にずらすとカチッという音がして,撃力を与える。 pic.twitter.com/UlhdZhiAPZ
理科教材を企画・開発・販売しているナリカの公式アカウント
から「いいね」をいただきました。なんか嬉しい…

音楽をつけた動画もつくっています(音量注意!)。
マッチ棒マジック(音楽あり)YouTube動画
【原則編22】
「力積と運動量」(実戦問題①②)
滋賀医科大学(2011年)・千葉大学(1991年)
過去問解説
力学的エネルギー保存則や運動量保存則は立てられるけれど,
「仕事と運動エネルギーの関係」や「力積と運動量の関係」
は立てられない受験生が多いことが気になります。
今回の実戦問題は少しレベルが高い問題です。
運動量保存則を成分ごとに立て(誘導がなければベクトル図を描く),
力学的エネルギー保存則と連立させたときの式変形を含んでいます。
どの運動に注目するか,どの物体系に注目するか,
を判断する訓練(問題演習)をしていきましょう。
【力学 原則編22】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 1, 2024
力積と運動量(実戦問題①②)
力積と運動量に関する実戦問題を2問。1問目は滋賀医科大学の過去問(2011年)で斜衝突を扱います(添付ファイル2枚目の途中まで)。2問目は千葉大学の過去問(1991年)で,粗い面上の物体とバネを介した台車との衝突で,旺文社が《やや難》とした問題。 pic.twitter.com/O3MnXqgt8O
【力学 原則編22】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 1, 2024
(実戦問題① 解答・解説)
まずは運動量保存則を成分ごとに立てる練習です。医科大学の問題なので,数学的な式変形の難しさはあります。𝒙 方向と 𝒚 方向の運動量保存則を合わせると,運動量ベクトルでつくられた三角形の余弦定理を導出できます。(補足)はベクトル図での議論。 pic.twitter.com/nHFvzyJhjg
【力学 原則編22】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 1, 2024
(実戦問題② 解答・解説)
保存則は時間に関係なく成り立つ(どれだけ時間がかかったのかは問題ではない)ので,「時間を求める」ときには使えません。問題文に指示がありますが,時間と相性が良いのは力積。どの物体(系)を考えても問題を解くことはできますが 難易度に差が出ます。 pic.twitter.com/LgwbSmF6rY
【原則編23】
「力積と運動量」(実戦問題③④⑤)
九州工業大学(1975年)<改題>・
神戸大学(1986年)・同志社大学<改題>
過去問解説
力積と運動量の実戦問題をあと3問用意しました。
今回は特に注意を要する問題です。
実戦問題③
木材の固定を外して弾丸を撃ちこむと,動摩擦力によって,
弾丸は減速し,木材は加速します。
弾丸が木材の中を進んだ分,弾丸と木材の移動距離に差が生まれる
ことに注意です。
すなわち,動摩擦力によってなされた仕事は相殺しません。
実戦問題④
スキーヤーが斜面に入射するときの角度は分からないけれど,
入射するときの速度の水平成分と鉛直成分が分かっているので,
「速度(運動量)の成分の成分分け」(斜面に垂直・平行方向)を行います。
実戦問題⑤
数値計算ですが,まずは文字式で考えてみよう。
文字式だと,どこで考え違いをしてしまったかが分かります。
さらに,問題文中に「あるキーワード」があるので,
この問題は鉛直方向で運動量保存則を立てることができます。
そのキーワードを探してみてください。
【力学 原則編23】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 15, 2024
力積と運動量(実戦問題③)
力積と運動量の実戦問題をあと3問。九州工業大学(1975年)<改題>,神戸大学(1986年),同志社大学<改題> の過去問です。まずは「なめらかな床上にある木材に弾丸を撃ちこんだらどうなるか」という有名な設定。過去問を探してみると1975年まで遡れました。 pic.twitter.com/Xvd2zZ3UCy
【力学 原則編23】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 15, 2024
力積と運動量(実戦問題④)
