知りたい!浜松西高中等部の受験【適性検査編】
まずは私(塾長古橋)について少しお話しさせていただきます
私が塾を始めたのは、自分自身が学生時代に国語が苦手だったからです。本を読まずに恥をかいた経験があり、同じような経験を生徒にさせたくないと強く思っています。本を読み、学ぶことの大切さを伝えたい。そんな思いで学習指導の道に入り24年が経ちました。
浜松西高中等部の受験指導を2002年の初年度から続け、これまでに300名以上の生徒を浜松西高中等部へ合格させました。本をたっぷり読んだ生徒たちはその後、東京大学理科三類、京都大学医学部、浜松医科大学、慶應義塾大学、早稲田大学政治経済学部などの難関大学へ進学しています。
浜松西高中等部の適性検査問題についてみてみましょう
浜松西高中等部は非常に人気があります。令和6年度の志願倍率は2.68倍でした。過去5年間の倍率は2.19〜2.70倍の間を推移しており、限られた小学生しか入学できない狭き門です。
では、合格するためにはどのような勉強をすればよいでしょうか?
探っていきましょう。
令和4年度〜6年度の過去3年間の過去問を分析すると、傾向がはっきりしていて特徴がつかめます。
・知識だけで答えられる問題はほぼ出ない傾向
・情報を整理しながら解答へ導くための思考力が求められる
・複数の教科(国語、算数、理科、社会)が融合された問題が出る
浜松西高中等部の入試問題は難しそうなイメージがありますが、他府県の公立中高一貫校と比べるとそれほど難しくありません。教科書レベルの知識で十分対応できます。
それよりも気にしたいのは「アナロジー思考を使う問題が多いこと」です。
では、アナロジーを使った問題とはどんな問題なのか、
気になりますよね?
令和6年度の入試問題を例に見てみましょう。
令和6年度のⅢ.問8の問題です。
以下の資料が提供されました。
・宿泊割引クーポン
・日本地図の白地図
・割引前の1人1泊分の宿泊費と大人1人分の交通費
・4つの候補地の地図帳のグラフ(気温・降水量など)
家族4人で旅行に行こうと計画しています。
旅行先の候補地は4つあり、宿泊費と交通費を合わせて8万円以内に収めたいと考えています。また、雪が見たいという希望があるため、気温や降水量を資料から読み取り、当てはまる候補地をしぼる必要があります。クーポンを利用します。クーポンもよく見ると宿泊費のみが40%割引と書かれています。
これらの条件を整理し答えるまでのプロセスがいくつもあった上で、以下のことを求める問題です。
・条件に当てはまる候補地の記号と都道府県名
・4人分の宿泊費と交通費の合計金額
いかがでしょうか?
このような問題が出てきたとき、すぐに答えを出すのは難しいことがお分かりいただけると思います。資料を読み、条件に当てはまる候補地を絞り込み、宿泊費と交通費を計算する必要があります。しかも、交通費には大人料金と子供料金があるため、さらに複雑になります。
このように、読解力が非常に重要になります。
近年、このような問題が増えてきており、受験生の声をヒアリングすると「できた感がない」という声が多く聞かれます。これは、問題をスピーディーに読み解き、答えることができていないことを示しています。つまり、読解力の強さ。普段から文章に読み慣れている子に向いた問題だということが分かります。読書体験が豊富な子が合格しやすいといえます。
この傾向は入学後の定期テストにも顕著に現れており、国語問題は文章が非常に長いのが特徴です。国語力が高い子が多く入学しているため、問題の難度も高いです。国語力は県内でもトップクラスだと思われるので、浜松西高中等部に入学するには高い国語力を身につける必要があります。そのためには、まずはたっぷりと読書体験を積むことが重要です。
まなび研究所では、週600分を目安に読書を推奨しています。
次回は、令和6年度の作文問題について掘り下げます。(中編に続く)