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気になる将来の年金財源は?「マクロ経済スライド」を解説

毎年頻繁に改正される「年金」ですが、そもそも仕組みが難しいですよね。

社会保険労務士のようなプロでも改正があるたびにクライアント先の相談で的確なアドバイスが難しいものです。

「年金は将来もらえない、から投資しよう!」

と漠然と思う方で「なぜそう思うのか?」一つ年金制度を理解した上で改めて「本当にそう思うのか?」を考える機会になるように

年金制度の一つ「マクロ経済スライド」を解説します。

◼️そもそも何故「将来もらえない」と思うのか

何となく社会保障費が圧迫していることは頭では分かりますよね。

会社員になれば、社会保険料として給料から9%ほど引かれます。

労使折半で約18%を毎月月末までに支払いするので企業として資金繰りに肉薄しています。

企業は半分を「[法定福利費]として経費処理します。

この社会保険料は、国の財源となるため歳入になります。

2024年度ベースで行くと歳入は約80兆円です。
すごい額ですが、人々に公平に分配するには、それでも足りず公費54.7兆円を借りています。

少子高齢化というのは、働く人口が減少して高齢者が増えるため年金給付が増加して財源が足りなくなります。

よって破綻して「将来はもらえないのではないか?」という考えに繋がるわけです。

■年金給付を抑える「マクロ経済スライド」

通常、賃金が上昇して物価が上昇すると年金給付も合わせて増加します。

これは、物価が上昇した場合、年金給付も増えないと年金受給者はモノ・サービスを消費しにくくなるため、その時代に合わせて年金給付額が決定します。

ただし、年金給付が増えると、財源確保に働き世代の社会保険料の納付額も上昇してしまうために「賃金や物価の上昇よりも年金給付の上昇を抑えよう」という働きがかかります。

これを「マクロ経済スライド」と呼びます。

近年デフレ脱却、物価の上昇から
今までほとんど発動しなかったマクロ経済スライドでしたが発動して話題になってますね。

計算方法はありますが簡潔に「こんな制度あるんだ」くらいにして

経済の背景が分かれば将来の年金について考える要素になりますね。

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