傾角が45度の斜面であることを利用して,速度(運動量)の「成分の成分分け」を行います。当時の神戸大学は(最近の北海道大学とは異なり)着地時の斜面とスキーとの間の摩擦について,問題文中で指示を与えています。必ず図を描きながら考えてください。 pic.twitter.com/PWl43VmKOm
【力学 原則編23】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 15, 2024
力積と運動量(実戦問題⑤)
通常,鉛直方向には運動量保存則は立てられません。重力による力積があるからです。しかし,ガス噴射がごく短く,噴射による力が撃力とみなせる(重力による力積が無視できる)ならば,鉛直方向に運動量保存則を立てることが可能です。数値計算の練習。 pic.twitter.com/akTCnbCAMJ
【原則編24】
「重心の運動」(講義・例題)
名古屋大学(1971年)<改題>・
東京工業大学<改題> 過去問解説
重心は,互いに位置を変えることができる2つの物体でも定義できます。
重心の位置の公式は,力のモーメントの項で登場します。
しかしその公式の両辺は時間微分すると,
分子に「運動量の和」が出てきます。
さらに時間微分すると,分子は「受ける力の和」になります。
面白い(興味深い)ことが起こりそうな気がしませんか?
【力学 原則編24】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 22, 2024
重心の運動(講義・例題)
物体系全体としては複雑な運動をしているときでも,系の重心が単純な運動をしていることが多くあります。重心の速度(加速度)の式の分子に運動量の和(受ける力の和)が現れるという事実は重要。すなわち 系外から力がはたらかないとき,重心速度は一定です。 pic.twitter.com/r8PvnwLpg7
【力学 原則編24】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 22, 2024
(例題1)
例題1は名古屋大学(1971年)の改題です。このタイプの問題はこれまで何度も出題されていますが,1971年まで遡ることができました。問題(2)に関しては,私が「トータルの変位の差」とよんでいる束縛条件の式を立てて解くことも可能。このワード,是非,検索してみよう。 pic.twitter.com/cz2i2VOUe3
【力学 原則編24】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 22, 2024
(例題2)
例題2は東京工業大学の過去問の改題です。重心の運動に注目すると,力学問題が図形問題にすり替わることがあります。「運動量保存則を前面に押し出した解法」と「重心の運動を前面に押し出した解法」の2つを示しました。運動を俯瞰的に見る面白さを体験してください。 pic.twitter.com/TnT5um1qlG
【原則編25】
「衝突・はね返り係数」(講義・例題)
宮崎大学(1986年)・東京大学 過去問解説
いよいよ原則編の最後のテーマ「はね返り係数(反発係数)」です。
はね返り係数の定義式から,はね返る高さ・はね返る時間を考えます。
はね返り係数は衝突前後の速度(速さ)の比で定義されるのですが,
元の高さとはね返る高さを定規で測れば,その値が求められます。
一直線上の2物体の衝突におけるはね返り係数の式は,
運動量保存則と連立することが多いです。
(完全)弾性衝突のときは,
はね返り係数の式の代わりに力学的エネルギー保存則を立てることも可能
ですが,2次方程式になるのであまりおススメしません。
「はね返り係数の式」をまずは立ててみてください。
【力学 原則編25】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 29, 2024
衝突・はね返り係数(講義・例題)
最近の教科書では「反発係数」とよび,カッコ書きで「はね返り係数」と書かれることが多いのですが,個人的には後者のよび方が好きです。はね返り係数の値によって,衝突の呼び名が変わります。非弾性衝突の場合のはね返る高さや時間も求めよう。 pic.twitter.com/dFbFVvW7yy
【力学 原則編25】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 29, 2024
