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“「自治体の方はもちろん、地方創生に取り組む方も必読!」”大島俊也著『自治体の産業振興担当になったら読む本』

私は、ライフワークで地方創生に取り組んでいる。
この本を紹介する前に、私が地方創生に取り組む背景を記しておきたい。

きっかけは、コロナ禍の時に、両親が暮らす故郷(五島列島)の現状をネットで調べたことから。
最初は、五島列島の医療の現状を確認するのが、目的だった。

役所のホームページは、レイアウトや構造が古く(利用するユーザーのために考えられたインタフェースになっていない。だから、目的の情報に辿り着くのが困難)、これでは、私のように、島の外に居る人だけではなく、そこで暮らす住民にとっても、必要な情報を簡便に得ることができない。

ということは、そもそも、自治体の運営(計画と実行と成果)は大丈夫なのだろうか?
と不安になった。

私は、大学へ進学を機に島の外で暮らすようになってから、数年おきにしか帰省していないが、帰省するたびに故郷の急速な過疎化を感じていた。

少子高齢化、人口減少の現状と今後の予測は、どうなっているのだろうか?

答えは、直ぐにわかった。
民間の有識者グループ日本創成会議・人口減少問題検討分科会(2014)のレポートが公表されていたからだ。
我が故郷は、九州における「消滅可能性都市No.1」だった。

「これはマズい!」
なぜなら、故郷が消滅するということはもちろんだが、五島列島は、日本の最西端に位置する国境離島地域なので、人が住まなくなることは、日本の国境を守ることもできなくなってしまうから。

そもそも、五島列島をはじめとした、地方の人口が減少する構造は、私が生まれる前から変わっていない。


どういう構造かというと、
進学や就職で故郷を離れ若者が都会へ出て行く。
その都会で得た知識と経験を活かすことができる仕事が故郷にはない。
つまり、若者が「戻らない」のではなく、「戻りたくても戻れない」のだ。

調べていくと、国としても危機的状況を予見して「地方創生」に取り組んでいる。

東京を中心とした都市部への過度な人口集中に鑑み、政府は2014年9月「まち・ひと・しごと創生法」の制定とともに地方創生を打ち出し、以後、中央、地方両政府一体となった取り組みが行われている。

だが、改善されていない。
それどころか、悪化の一途だ。

なぜなのだろうか?

各自治体の総合計画をみると、しっかり分析してちゃんと纏められている。
一方、とても教科書的であり、ほとんどの自治体の総合計画は似通っていて、あたかも、コンサルタントに丸投げしたかのようだ。
課題解決するのが目的ではなく、総合計画を作成するのが目的になっているように思える。
なぜなら、自治体の特性を活かすような血の通った戦略がその総合計画には見いだせないから。

ますます、危機感が募る。

調べれば調べるほど日本は、少子高齢化・人口減少だけではなく、エネルギーや食料、激甚災害など、様々な課題を早急に解決していかなければ、今の子ども達の未来は暗いものとなってしまうことがリアルに想像できたからだ。

私は、大学院でシステム工学分野の研究をした。
世の中の課題を既存のハードやソフトを組み合わせて、解決するのが現在の仕事である。
これまで、日本の医療課題である死亡原因1位「がん」に関する課題に取り組んできて、一定の成果をつくることができた。

そのシステム工学を地方創生に応用しよう!
と思い、地方創生活動グループを幼なじみや同級生と発足して、地方創生のアイデアを提案している。

一昨年、故郷で公募されたアイデアコンクールに応募して、我々の提案は「最優秀賞」となった。

システム工学を応用した提案なので、もちろん実現できる内容を提案している。

しかしながら、全く前に進んでいない。

なぜ?前に進まないのか?
どう伝えたら前に進むのか?
そのためには、自治体の仕組み、行政の仕組みを知らなければならない。

そう考えて、様々な書籍を読み、様々な自治体の職員とも意見交換してきた。

そんな中でも、しっかりと現状を捉えて考えている職員と出逢うことができた。
それが、この本の著者である大島さんだ。

たまたま、あるイベントに参加して、参加者同士で意見交換して、帰り道が一緒で、電車の中でも話をして、「こんなに熱い想いを持つ自治体職員がいるんだ!」と感嘆した。

名刺交換して、その方のお名前を検索すると、著書があった。
大島俊也著『自治体の産業振興担当になったら読む本』

直ぐに図書館で取り寄せて読んだところ、凄い!
自身の経験を体系化して多くの自治体職員のために纏められてあった。
それは、私が知りたかった内容でもあった。
どういう考えで、どのような業務をどのようなプロセスでどういうスケジュールで行っているのかを理解することができた。

大島さんのように、志を持ち自治体職員として尽力されている方々は、居られると思います。

だからこそ、その力をフルに活かしてもらえるように、自治体職員をはじめ、地方創生に取り組んでいる方々には、ぜひ一読してもらいたいお薦めの書籍です!。
大島俊也著『自治体の産業振興担当になったら読む本』


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