お客様からの問い合せでドキドキな一瞬がある。
それは、電話である。苦情かもしれない。そんな恐怖の中、笑声で電話に出るのである。ある日電話が鳴った。
「お電話ありがとうございます」お客様の第一声。
「あのぉほんとうにすみません」と柔和な声。
少なくとも苦情ではなさそうである。続けて「今日お電話頂いてしまったのに出られなかったんです。ほんとすみません」電話の向こうで受話器を持ちながら頭を下げている姿が想像できる。このヒト絶対いい人だ。本を注文されていたのだろう。
「注文されていましたか?」と伺うと「はい、しております」