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社会人の大学院進学について①

私は、社会人になって仕事をしながら大学院に進学し博士(工学)の学位を得ることができました。

私の経験等が少しでもお役に立てればと思い、記すことにします。
特に、次の方々にはお役に立てるかもしれません。

「大学生で大学院に進学しようか迷っている方」
「社会人で大学院に進学しようか迷っている方」
「既に修士課程で博士課程に進学しようか迷っている方」

結論:大学院への進学はオススメします!

特に、しっかりとした研究テーマを持っている方であれば、尚更オススメします。


<オススメ理由>

1.実用化(製品化)

私は、就職する前の学生時代の卒業研究を実用化するために、社会人になってから仕事(総合病院で診療放射線技師)をしながら大学院へ進学しました。
学生時代の卒業研究とは、「X線検査における意思疎通を支援するシステム」ですが、当時の市販されているハードウェアでは実用化することができませんでした。
それが、時を経て市販のハードウェアが進化したので「今の時代なら実用化できる!」⇒「実用化したものを製品化するには企業との連携が必要」⇒「企業に話を聞いてもらうには、信用と信頼が必要」⇒「大学院で研究をし直し博士の学位を得る」と考えて大学院に進学しました。

その結果!?
おかげさまで、素晴らしい方々との出逢いもあり、博士課程に在学中に実用化(製品化)しました!
共同研究開発したソフトウエア会社に転職して、更なるシステムの研究開発や収益金を用いた社会貢献活動(がん教育やがん検診の受診率向上等)が現在の仕事になりました。

従って、研究テーマがあり、実用化したいと考えている方にとって、大学院への進学は、実用化の可能性を高めてくれると考えます。
特に社会人からの大学院進学で仕事上の課題を解決する研究が有用だと思います。
なぜなら、自分自身が研究開発したシステムのエンドユーザーの立場にもなるので、実用的な研究を行うことに繋がるからです。

2.論理的思考の強化

研究を行うには、仮説を立てて検証を行います。
先行事例の調査は基本であり、先行事例では解決されていない問題は何なのか?その根拠は? など、様々な論文や実験データ等から論理的に組み立てて論文にアウトプットしなければなりません。
それを繰り返すことで、自ずと論理的思考が強化されます。

論理的思考は仕事をする上で重要なスキルです。
新製品開発や新規事業の立ち上げや新市場の開拓など、様々な情報を基に論理的に整理してくことで、自分だけではなく、その事業に携わるメンバーへの情報共有が円滑となり、理解促進されることで、仕事が円滑に行われることに繋がります。
また、何事も最初から上手くいくわけではありませんので、失敗した要因分析をして改善に繋げるなど論理的な思考を基にしたPDCAをまわすことで、成功へ近づいていきます。

論理的思考の強化は、本質を見抜く力の強化でもあると思います。
様々な論文や書籍を多読している内に、短時間で読めるようになると同時に書かれてあることの要点を短時間に把握できるようになります。それは、全てにおいて応用できるスキルであり、物事の本質を見抜く力も強化されることに繋がります。
約21年間、病院勤務の医療従事者だった私が、ソフトウエア会社での研究者となり、研究開発だけではなく、今ではマーケティングや経営戦略も行えているのは、マーケティングが経営戦略に関する書籍を多読して本質を理解してPDCAをまわしてきたからですので。

3.博士の学位による信用と信頼

同じことを言っていても、誰が言っているのかで、相手の聴く態度と行動が変わることがあると思います。
特に初対面の場合だと、相手とは信用と信頼が形成されていません。
仕事での初対面だと必ず名刺交換をします。
その際に、有名な大企業や役員クラスの肩書がなかったとしても、博士の学位が書かれてあれば、一目置いてもらえます
特に、海外では「Ph.D.」と名刺に記載があることが有用だと思います。
昨年、ベトナムに仕事で行った際に、会話が円滑に行うことができたことを実感しました。

博士の学位は足の裏の米粒

博士課程に進学した際に、大学院の先生に「博士の学位は足の裏の米粒だ」と言われました。
なぜなら、「取っても食えないけど取らないと気持ち悪いから」とのこと。
本当に、その通りだと思います。

私は博士課程に9年在籍(通常3年間が社会人は倍の6年在籍+転職の際などの休学3年)して単位取得退学した後の1年以内に博士論文を書いて博士の学位を授与されました。
つまり博士の学位を得るまで10年かかりました。
なぜ、そんなに時間がかかったかというと、研究内容を実用化するために博士の学位が必要と思っていたのに、博士課程進学して数年で実用化(製品化)してしまったので、博士の学位の必要性が低くなってしまったことがあります。
でも、やっぱり「博士の学位は足の裏の米粒」なのです。
「博士課程に進学した以上、取らないと何か気持ち悪い」という思いをず~としてきました。
10年目にして、ようやく取れた時には、本当にスッキリしました。
「取っても食えない(収入が増えるわけではない)」ですが….(笑)

でも、自己肯定感自己効力感は高まったと思います。
それは、拙著にも書いている通り、博士の学位を得ただけではありません。が、執筆や社会貢献活動など様々なチャレンジにも繋がっていると実感しています。

Kindle Unlimitedでは無料で読めます

ですので皆さん、大学院への進学はオススメします!

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