(例題1問題&解答・解説)
まずは宮崎大学の過去問(1976年)を解きましょう。座標軸を設定して,すべて速度で立式すると解きやすいです。(カ)は講義内の「はね返る高さ・はね返る時間」で導いた関係式を利用すると楽。この関係式は,実験ではね返り係数を求めるときにも使えます。 pic.twitter.com/3Z5rgo9Ru3
【力学 原則編25】
— マナ物理 (@manabu_physics) October 29, 2024
(例題2問題&解答・解説)
「一直線上の2物体の衝突」における「はね返り係数(反発係数)の式」の確認後,東京大学の過去問<改題>を解きましょう。「繰り返し衝突」の基本は,衝突後の2物体の速度をとりあえず正方向に定め,運動量保存則とはね返り係数の式を立てることです。 pic.twitter.com/z7TTHTPn44
はね返り係数については以下の動画で説明しています。
「原則編25」で扱った問題の解説も行っています。
はね返り係数(反発係数)その1 床との衝突
はね返り係数(反発係数)その2 2球の衝突
はね返り係数(反発係数)その3 練習問題
【原則編26】
「衝突・はね返り係数」(実戦問題①②③)
北九州市立大学後期日程(2020年)<改題>・
大阪大学(1981年) 過去問解説
はね返り係数(反発係数)を使った実戦問題を2問解こう。
実戦問題①の(3)は,毎年私が講習で必ず扱う問題です。
生徒に実際に計算させるのですが,ミスなしに解くことは難しい。
実戦問題②はさまざまな問題集に取り上げられた問題です。
「物理標準問題精講」(旺文社)では《難》と評価されていました。
…が,現在は普通の標準問題です。
実戦問題③は,まず何をすべきかが問題に示されていません。
重力加速度の大きさも与えられていないので自分でおく必要があります。
平面的な運動を記述するには直交する2つの座標軸が必要
→ 2つの方向の運動を結びつける物理量は「時間」
→ 衝突の際に,速度が反転してはね返り係数倍される
→ 「斜面に沿ってすべり落ちる」を数式でどう表現する?
【力学 原則編26】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 5, 2024
衝突・はね返り係数(実戦問題①)
はね返り係数(反発係数)を使った実戦問題を3題解こう。1問目は北九州市立大学後期日程(2020年)の過去問の改題。実際の問題は小物体AとBの質量は等しかったのですが,異なる質量にしてみました。すると,(3)が計算力が問われる問題に変化します。 pic.twitter.com/Vr3rZGGxIc
【力学 原則編26】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 5, 2024
衝突・はね返り係数(実戦問題②)
実戦問題②は大阪大学(1981年)の過去問です。出題された当時は《難》との評価(旺文社 標準問題精講)でしたが,現在では標準問題。赤本には「力学的エネルギー保存則を使って解くことも可能」とありましたが,2次方程式になるのでやめておこう。 pic.twitter.com/TPG32Lo4QP
【力学 原則編26】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 5, 2024
衝突・はね返り係数(実戦問題③)
実戦問題③は「斜面との繰り返し非弾性衝突」です。「何をするべきか」という情報を極力少なくしたので,取り組みづらい問題となっています。座標軸をどう設定するのか,(1)の「斜面に沿ってすべり落ちる」を数式でどう表現するのか,を考えよう。 pic.twitter.com/ME8Qcn52eI
【原則編27】
「衝突・はね返り係数」(実戦問題④⑤⑥)
横浜国立大学後期日程(2001年)<改題>・
宮崎大学(1986年) 過去問解説
あと3題,「はね返り係数(反発係数)」の実戦問題を解こう。
実戦問題④は,
原則編22で扱った「力学的エネルギー保存則が成り立つ斜衝突」を
「はね返り係数の式」でとらえ直します。
実戦問題⑤は,前半部分は実戦問題①と同じ問題です。
後半分の「斜衝突」を実戦問題④で示した解法で解きます。
実戦問題⑥は,なぜか1980年代によく見られた問題で,
小球を壁に当てて元の位置にもどすための条件を考えます。
どの物理量を仮定するかで,計算量が大きく変わってきます。
そしてどの(等加速度運動の)公式を選択するかも重要です。
