じゃあ、授業外範囲の勉強って何すればいいの?
これまで「学校の授業なんて何がおもろいんや。あんなん退屈でしゃーないわ」って方に向けて「じゃあ授業でやらないこと勉強すればいいじゃん」ということを散々力説してきました。かなり大量に具体例を挙げてきたつもりではありますが、「でもやりたいことなんて決まらねーよ」という方もいらっしゃると思います。
そこで今回はいくつか方針を示しながらどんな勉強をやってみるといいかご紹介しましょう。
大学で最初にやる勉強を!〜学校の勉強の延長線上に〜
一番単純なのは学校の勉強をレベルアップさせることですかね。
理系には
イプシロンデルタ論法や微積物理など、これまでにいろいろとご紹介してまいりました。他にも化学の反応機構など高校範囲外の勉強でも学校の勉強にかなり役立つことが盛りだくさんです。
文系には
「いや、誰でもすぐにって、数学にしろ物理にしろ文系やらねーよ。お前文系とかのこと全く考えてねーじゃんか」
失礼しました。文系の場合はかなり専門分化が進みますので「みんな揃ってこれをやる」なんてものがあまりないんですよね。ですから基本的には自分の行く学部に関する話をメインに据えるといいと思います。例えば経済学部ならアダムスミスを読んでみようとか、法学部なら六法の大まかな体系を勉強してみようとか。個人的には法律のあの独特の文体はなかなか馴染めないのですが、「所得税の基礎控除ってこういう意図があって設けられているのか」みたいな切り口で勉強してみたり。
医系には
医療系では解剖学なんかは医学部も看護学部もやるでしょうから、「横隔膜で内臓系が上下に分かれてるけど、大動脈裂孔・食道裂孔・大静脈孔で上下行き来できるようになってるんだな」とか押さえておくといいかもしれません。
系統関係なく
自分がすすむ系統以外の勉強をしちゃいけない理由なんてありませんから、文系の方が微積分や解剖学の勉強をしたって何も不思議なことはありませんよ。ここで持ち出した税法や横隔膜の話なんて単純に興味で調べたものですよ。理学部の授業ではまずやりませんからね。
どうせ学校とおんなじ勉強でしょ?→実用的な勉強を
「大学でやることって結局学校の授業みたいでつまらんのよな。」と思った方、そんな方には実用重視の勉強をしてみてはいかがでしょうか。「学校では教わらないけど、これだけはやっとけ」みたいに言われるものってありますよね。そういった「学生のころにこれだけは勉強しとけばよかった」って言われるようなものをセレクトしてみましょう。
例えばプログラミング。下の世代で情報系科目が必修となる手前、プログラミングは文字通りリテラシー(読み書き能力)として要求されるようになるかもしれません。「先輩、ひょっとしてプログラムの一つや二つも組めないんスか?」なんて煽られる前に勉強しておかないと。それに普段スマホいじってて「こいつクソゲーだな」なんて思うようなら、まともなゲームを自分で作ってしまえ、なんてことを考えられるようになったりもしますよ。
プログラミングといっても C++ や Javascript, Python などなど、いろいろ種類がありますので「どれから手をつけたらいいんだろうな〜」と思うことと思います。しかし1つある程度マスターしてしまえば他の種類もラクに身につけることができますから、最初はぶっちゃけサイコロ降って決めてもいいと思いますよ。
プログラミングに限らず、簿記なんかも昔からやっておくといいよと言われてきていますよね。日商簿記3級については独学でもある程度対処できるようですから、ぜひ挑戦してみてください。「簿記ってなんなん?」という方に向けてご説明すると、「カネを何に使ったか、そのカネはどこからきたのか」を記録・集計して財務諸表と呼ばれる企業の成績表を作り、その財務諸表にもとづいてお金をどのようにやりくりするか戦略を立てる、なんて話です。企業会計だけでなく家計にも大いに役立ちます。老後に2000万円必要だとか何だとか言われる昨今ではゴリゴリに力を発揮するんじゃないでしょうか。
行列・確率統計の旧課程もアリ
「あんまり高等な勉強できないよ~」という方、旧課程に手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。一昔前まで学校で教えられていたものですから、他の勉強と比べて中古の教科書など本が充実しているという利点もあったりしますよ。それに毎年自分と同じ年齢の人が何十万という単位で勉強してたわけですから、「お前の年で理解できるわけねーだろ」なんてことは絶対に言われないというお墨付き。
具体的には、線形代数とか確率統計とかでしょうかね。行列の計算は学部によっては文系でも使ったりするようですから、ある程度手をつけていてもバチは当たらないでしょう。また、文系でも研究するってなったら統計はまず必要でしょう。
全くの未知なる分野に
「学校の勉強っぽいのはすぐに飽きそうだから、なんかこうブワッとした勉強してみたい」というフワッとした感覚を抱いている方、そんな方にはこれまでの学校生活では絶対にお目にかかれない勉強をやってみてはいかがでしょうか。
例えば外国語。いわゆる大学でやる「第2外国語」ってやつです。王道は仏独中といったところですが、アラビア語やタイ語のように「これホントに人間が読めるの?」みたいな文字が読めるようになると、そんじょそこらの人に対してはこの上ない優越感に浸ることができるでしょう。
王道でもそれなりに勉強すれば楽しいですよ。ドイツ語勉強したおかげでベートーベンの第九歌えるようになって、カラオケのネタ曲が1つ増えました。Freude, schöner Götterfunken, Tochter aus Elysium って、あのカッコいいの歌えるようになってみたくないですか? ただ Nessun dorma(『誰も寝てはならぬ』プッチーニの歌劇『トゥーランドット』のアリア) に関して言えば、イタリア語がわかっても音域が高すぎて歌えないのですが。
まとめ
ここまで授業外範囲の勉強をするとなったときの具体的な内容をご紹介してみました。これまで私が勉強してきたものを中心に挙げていますので、人によっては「プログラミングってどうも相性がよくないんだよな」ということもあるかもしれませんが、
・大学で最初にやる勉強
・実用的な勉強
・今まで考えもしなかった分野の勉強
という3つのアプローチをうまく使って「こいつは面白いぞ」と思えるようなものに出会えてもらえたら嬉しいです。
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