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動と静 国語に必要なのは「静」

文章中の、筆者が最も述べたいところに線を引く。

私の授業では「センターピン・トレーニング」と呼ばれ、小中高生から大人まで取り組んでもらう必須トレーニング。かなり頭を使うのではじめは四苦八苦しますが、考えることが好きな方はすぐ取り組めるようになる大人気のトレーニングです。

このトレーニングは回数を重ねていくと、生徒自身が文章構造が透けて見えるようになるから不思議。それゆえに要約力も身についていきます。それもそのはず。筆者が最も述べたいことがわかるわけですからね。文章を端的に説明できる力が身につけば読解の勉強はアガリです。センターピン・トレーニングはいわば読解力を高める最強のトレーニング法の一つです。

さて、このセンターピン・トレーニングをしていると、なかなかセンターピンを見抜けるようにならない生徒さんも現れます。そのような生徒さんはどこに線を引いているのか観察していると、ある法則が見えてきます。それはこちら。


自分が強い衝撃を受けたところに線を引く法則


衝撃とは、喜び、悲しみ、辛さなど自分が感情的に大きく動かされたこと。つまり、そこに線を引いてきます。

センターピンは、筆者が最も述べたいところに線を引くのがルールです。繰り返し説明しますが、自分ではなく筆者の心が動いたところです。線を引けるようにならない方は、物事を主観で捉えていて、客観視ができないようなのです。


さらに線を引けるようにならない方たちへの観察範囲を広げていくと、このような法則も見えてきます。それはこちら。


静かに、自分と向き合う時間が少ない法則


線を引けるようにならない方は、習い事や仕事が多く、To doや緊急なタスクの中で日常生活を送られている方が多いように思います。自分一人で静かに思考を深めるような時間を持てない生活を強いられている(自ら強いている)ようです。いわゆる「静」の時間が足りないのです。

読書ならば、一人で本のページを繰る時間が、集中力を鍛え思考を深めてくれます。読み終えた後には、意識せずとも一人になった時などにオートマティックに頭の中で内容を振り返ることがありますよね。

このように一人の時間があると、静かに自己対峙でき、思考力を深めてくれます。

国語は「静」が求めらる勉強です。問題集を解くことだけでは、技術的には答えられるようなれるかもしれませんが、それは付け焼き刃。文章が難しくなると役に立ちません。それよりも、どんな文章でも筆者の述べたいことを的確に読み取れるようにな力を付けたいですよね。そのためにも「静」の時間を取ってほしいのです。「静」の時間から自己対峙する。すると、相手が何を伝えたいのか正確に読み取れるようになり、冷静に客観視できる力が身についていきます。

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