できるだけシンプルに,未知量を少なくして考えよう。
【力学 原則編27】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 12, 2024
衝突・はね返り係数(実戦問題④)
はね返り係数の式は直衝突(正面衝突)でしか立てられないと考えている人がいますが,斜衝突でも座標軸をうまく設定すれば立式可能です。原則編22で扱った「力学的エネルギー保存則が成り立つ斜衝突」をはね返り係数の式でとらえ直してみましょう。 pic.twitter.com/pxcqmJtykB
【力学 原則編27】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 12, 2024
衝突・はね返り係数(実戦問題⑤⑥)
原則編26実戦問題①は実際に出題されています。⑤の問(2)はその実例(横浜国立大学後期日程)。問題集で取り上げられることが多いのですが,そのほとんどが計算の途中を省いている(ので受験生は計算しない)。実戦問題⑥はどの公式を選択しますか。 pic.twitter.com/42KqVDE785
【力学 原則編27】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 12, 2024
(実戦問題⑤⑥解答・解説)
⑤の運動エネルギーの変化は「相対運動の運動エネルギーの変化」と捉えることも可能(「特講 換算質量」参照)ですが,一度は必ず計算しよう。⑥(宮崎大学)は,小球が壁に当たる高さを考える必要はありません(未知量が増えると立てるべき式が増えます)。 pic.twitter.com/LnoqtIEdEi
【原則編28】
「総合問題」(実戦問題①②)
九州大学(2003年)・
奈良県立医科大学医学部後期日程(2022年)
過去問解説
原則編の最後に,総合問題を用意しました。
これまでの講義で得たものを使って,トライしてみてください。
入試問題の中には「問題のある問題」も含まれています。
そんな問題もこの総合問題では取り上げていきます。
【力学 原則編28】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 19, 2024
総合問題(実戦問題①②)
「原則編」の最後に総合問題を解きましょう。実戦問題①は九州大学(2003年)の過去問。「繰り返し衝突」の問題ですが,質点は斜面上を運動します。実戦問題②は奈良県立医科大学医学部後期日程(2022年)の過去問(改題)。小問の順番通りには解きにくいかも。 pic.twitter.com/JunHgxgODQ
【力学 原則編28】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 19, 2024
総合問題(実戦問題①の解答・解説)
原則編25の講義で導いた「非弾性衝突の場合のはね返る高さや時間」の式がそのまま使えることをこの問題で確認してください。速度のグラフを描く問題は,衝突により向きが変化することに注意です。それぞれの直線の傾きは -𝒈𝐬𝐢𝐧𝜽 です。 pic.twitter.com/cb1XiNdU8f
【力学 原則編28】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 19, 2024
総合問題(実戦問題②の問題・解答)
奈良県立医科大学医学部後期日程(2022年)の過去問(改題)。いかに素早く処理できるかという問題。問題文の中の初速の条件式は,上端の物体が床に衝突しないための条件。マナ物理note(下のリンク先)で示しておきました。https://t.co/UsdhMpfAiE pic.twitter.com/oXY09y0Zl8
実戦問題②の問題文の中の初速の条件式は,
上端の物体が床に衝突しないための条件です。
それを下に導出しておいたので,気になる人は確認してください。

【原則編29】
「総合問題」(実戦問題③④)
大阪府立大学(1971年) 過去問解説
および 問題のある問題
総合問題の第2弾です。
実戦問題③は大阪府立大学(1971年)の過去問。
古い問題ですが,今でも出題される可能性の高い問題。
聖文社の物理入試問題詳解では《難解》と評されていました。
その中の解説では
「摩擦がないから力学的エネルギー保存則が成り立つ」
という謎の文章がありました。
いやいや,摩擦がなくても垂直抗力が仕事をすることがありますよ。
