GIGAスクール時代の学級づくり【講演を文字起こし】
みなさんこんにちは。
今回は、「GIGAスクール時代の学級づくり」というテーマで
講演したときの様子を文字起こししました。
修正と加筆,当日に使用したスライドも添付しながら、そのときの講演の様子をお届けします。
少しでもLIVE感が伝われば嬉しいです。
(当日に使用したQRコードや内容をみることはできません)
0 オープニング
みなさん、今日はよろしくお願いします。
今日はみなさんに活動もしてもらいながら、このGIGAスクール時代の学級作りについてぼくが考えていることを伝えていきます。
【1】 活動パート
1 自己紹介
まずは、ぼくの自己紹介をさせてください。
ぼくの名前は樋口万太郎といいます。
とても珍しい名前です。
参加されているみなさんの中で万太郎くんはいますか?
いないですよね。
あっ!うなずいている方ありがとうございます。
反応があることはとても嬉しいなと思います。
(このあとリアクションをしてくださる方が増える)
では、皆さんの身近に、生徒とか児童、子どもたちの中に万太郎くんはいますか。いないですか。
いつになったらぼくは「いるよ!」という方に出会えるのでしょうか。
では、マンタロウって、日本で何人いるでしょうか.
ちょっとお近くの人と話をしてみてください, ではどうぞお願いします.
はい、ありがとうございます。
では、何人か聞いていきますね。
100よりも多いと思われる方?
1万より多い?それはいない。
じゃあ、50より少ない?
10より多い?
じゃあ、ちょっと手を挙げてくださいね。
ゼロ。さすがにゼロであげる人はいないですよね。
あげたら、お前は誰やねんという話になります。
1人、2人、3人、4人、5人、6人、7人、8人、9人・・・
(手をあげてもらう)
ぼく調べなので本当に何人いるのかは、正直わかりませんが、
ぼく含めて6人です。
ぼくは誕生日も珍しいと言われるんですよ。
さあ、何月何日でしょうか。
(挙手をされた先生をあてる) 2月14日ですか?
そうです、ぼくの誕生日は2月14日、バレンタインデーです。
では、ぼくは最高チョコレートを何個もらったことがあるでしょうか?
お近くの人と話をしてみてください.
じゃあちょっと聞いていきましょうか。
今から当てていきますので,
言われる数によってぼくはこの後テンションが下がっていくのか上がっていくのか左右されますよ。
じゃあ、何個だと思いますか?
4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 12, 50個?50個?
ちょっと嬉しくなってきましたね。ちょっとテンション上がります。その後ろの方はどうですか
15個?
今、50来て下がりましたね、
すいません、一番後ろの方, 1万?
あ、そうですね、ここで綺麗に1万個もらいました、名前通りですって言えばすごく綺麗なんですけど, 現実、なかなか芸能人でも1万もらえる人ってなかなかいないかなと思います。
実は、最大60個です。(会場からエ〜の声)
この「エ〜」はどっちの意味なのでしょうか。
妥当なのか、それとも予想以上にもらっているのか・・・。
なんで「エ〜」なのかはあえて聞きません。
さて、ここぼくが一方的に自己紹介をしましたので, 今度はですね。
みなさんに自己紹介をしてもらいます。
2 1分間自己紹介
お近くの方と 自分の自己紹介をしていただきます。
ただし ちょっと条件をつけます.
1分間に近い人が勝ちという自己紹介です。
さらに、自己紹介していく中でお名前とか勤務校とか, きっと言われると思います, 好きなこととか言っていただいても 全然かまいませんが,
ということを必ず入れてください。では、今から考える時間をとります。
お互いの自己紹介を, ぼくが用意スタートと言ったらしてください。
1分測りますので, 自己紹介が終わったという方は, 手を挙げてください。
それを見てぼくは1分に一番近い人.もしくは1分ぴったりの人を, 探そうと思いますので, いいでしょうか。
では、今から実際にしていきますので まずはちょっとペアになって, どちらが先に言うのか 決めてください。
さあ誰が1分間近くスピーチできるでしょうか。
それでは一人目スタートです。
(時間をとる)
一番近かったのはあなたです。はい。拍手!!
では、次は二人目スタートです。
一番近かったのはあなたです。はい。拍手!!
