普通の子の中学受験、私立中か地元公立中か? <不合格も貴重なデータ>
2月受験を終え、合格した私立中に行くか、地元公立中に行くか、迷うご家庭もあるかと思います。これが、Y60以上の上位クラスのお子さんなら、第一志望✕でもY55前後の学校に合格していることが多いので、そのまま合格した私立中に進むのはアリだと思います。
Y55以上の学校の様子というのは、各学校にもよりますが、基本的に授業は公立よりも早いテンポで進められ、そのスピードに7~8割のお子さんがついてこられる雰囲気なんだそう。そして、宿題もほとんどの子がきちんとやり、学校自体の雰囲気もある程度落ち着いていると思います。このクラスなら、私立中に行く意味は十分あると思います。おそらく、公立中よりも使っている教科書もハイレベルなものでしょうし、高2ですべての勉強の範囲が終わるので、高3からは学校を上げて大学入試モードに突入できるでしょう。
※以下は、あくまで私的な見解ですので、ご容赦ください!!
Y50~40前後の学校、その違いとは?
これがY50前後になってくると、これまた各学校によりますが、全体として授業は公立中よりやや早めぐらいで、授業の理解度は半数ぐらい、宿題をやってこない層も一定数いる感じになってくるかと思います。
Y45前後になると、授業のスピードは公立中よりは早いでしょうが、その分、そのスピードについていけない生徒もそこそこいて、課題の提出率も低い恐れがあります。
Y40前後になると、各学校によりますが、授業のスピードはほぼ公立中と同じ位かもしれません。先取り学習をしないかもしれないので、そうすると大学受験にはかなり不利。そうなると、早くから塾必須の環境をつくる必要があります。
これらの考えから、Y50前後の普通の子が中学受験をした場合、Y50前後の併願校なら喜んで私立校へ行き、Y45以下の場合は、いろいろと注意が必要だと思います。
Y45前後の私立中に進む時の注意点
Y45前後の場合は、進学率、生徒の進学先をしっかり見て、それらの中にどれぐらい子どもに行かせたい大学があるか、何人ぐらい行っているかをチェック。ただし、優秀な生徒が1人で何校も受けて合格実績を上げている場合もあるので、中央大30人とあったら、だいたい3ぐらい(1人3つの学部には合格していると仮定)でわると、10人ぐらいと本当の人数がつかめるかと思います。そして、これが全校生徒100人の中の10人(学年の約10%)なのか、300人の中の10人(学年の約3%)なのかも重要。あと、私立中で忘れてはいけないのが、指定校の学校数や枠がどれぐらいあるか。ここが多い学校は、一般入試枠が減っている昨今の大学受験ではかなり有利です。
Y40前後の私立中に進む時の注意点
Y40前後の場合も、進学実績や指定校推薦枠をチェックするのは当然ですが、一番大事なのは「どんな雰囲気の生徒が集まるか」です。Y40前後だと、お勉強がメキメキ出来るわけではないけれど、裕福なご家庭で大事に育てられた子が多く集まり、真面目な雰囲気の学校も多いと思います。逆に勉強嫌いでヤンチャな子が多めの学校は、授業そのものに落ち着きがないこともあったりするので注意が必要かと。また、Y40前後のお子さんが集まるということは、Y60以上のお子さんは皆無といった状況が考えられます。そうなると、公立中の方がY30~70までと、実は上位のお子さんも含まれるため、地域によって質の高い環境になる可能性もあります。教育レベルが高い地域の公立中なら、進学する価値はあると思います。
中学受験後、地元公立中に進む時の注意点
中学受験をしても、私立中でなく地元公立中を選ぶということは、3年後に高校受験がやってくるということです。この点について、親御さんからみて内申をとれるお子さんなのかどうか、またその地元公立中は内申をとりやすい学校なのかどうかも、大事な判断になってくるかと思います。うちの地元の公立中は、優秀なお子さんが多く集まるため、内申がとてもカラいとのこと。加えて、うちの子はスポーツに興味なし、目立ちたくないタイプなので、内申をとれる見込みがほぼありませんでした(汗)。しかも、中学受験の結果が出る前から本人が「もう受験したくない」と宣言していたので、入れる私立中に入るという気持ちで2月受験に挑みました。
うちの場合の併願校は、Y45、Y52、Y59位で、第一志望✕ならどこの学校になろうと通うつもりでした。そのY45の学校は、March以外の付属で、指定校推薦の枠も多く、子どもが希望していたMarch大の進学者もそこそこいたので、大学への夢をつないであげられると思って選びました。地元公立中に通う場合は、高校受験での勝算アリかどうかと、あとはお子さんの気持ち。数年かけて中学受験して、また高校受験をする場合は、本人のやる気なくして成し遂げることはできません。どうか十分にお子さんと話し合い、決定権はお子さんに持たせてあげてほしいと思います。
不合格は、次の勝ちにつながる重要なデータ
学歴だけでみれば、中学受験も、高校受験はすべては通過点。ですが、中学受験が残念で、今後の受験へと進む場合は、ぜひ「不合格になったデータを活かして」とお伝えしたいです。受験は水ものと言われ、運にも大きく左右されるものです。けれど、その中で合格をつかんだ子、つかめなかった子を運だけで片付けるのは、もったいないと思います。なぜ勝てなかったのか、をひとつの重要なデータとして、冷静に分析し、次に活かすことが、受験で勝ちを連れてきます。受験を振り返ることは辛いことかもしれませんが「親が思う以上に緊張しやすい子なのか、幼かったのか」「各単元で大きな抜けがあったのか」「モチベーションのピークが合わなかったのか」「過去問の研究が甘かったのか」「そもそも志望校選びが無謀だったのか」など、どんなことでもいいので、敗因をしっかりと分析することが大事だと思います。
うちの子の、第一志望×と〇の分析
うちの子どもは、第一志望1回目で×、2回目で〇でした。1回目の敗因は、極度の緊張と社会がとれなかったから。うちの子どもは、国語と算数がかなり仕上がっていたのですが、1回目の試験は国語も算数も平易な問題が多かったため差がつかず、逆に苦手な社会で点を落とし、結果、合計点で負けてしまった、と合格後しばらくしてから子ども自身が分析していました。2回目の試験は、全体的に難易度が1回目より高かったので、算数、国語の出来で差がつけられた。社会はあいかわらず出来なかったけれど、合計点でカバーできたと。私も、この分析は大筋で的を得ていると思います。本人が想像していた以上に第一志望1回目の試験で緊張したこと(それぐらい第一志望は異常に緊張する、本命に弱い)も、敗因のひとつでしょう。うちの子どもには、これを今後訪れるかもしれない大学受験(付属で大学受験ナシの可能性アリ)、さらには就活等で活かしてもらいたいと願っています。
自分の強みと弱みを知っているからこそ、勝ち方がわかる。試験は、勝っても負けても、本当に貴重なデータです。ぜひそのデータを無駄にせず、次の勝ちにつなげていただければと思います。