垂直抗力は「非保存力」です。
今回の場合は,2つの垂直抗力のする仕事が相殺するから
力学的エネルギーが保存するのです(原則編19参照)。
【力学 原則編29】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 28, 2024
総合問題(実戦問題③④)
実戦問題③は大阪府立大学(1971年)の過去問。実戦問題④は何度も繰り返される出題ミスを含む問題(問題のある問題)です。
実戦問題③は聖文社の物理入試問題詳解で《難解》と評されていた問題です。台が自由に動く条件では,2通りのとらえ方があります。 pic.twitter.com/DGDdvkTfZU
【力学 原則編29】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 28, 2024
総合問題(実戦問題④の問題・設定の問題点)
できる生徒ほどできない問題があります。運動を追跡していくと与えられた条件が破綻するというやっかいな設定です。添付ファイル1枚目が問題。まずはその設定の問題点を探ってください。2枚目から,どこが問題なのかを述べていきます。 pic.twitter.com/fKyVgS6kj9
【力学 原則編29】
— マナ物理 (@manabu_physics) November 28, 2024
総合問題(実戦問題④の解答・解説)
添付ファイルの中でも述べていますが,2019年度第2回駿台東大入試実戦模試の物理第1問で,実戦問題④と同様の出題ミスがありました。この件に関しては,笠原邦彦さんが以下にまとめてくれています。読み応えあります!https://t.co/ejVZvhiyKz pic.twitter.com/aJXTPvkSdM
【原則編30】
「総合問題」(実戦問題⑤⑥⑦)
滋賀県立大学(2023年)・同志社大学(1999年)
東進センター最終プレ(1997年)&
東京工芸大学の過去問(1987年) 過去問解説
「力学 原則編」の最終回。
実戦問題⑤は,滋賀県立大学(後期日程)の過去問です。
誘導にのって解けば最後まで解けるのですが,
背景も考えてみてほしい問題です。
少し詳しく解説しておきました。
実戦問題⑥は,原則編29でも扱った「問題のある問題」です。
実際には無理のある現象(運動)なのですが,
「出題ミスだ」と言って思考停止はせず,最後まで解き切ろう。
実戦問題⑦は,東進ハイスクールの黎明期の模試の問題です。
パクっています。東京工芸大学の入試問題そのまんま,です。
作問者が十分いなかったんだろうなぁと想像できます。
この年の「東進センター最終プレ」は,
他の問題もパクりまくりというなかなか楽しい模擬試験となっています。
【力学 原則編30】
— マナ物理 (@manabu_physics) December 12, 2024
総合問題(実戦問題⑤⑥⑦)
いよいよ「力学 原則編」の最終回です。実戦問題をあと3問解きましょう。まずは滋賀県立大学(後期日程)の過去問(2023年)です。たるんだ糸がぴんと張る直後の両物体のふるまいに注目します。2016年東京大学の力学問題でも同じような設定が見られました。 pic.twitter.com/TYAxJUIzEM
【力学 原則編30】
— マナ物理 (@manabu_physics) December 12, 2024
(実戦問題⑥⑦の問題)
実戦問題⑥の同志社大学の過去問(1999年)は原則編29で紹介した「問題のある問題」の一例です。問題はありますが解かなければなりません。実戦問題⑦は東進センター最終プレ(1997年)ですが,同時に東京工芸大学の過去問(1987年)です。すなわち,パクリです。 pic.twitter.com/4kiHBfQ0Hq
【力学 原則編30】
— マナ物理 (@manabu_physics) December 12, 2024
(実戦問題⑥⑦の解答・解説)
力学ができる人とできない人の違いは何だろう,と考えると,問題順に絵が描けるかどうか,というシンプルな結論にたどり着きます。束縛条件も含め,絵が描ければほぼ解けたと言ってもいい問題は多い。何が分からないのか,絵を描きながら確認しよう。 pic.twitter.com/G9OQPEOTGt
力学の基本的な考え方はこの「力学 原則編」で網羅しています。
円運動や単振動,万有引力がはたらく運動など,
さらに複雑な運動については「力学 さまざまな運動編」で扱います。
以上です。
マナブ