浜松北高に合格することを目指して毎日頑張っているのに…中学生の成績が伸びない理由と打開策
中学生の成績が伸び悩む原因は、単に「頑張り方」にあることが少なくありません。
お子さんは確かに努力しているのでしょう。毎日机に向かい、宿題をこなし、テスト前には夜遅くまで勉強している姿を見ていらっしゃるかもしれません。しかし、成績に結びつかないとしたら、それは「方向性」の問題かもしれません。
努力が目的化してしまうこと、これはよくある落とし穴です。「勉強したから大丈夫」という安心感を得るために学習し、実際の理解や定着よりも「勉強した時間」や「やった感」を重視してしまうのです。
子どもたちはしばしば、「何を学ぶか」より「どれだけやったか」に意識が向きがちです。例えば、英単語を100回書いて覚えようとする子がいますが、その労力は必ずしも効率的な学習法とは言えません。
私がよく生徒に伝えることがあります。「勉強の振り返る作業を怠ってはいけない」
この振り返りこそが、学習の質を高める鍵なのです。テストで間違えた問題をただ解き直すだけでなく、なぜ間違えたのか、どこに思考の落とし穴があったのかを分析することです。
しかし、分析することも個人差が生じる作業です。抽象的思考が強いお子さんだったら、ざっくりと大まかに分析してしまい、具体的思考が強いお子さんならば、細かく分析しすぎてしまうかもしれません。理想的なのは、具体と抽象を自在に行き来できる思考力を身につけることです。
読書で養う「具体⇔抽象」の往復思考
この「具体と抽象を行き来する力」を育てるのに最適なのが読書、特に新書を読む習慣です。例えば、ある中学生は歴史が苦手でしたが、歴史新書を読み始めてから「個々の出来事(具体)」と「時代の流れ(抽象)」を結びつけられるようになり、成績が大幅に向上しました。
読書を通じて思考力を鍛える3つのステップ:
まずは興味のある分野の新書から始める(科学、歴史、社会問題など)
読んだ内容を「具体例」と「大きなテーマ」に分けてノートにまとめる練習をする
週に1回、家族で本の内容について話し合う時間を設ける
こうした読書習慣は、学校の勉強にも自然と活きてきます。例えば数学では「この公式(抽象)がどんな現実問題(具体)に使えるか」、国語では「この登場人物の行動(具体)がどんな普遍的テーマ(抽象)を表しているか」という視点で考えられるようになります。
成績アップのための3ステップ
具体的には、お子さんと一緒に次のことを試してみてはいかがでしょうか:
テスト結果を「点数」ではなく「理解度」の指標として捉える習慣をつける
間違えた問題について「なぜ間違えたのか」を言語化してもらう
学習内容を誰かに説明できるかどうかで理解度を測る
中学生という時期は、学習量も増え、内容も複雑になります。この時期に「効率的な学習法」を身につけることは、高校・大学受験だけでなく、生涯にわたる学びの姿勢を形作る大切な機会です。
焦りを感じるお気持ちもわかりますが、この機会にお子さんと「学び方を学ぶ」対話を重ねてみてください。結果はすぐには現れないかもしれませんが、長い目で見れば必ず実を結ぶはずです。
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