今の活動とかの,意図はこの後説明していきます。
では、 今度はタブレット出していただいて,このQRコードを読み込んでください。
3 ふきだしくんに「学級づくりで大切なこと」を書き出そう
みなさん、ふきだしくんというサイトにとんだでしょうか。
名前は本名で,お願いします。フルネームでなくても構いません。
右下かどこかにプラスボタンがあると思います。
そこを押すと付箋マークが出てきます。
その付箋に今から言うテーマのことを思いつく限りかきだしてください。
今から5分とちょっと長めに設定します。それでは、テーマは
「学級づくりで大切なこと」
です。
では、スタートです。
さあ、あと3分くらいですが、想像以上にたくさんかけていますね。
僕が付箋を動かして整理をしていっても、どんどん埋まっていきますね。
想像以上に皆さん書いてくれていますので、あと30秒で終わろうと思います。
余談ですが、「整理整頓」って書かれている方が何人かいますね。
ぼくは整理整頓がすごく苦手な小学校の先生でした。
自分が小学生の時もよく怒られてましたよね。
下に物を落とさないと、プリントはちゃんと持って帰りなさいとよく言われていたことを思い出しました。
それでは時間がきました。今書いていることをしっかりと書き切ってくださいね。では、ちょっと時間をとりますので、どんなのが書いてあるのかなとみなさんみてください。
すごい付箋の数ですよね。
皆さん、月曜日なのに。本当は仕事をしたいと思っていたにもかかわらず、研修に来ていただいて、そして本音でたくさん吹き出しを書いてくださいました。
では、次の活動へと行こうと思いますので、このQRコードを読み込んでください。今度はCanvaにとびます。
4 Canvaで「現時点の学級・担当していることの満足度をしめそう」
こういう画面が出てくると思います。
左上のところに番号を打っていますので、 今伝えた自分のグループの番号のところに行ってください。
ここでは、テーマとしては、
円グラフみたいなところをタップすると,
こんな風にパーセンテージとかをいじることができます。
例えば今の達成度50%かなと思った、 50に合わせるとこのようになります。
そして、
なぜ50%なのか,
なぜ70%なのか、
なぜ2%なのかといった理由を理由と書いているところに書いてください。
こういう公の場ですので、個人名を出したり センシティブなことは書いたりすることはやめてください。
ではちょっと時間をとりますので,グループでどこに書くのか,
操作面で困った場合には ちょっと近くの人と聞きながらやってみてください。
それではスタートです。
(ある程度時間をとる)
もし全員が完成しているグループがあれば、
グループの方とこれを基に何かお話をしてみてください。
どうして60%なんですかと聞いてみたり、
その気持ちめちゃくちゃ分かりますと共感したりして話し合ってください。
あと2分くらいしたら話の続きをしていきます。
(2分後)
はい。それでは活動をやめてくださいね。
(それでも話し合っているグループがいくつか)
いいですね。
ぼくの話を無視して話し続ける、いわゆる学級崩壊状態が起きていますね。
でも、
これを学級崩壊と捉えるか
ですよね。
色々なところでする話があります。
今ぼくが言った残り2分ですねってという話も、ぼくが設定した2分なんですよね。子どもたちからしたら、
先生が勝手に決めた
と思われても仕方ないのです。
もっと私たちはもっと話をしたいという思いがあるから、
先生が終わりだねて言っても 話し続けるんですよね。
こういった話し続けることって、決して悪いことではないですよね。
むしろすごく積極的に話し合っている、アクティブな姿っていうふうに感じることができます。
とはいっても、じゃああと1分ねって伸ばしてあげることができる時もあれば、それができないこともある。
正直、こっちにも都合があるわけで・・・。
この塩梅がとても難しいですよね。
さて、みなさんのをみていると、一番%が低い方で20%という方がいました。
ただ、サボっているとかそういうわけではなくて
一生懸命取り組まれているということは大前提
として言えることです。
今はできていないことがあるかもしれないけれども,
半年後 今の学級とか担当する子たちが,
解散するときには できているようになっているかもしれません。
この後の話にもつなっていきますが、
ついついこの今の現状、今目の前で起こっていることだけで, 把握をしてしまいがちなんだけれども実際はそうじゃないんですよ。
未来を見た長期的な視点で考えていかないといけない。
1年というスパンでみたときに、今はどの段階にいるのかということです。
話をかえますが、
今みなさんに使ってもらったデジタルシートはよく道徳とか,
今日の授業は話し合い活動がメインだなと思ったときに使っていました。
話し合いの満足度は何パーセントなのか,
そして その理由を書かすといったことをしていました。
ただその満足度何パーセントというのも あくまでその子の主観であって,
言葉はあれですけど適当なんですよ。
なので、大事なのはパーセントではなくて、 理由です。
かけた人はちょっと近くにいる人と話し合ってごらんっていったときの話し合うための土台になるんですよね。
これはCanvaだからといった話ではなくて、
ロイロノートでもGoogleでもいいし,
メンチメーターとかでもいいんです。
いろんなアプリがあるので,
なぜそのアプリを使うのか その目的をしっかりと設定するということが大事になってきます。
自己紹介から、1分間自己紹介、ふきだしを使っての活動、そして今のCanvaの活動といった4つを行いましたが,
実はそれぞれの活動の意図には学級づくりで考えていく上で大切な意図
があったのです。
それを説明していきます。
(補足:当日には言わなかったこと)
【2】それぞれの活動の意図とは?
