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“「デザイン思考は、ビジネスや社会の抱える課題を解決する!」”【読書】ティム・ブラウン著『デザイン思考が世界を変える』, 佐宗邦威著 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』

社会は様々なもので構成されている。その社会の課題を解決するためには、考えるだけでなく、その考えが機能するための構造も考える必要がある。

私の座右の銘は「知行合一」。
「知識と行為は一体である」ということ。

つまり、知識を得ても実際に役立てるために行動しなければ、知識を得ていないのと同じということになる。

ご存じの通り、日本は、少子高齢化・人口減少という課題が加速していきます。
私の故郷、五島列島をはじめとした地方は、その課題の最先端を走っています。

その課題を解決するためには、現状の把握や先行事例の情報収集や地方創生に必要な知識を得て、考え、行動していかなければなりません。

しかし、ただ行動するだけでは社会は変わりません。
なぜなら、前述した通り、社会は様々なもので構成されているからです。

その社会という大きな枠組みも含めて、課題解決の方法を考えるために必要な思考の一つとして「デザイン思考」に着目していることから、ティム・ブラウン著『デザイン思考が世界を変える』を読みました。

この本を読んで、「デザイン思考」は人間中心であるだけではなく「人間の本質そのもの」と言える、極めて重要な考え方だと改めて理解できました。

著者のティム・ブラウンは、『「 直感的に考える能力」「 パターンを見分ける能力」「 機能性だけではなく感情的な価値をも持つアイディアを生み出す能力」「 単語や記号 以外の 媒体で自分自身を発信する能力 」それを重視するのがデザイン思考だ』と記しています。

また、本書で記されているデザイン思考に必要な要素や定義など、新たな気づきや学びを深めてくれました。

イノベーション
着想(インスピレーション)
・ソリューションを探り出すきっかけになる問題や機会

発案(アイディエーション)
・アイデアを創造、構築、検証するプロセス

実現(インプレメンテーション)
・アイデアをプロジェクト・ルームから市場へと導く行程

プロジェクトがこの三つの空間を何度も行き来することもある。

成功するアイデアの三つの重なり合う条件
技術的実現性(フィーザビリティ)
現在またはそう遠くない将来、技術的に実現できるかどうか
経済的実現性(ヴァィアビリティ)
持続可能なビジネス・モデルの一部になりそうかどうか
有用性(デザイアラビリティ)
人々にとって合理的で役立つかどうか

プロジェクト
アイデアをコンセプトの段階から実現段階へと運ぶ乗り物のようなもの

T型人間
縦軸:専門的な技術を持っている
横軸:分野の垣根を超えて共同作業する資質をも兼ね備えた人材
・心理学を学んだ建築家
・MBAを取得したアーティスト
・マーケティング経験を持つエンジニア

複数分野(マルチディシプリナリー)チーム
一人一人が自分の専門分野を擁護するため、折衝が長引き中途半端な妥協に落ち着くことが多い。

異分野連携(インターディシプリナリー)
アイデアが全員で共有され、一人一人がそのアイデアに対して責任を負う。

成功するデザイン・プログラムの三つの要素
・洞察(インサイト):他者の生活から学び取る
すでに私たちの身の回りにあるものを測定し、すでに私たちの知っていることを明らかにする、定量的なデータから得られるものではない。人々の実際の行動を観察することで、満たされないさまざまなニーズを明らかにする、貴重な手がかりが得られる場合がある。
・観察(オブザベーション):人々のしないことに目を向け、言わないことに耳を傾ける
観察で重要なのは、量より質だ。奇抜で意外な洞察を得るには、釣鐘曲線の末端に位置する人々に着目する必要がある。そこにこそ、異なる生き方、異なる考え方、異なる消費習慣を持つ「極端な利用者」が潜んでいるからだ。

・共感(エンパシー):他人の身になる(または他人の担架に横たわる)
共感は、人々を実験用ラットや標準偏差とは別物として考える心理的習慣である。
私たちが他社の生活を「参考」にして新たなアイデアを生み出す際に、まず、理解しなければならないのは、一見すると説明不能な人々の行動が、厄介で複雑で矛盾した世界に対処するためのその人なりの戦略であるという点だ。
「機能的な理解」
例えば、デザイン思考を病院で活用するとした場合、過酷な環境である緊急治療室の一般的な患者の身になってみる(実際に担架に横たわってみる)と患者の置かれている物理的な環境が理解できる。

「認知的な理解」
患者の旅をじかに体験することで、洞察を機会に変える重要なヒントを得る。患者は状況をどう理解するのか? 共感してこそ、その経験を改善する良い方法を思い浮かべることができる。

「感情的な理解」
人々の感情に訴えかけるアイデアを考察する際に欠かせない役割を果たす。
対象となる母集団の人々はどのような感情を抱いているのか?何に心を揺り動かされるのか?何に刺激を受けるのか?

プロジェクトを遂行しないといけない方はもちろん、これからプロジェクトを立ち上げる方などをはじめ、多くの方々にとって「デザイン思考」は大きく役に立つと思います。

「デザイン思考は、ビジネスや社会の抱える課題を解決するデザインのキャンバスを広げるものだということ」

まだ読まれていない方は、ぜひ手に取られてはいかがでしょうか。


また、「デザイン思考」を学ぶには、佐宗邦威著 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』もおススメです。
そこに書かれてある「21世紀型スキル」を修得したい方は、特に有用な本だと思います。

<21世紀型スキル>
・クリティカル思考と問題解決
・想像力とイノベーション
・コラボレーション
・意思決定と学習
・ICTとデジタルリテラシー
・コミュニケーション

「デザイン思考」も21世紀を生きる我々にとって必要なスキルだと言えますね。

この投稿をお読みいただき本当にありがとうございました。
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