フィンランドの教育に学ぶ、静大附属浜松中と浜松西高中等部の"面接試験"対策
先日、フィンランドの教育現場を取材したドキュメンタリーを見ていて、とある場面が心に残りました。
教室での話し合いの時間。生徒たちは環境問題について、それぞれの考えを述べ合っていました。そこで印象的だったのは、先生が褒めた生徒の存在です。
その生徒は、特に目立つ意見を言ったわけではありません。しかし、クラスメイトの様々な意見に耳を傾け、時には質問を投げかけ、最後にはそれらの意見を上手くまとめていました。
「なるほど」と私の中で小さな気づきが生まれた瞬間でした。
実は、浜松西高中等部や静大附属浜松中の面接試験でも、同じような力が求められています。面接試験官が見ているのは、単に「良い意見が言える」という一方通行のコミュニケーション力だけではないのです。
では、具体的にはどんな力でしょうか。
- 相手の意見をしっかりと「聴く」力
- 違う考えを持つ人の立場に立って考えられる力
- 様々な意見の中から共通点を見つけ出す力
- そして、みんなが納得できる着地点を探る力
これは、単なる受験テクニックではありません。
グローバル化が進む現代社会では、価値観の異なる人々と協力して物事を進めていく場面が増えています。その中で、「違い」を排除するのではなく、「違い」を活かしながら新しい答えを見つけていく——。そんな力が、ますます重要になってきているのです。おそらく令和7年度の面接試験における評価ポイントも同様でしょう。
令和8年度(次年度)の中学入試を準備されている方は、ぜひお子さんと一緒に考えてみてください。
「正解」を言うことよりも大切なことは何か。
「伝える」ことと「聴く」こと、どちらがより難しいのか。
そして、なぜ学校はこういった力を重視しているのか。
お子さんなりの答えが見つかったとき、それは必ず本番での大きな力になるはずです。
これからは、良い意見を言う子よりも、様々な意見を上手くまとめる力のある子が求められる時代です。