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うみ

海は広いな 大きいな 月がのぼるし 日が沈む
海は大波 青い波 揺れてどこまで 続くやら
海にお船を 浮かばせて 行ってみたいな よその国


夏、海と言ってすぐに思い浮かぶ三拍子のこの歌「うみ」ですね。


太平洋戦争が始まった昭和16年(1941年)に発行された教科書に、この歌は掲載された。尋常小学校は国民学校に名称が変更され、教育課程も新しく制定され、それに伴い唱歌の教科書の内容も大きく変わった年でもある。戦時下の日本では、戦勝を願う、昇る太陽(日の丸)は日本の象徴だった。「日ガ シズム。」の歌詞があるにもかかわらず軍指導部の検定を通っている。(「池田小百合なっとく童謡・唱歌」HPより抜粋



おおらかなテンポと三拍子の優雅な曲調は1年生で習って以来、今でも心に残っている。海を見ると自然と口ずさんでしまうほど馴染み深い。短い詩に隠された「戦意」を思うことはなく、私の「うみ」は「あこがれ、夢」だった。今の小学一年生もまた、海のように広がる夢を思い描きながら歌う。童謡「うみ」誕生から76年。終戦から72年。歌い方、思い、海の情景は変わっても歌いつがれている。


7月17日 海の日。

わが国と国々をつなぐ海。いま、自分と人、地域、世界、未来をつなぐものは何だろう。手紙、電話、回覧板、情報誌、ネット、「まなび暮らす」・・・。歌に込められた(かくされた)時代の世相はともあれ、時を越えて子どもらに歌いつぎたい歌がある。私のつぶやきと共に「あの歌のひみつ」で紹介していきたい。


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