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2022年地方自治ニュース回顧

 毎年、年末には1年間の地方自治関係で気になったニュースを振り返っています。今年もとりとめもなく振り返ってみましょう。

 今年もコロナ禍の中で地方自治体が対応に追われた一年でした。保健所関係、ワクチン接種関係、給付関係などコロナ禍の対応に当たっている職員の皆様は、本当にお疲れさまです。

 コロナ禍も3年目となり、コロナ禍対策は臨時的な施策から経常的な施策に移行しつつあります。ということは、コロナ禍対策のために経常的に人員が割かれることで、その他の業務がしわ寄せを受けていることを意味します。2021年度ですが、心身の故障で休職の地方公務員が過去最多になっていることを考えると、自治体職員の勤務環境の見直しは、待ったなしの課題ではないでしょうか。

 自治体のニュースでは阿武町の誤送金事件が世間の耳目を集めました。もちろん業務に当たってミスをしてはいけませんが、自治体がいかに債権を回収するかは課題といえます。そして小規模自治体も、大規模自治体と同様に多種多様な業務(しかも国から降りてきた業務)を取り扱わざるをえない大変さが現れた事件だったように思います。

 今年の3月には新藤宗幸先生、西尾勝先生が相次いで亡くなられました。近年、コロナ禍における行動制限、給付金、ワクチン接種や、個人情報保護法制のように、国が自治体に対して一元的な施策の実施を求めることが増えています。もちろん、業務効率の観点から一元的に進めた方が良いこともありますが、官邸主導のもとで新たな集権化が進んでいる昨今、「地方分権改革」の旗手であったお二人が亡くなられたことは象徴的にも感じました。

 あと、工事の設計ミスで生じた損失を市職員全員の給与カットで埋め合わせた事例もありましたね。賛否両論ありますが、給与減額の条例を提案した市長も、条例に賛成した議会も民意によって選ばれていることは確かです。こういった事例は全国各地で増えてきているので、自治体職員としてミスのないように事務を行うことはもちろん、賠償保険等に加入して自己防衛することも必要になってくるのでしょう。一つだけいえるのは、給与全員カットの自治体において、ミスした職員さんは針のむしろなのだろうなーということ。

 地方自治の分野に限りませんが、過去の積み重ねと選ぶべき未来があって、その前提としての現在があります。過去の地方自治に対して敬意を払い、将来の地方自治に対して責任を持つ。それを踏まえて現在どのような施策を取っていくのか。そんなことを考えつつ、来年もがんばっていくとしましょう。

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