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敬語の基本②:敬語のつくりかた

敬語の作り方には、大きく次の2種類があります。

  1. 一般形(添加式)

  2. 特定形(置き換え式)

一般形(添加式)は、一般の動詞に敬意を表す言葉を付け加えて作ります。基本的にどの動詞でも機械的に当てはめられますので、簡単に作れます。

特定形(置き換え式)は、一般の動詞を敬意を表す特別な言葉と丸ごと置き換えて作ります。こちらは、機械的とはいきません。あらかじめ一般の動詞と特定形の動詞の組み合わせを心得ておかないといけないので、この記事でサクッと覚えてしまいましょう。

この記事では、これだけは覚えておきたい敬語のつくりかたのルールを、簡単にわかりやすくご紹介します。

では、尊敬語、謙譲語、丁寧語の主な作り方を具体的に見ていきましょう。

尊敬語の主なつくりかた

一般形(添加式)

一般の動詞に、次の1,2のような言葉を付け加えると、尊敬表現になります。

1. お(ご)〜になる、お(ご)〜くださる

  • 読む→ お読みになる/お読みくださる

  • 教える → お教えになる/お教えくださる

  • 出席する → ご出席になる/ご出席くださる など

2. 〜れる、〜られる、〜なさる

  • 読む → 読まれる

  • 教える → 教えられる

  • 出席する → 出席なさる など

特定形(置き換え式)

一般の動詞を、敬意を表す特別な言葉に丸ごと置き換えて、尊敬表現にします。

  • 言う → おっしゃる

  • する → なさる

  • 見る → ご覧になる

  • 食べる → 召し上がる

  • 知っている → ご存じ

  • 行く・来る・いる → いらっしゃる など

謙譲語の主なつくりかた

一般形(添加式)

一般の動詞に、次の1,2のような言葉を付け加えると、謙譲表現になります。

1. お(ご)〜する、お(ご)〜いたす、お(ご)〜申し上げる

  • 待つ→お待ちする/お待ちいたす/お待ち申し上げる

  • 連絡する→ご連絡する/ご連絡いたす/ご連絡申し上げる など

2. 〜(さ)せていただく

  • 使う → 使わせていただく

  • 復唱する → 復唱させていただく

  • 延期する → 延期させていただく など

よくある間違いですが、「使わさせていただく」はNGです。

特定形(置き換え式)

一般の動詞を、敬意を表す特別な言葉に丸ごと置き換えて、謙譲表現にします。

  • 言う → 申し上げる/申す

  • する → いたす

  • 見る → 拝見する

  • 食べる → いただく

  • 知っている → 存じ上げる/存じる

  • 行く・来る → 伺う/参る

  • いる → おる など

丁寧語の主なつくりかた

一般形(添加式)

1 「です」「ます」「(で)ございます」

  • 時間だ → 時間です

  • 出かける → 出かけます

  • 寒いです → 寒うございます など

2 「お」「ご」

  • 天気 → お天気

  • 昼休み→ お昼休み

  • 馳走 → ご馳走 など

気をつけよう

いくつか注意すべき点をお話しします。併せて覚えていただくと、さらに完璧です。

尊敬語

まずは尊敬語で気を付けるところを2点紹介します。

①「お(ご)…くださる」

尊敬表現であるとともに、「有難い」という感謝の気持ちを伝えることができる表現です。これに「して」を入れてしまう人が多いので、要注意です。「して」を入れると謙譲語となり、せっかくのあなたの気持ちが伝わりません。

【例】

・届ける→お届けくださる

〇 木村さんが先程お届けくださいました
❌ 木村さんが先程お届けしてくださいました。

・案内する→ご案内くださる

〇 お忙しい中、ご案内くださり、ありがとうございます。
❌ お忙しい中、ご案内してくださり、ありがとうございます。


②「お(ご)…になる」>「…(ら)れる/なさる」

「お(ご)…になる」の方がより丁寧な表現とされています。

相手や状況に応じて使い分けましょう。

【例】

〇〇さんはすでにお帰りになりました。 > 〇〇さんはすでに帰られました。

謙譲語

「お(ご)…する」<「お(ご)…いたす」<「お」ご…申し上げる」

この順に自分をへりくだる気持ちが増し、より敬意を表せます。

相手や状況に応じて使い分けましょう。

【例】

お待ちしておりました。
お待ちいたしておりました。
お待ち申し上げておりました。 ~ 最も丁寧な表現です


注意:「…(さ)せていただく」

便利な表現で、よく使われますが、少し注意が必要です。
もともと許可を取って何かをするときに使う表現ですので、話をしている相手の許可を取る必要がないことには使わない方がいいようです。

【例】

❌ 本日、〇〇は休ませていただいております。
◯ 本日、〇〇は休んでおります

❌ 私は、〇〇大学を卒業させていただきました。
◯ 私は、〇〇大学を卒業いたしました


特定形(置き換え式)の方が丁寧

特定形(置き換え式)の表現の方がより敬意を含んだ丁寧な表現です。

相手や状況に応じて使い分けましょう。

【例】

・〇〇さんが来られました。 < 〇〇さんがいらっしゃいました。
・〇〇をお見せしましょうか。 < 〇〇をご覧に入れましょうか。

まとめ:基本の作り方をおさえよう


今回は、敬語の主なつくり方を紹介しました。

  • 尊敬語・謙譲語は、一般形(添加式)と特定形(置き換え式)があります。

  • 丁寧語は、一般形(添加式)です。

  • 特定形(置き換え式)は、対応する言葉を覚えておく必要があります。

  • 一般形(添加式)と特定形(置き換え式)では、特定形(置き換え式)の方が敬意の度合いが高く、より丁寧な表現です。

丸暗記するよりも、基本から理解したほうが近道です。

ぜひマスターしてくださいね!

\この記事を動画で解説しています/

敬語を使いこなそう! Business Japanese & Keigo

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