1 自己紹介の活動から考える学級づくりとは?
① 関係作り
適当に自己紹介はしていたわけではありません。
今日した自己紹介は、何年生の担任になったとしても子どもたちとしていました。大学生とも今の自己紹介をやりました。なぜするのかといえば、
のためです。
よく横糸論, 子どもと子ども同士をつなげることが大事ですよということを,
ここ最近よく言われるようになりました。
もちろん横糸論はもちろん大事です。
子どもと子ども同士をつなぐということと同じぐらい,
先生と子どもという縦糸論, 縦のこのラインをちゃんと作っておかないと,いけません。
そうしないと横を紡いだとしても, ちゃんとした布にはならないですよね.
自己紹介というのは、4月の最初の日にしますよね。
短時間で暫定的にこの子ってこういうことなのかなと判断をしていきます。
今皆さん見ていてもぼくの言っていたことを笑っていたりとか,
何個かなとすぐ言ってくださる大人の方もいらっしゃったと同じように,
児童生徒でも同じような行動をする子がいます。
そういった様子をみて、
もしかしてこの子ってムードメーカーなのかな、
間違いを恐れずに発表できるかな
といったことをあくまで暫定的に把握するために行ったりしました。
だから今ぼくは皆さんの様子を見て,
暫定的にこの方ってこういう人なのかなということを理解しようとしていました。
今日はこの大人の集団ですけれども, みなさんを樋口学級の子供と思って、ぼくは活動を行っていました。
先生と子どもとの関係づくり,
先生のことを少しでも知ってもらいたい,
子どもたちは先生のことをどれだけ知っているのか,
もちろんこの自己紹介だけでは 伝わりきらないところもあります。
初日に自己紹介をしてからは、
毎日こういうことが大事なんだとか,
こういうことが目指していこうねといった思いを伝えていく。
そんなちゃんと縦横と横だけじゃなくて 縦と横といったところも意識して行っていきたいです。
今は5月です。新しい学級が始まって約2ヶ月が経とうとしています。
児童生徒はどれだけ先生のことを分かっていますか。
趣味とか好きなアイスはなにかといったことをはじめ、
こんなことを授業で大事にしているのかとか,
厳しくなるんじゃないのかといった
ことまでこの段階で分かっているのか・ 理解しているのかといったところが, 大事になってきます。
② 叱る?叱らない?
小学校でも中学校でもよく、
先生の叱るポイント、先生が鬼になるポイントとかを子供達に4月伝えることでしょう。
うなずいている方いますね。
例えば、
誰かの人権を傷つけるような行動をしたときとか,
暴力を振るったときとか,
3回同じことを言ったとしても, なかなかできないときとか
といったことです。
この春, SNSとかを見てみると, そんなポイントを伝えるのってどうなの, っていう議論が少しありました。
確かに, 書籍のタイトルをみてみても、
やっぱり叱るっていうことが大事だみたいなタイトルの本もあれば、
やっぱり叱らないほうがいいんだよっていう本のタイトルもあります。
どっちなんだってことですよね。
叱っていいのか、叱ったらダメなのか よくわかんない。
こういうのは他にもあって、
例えば 東大生のノートはきれいっていう本もあれば、
東大生のノートは雑みたいな本もあるんですね。
どっちなんだよ、どっちが正解なんだ、ということはよくあります。
3つのポイントで, 人権的な言動がダメだとかという話は、
別に叱るとか怒るとか、鬼になるとか、そんなことが大事ではなくて、
結局、ぼくはこう思うんですよ。
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