マーケターがやるべき「ビジネス理解」の考え方
広告やマーケティングの戦略・クリエイティブを考える際、他の人に負けない強みは、ありますでしょうか?
「ユーザー理解に長けてる」「広告にとどまらない施策を考えれる」「ダイレクトレスポンスなどの特定領域に強い」・・受託業であれば、「お客様に寄り添い伴走します」なども挙げられますね。
すべて魅力的な強みであることに間違いないですが、今回取り上げる「ビジネス理解」も、"強みの1つ"に加えていただきたいと考えます。
「ビジネス理解」の定義としては、下記とさせていただきます。
事業会社内で、マーケティングやクリエイティブに関わっている人は、ビジネス理解が必須かつ重要ですね。
そもそも、インハウスでマーケティングやデザイン業務を行うということは、"高度なビジネス理解の上でのアウトプット"を求められています。
支援会社 (広告代理店など) という立場の方は、事業会社にいる方よりも、「ビジネス理解」を行う機会が少ないため、この力をつける事は比較的難しくなります。
そのため、「ビジネス理解力」を身につけ、施策に活かせるようになることで、"周りに差をつける強み"にすることができます。
事業会社が支援会社を見つけるとき、"自分たちのビジネスをしっかり理解してくれているかが重要"なんてこともよく聞きます。
今回は、重要かつ周りと差をつけれる「ビジネス理解」について、マーケターや広告運用者,クリエイティブディレクターが行うことに特化した"不変的な"考え方・方法について解説をしていきます。
事例を用いる・図解する等で、わかりやすくすることはもちろん、ビジネス理解を行った結果、"施策やクリエイティブにどう反映されるか"まで説明しますので、実践的な内容になっています。
この記事の目標
「マーケティングに関わる人が、多くのサービスにおいて、ビジネス理解を正しく網羅的に行い、施策に落とし込むことで、周りと差をつける」
その後、下記のような成果を得ていただけることを想定しています。
自身の新しい強みの創出、市場価値の向上
既存プロモーションの数値改善や配信拡大
新規提案時のずれを最小限に抑える
(特に支援会社の場合) ヒアリング力の向上
次パートから、本題に入っていきます!
「ビジネス理解」のポイント
下記の観点から、それぞれ理解を深めていきます。
商品・サービス
ビジネスモデルの理解
既存顧客の特徴理解
既存顧客のLTVの理解
目標と温度感の理解
市場
業界や界隈特有の考え方・習慣・言葉の理解
業界の時事の理解
需要増減タイミングの理解
大分類は3C (Customer・Company・Competitor) のCustomer・Company領域をイメージいただいてOKですが、メインとなるのは、商品・サービスの理解 (Company) になります。
※前回執筆の記事 (「誰に」「何を訴求するか」クリエイティブ戦略の考え方) でも3Cについて記載していますが、テーマが違うため、執筆内容は異なります。
商品・サービス
ビジネスモデルの理解
まずは、基本中の基本。担当サービスのビジネスモデル、つまり収益構造を把握します。「関わる人・企業」「モノ」「お金」、これらがどのような関係にあり、マネタイズを図っているか。
実際に作成するまでしなくてもOKですが、下記のような図を頭で想像できると良いです。※例として、買取サービスを用います。
多くの人にとって、仕入れサイドのイメージはつきやすいかもしれません。しかし、販売サイドでヤフオクが用いられるケースが多いことや、買い取った商品を自社運営の別サービスに流している場合もあることは、把握していない方も多いのではないでしょうか?
買い取った商品を、自社運営の別サービスに流す例としては、"トレーニング機器を買取り、自社が運営しているジムでその機器を使う"などです。
この「ビジネスモデルの理解」が、買取の広告施策に活きる具体的は下記。
買取対象商品の中で、ヤフオクで高額取引が行われている商品 (≒大きな利益を狙える) を確認。具体的な商品ジャンル・ブランド・売られ方・状態の傾向を踏まえ、利益が狙えるクリエイティブやリスティング広告のKWを考案。
自社運営の別サービスで必要となる商品は、ヤフオク売却以外のルートがあるため、なるべく数を多く買い取りたい。ゆえに、CPAが合う際は、どんどん配信を強化。また、広告クリエイティブやLPでも、注力商品としてアピール。
事業の解像度を上げることで、本質的な施策を行うことができますね。
今回は、買取サービスを例としましたが、他のサービスにおいても、ビジネスモデル全体を把握しきれていないケースや、把握することで打ち手が変わってくるケースは多数あります。
1つ目の観点は以上。
「ビジネス理解の重要性」「ビジネス理解によって、周りと差をつける」ことの具体をイメージしていただけましたでしょうか。
既存顧客の特徴理解
続いては、「既存顧客」にフォーカスしていきます。
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