仮想断面って?—材料力学の雑談
材料力学の本を買って、
ペラペラペラとページをめくってみると、
仮想断面なるものが出てくる。
仮想断面?
仮想だから、現実(本物)ではないのか?
断面とあるから、円柱だったらまるになるのか?
など、色々思考を巡らせる。
実際に、仮想断面とは、
実際に切断されていない断面なのだが、
実は、後々になるとこれが案外厄介になってくる。
しかし、これが材料力学では最重要概念。
棒を一本想像してほしい。
その棒は太く、地面に立てておくことができるようだ。
地面に立てることができて満足していると、
その棒の上にとんでもなく体重の重い男性がのってしまった。
一瞬びっくりしたが、まあ大丈夫だろうと放置していると、
棒が上に乗っている男性に耐えられなくなったのだろう、
徐々に変形してしまっている。
この場合、高校物理では力が、
棒にはたらいて、反力が地面から・・・などとする。
実際そうなのだろうが、それで力がつりあっている!
等といってもこの場合使い物にはならないだろう。
(まあ、高校物理では変形が起こらないと仮定しているから、それしか考えなくてもいいのだが・・・。)
あの棒は、棒の内部でどのような力がはたらいて、
もげてしまったのだろうか?
それが知りたいとは思わないだろうか?
そのためには、
まずその棒がどれくらいまでの重さに耐えられるのか
というのを知りたくなる。
それが分かれば、男性の体重と照らし合わせて、
壊れた理由が一つ分かる。
しかし、よくよく見てみると、
棒は男性が乗っているところから変形していっているわけではなかった。
ん?
ここで疑問が出てくる。
男性の重たさで変形してしまったのだから、
男性が乗ったところから変形しないとおかしいではないか?
いいや、確かに理論ではそうなりそうな気がしなくもないけど、
流石にそこだけ変形するのはおかしいだろう。・・・確かに。
このように、棒の変形については色々考察をすることができる。
だけど、どれも推測の域を出ない。
だって、それって棒の中でどうなっているかって問題でしょ?
棒の中なんて見えない。
じゃあどうするの?
分からないの?
となったときに、仮想断面という考え方が便利になる。
仮想断面とは、実際に切っていない。だから、見えない。
だけど、想像の中で切ってみる。
そして、その断面をちょっと考えてみようってこと。
え?断面を考える?
円柱だから・・・垂直に切ったら円で、斜めに切ったら放物線か・・・えっと、楕円かな・・・。みたいな?
それで、どうしよう?
簡単に考えるために、中心の軸から垂直に切ってみよう。
すると円が現れる。(実際に切ったわけじゃあない)
で、ここからなんだけど、
馬鹿なことを考えてみたいと思う。
それは、仮想断面では、実際に切ってない・・・けど、頭のなかで本当に切ってみてほしい。え?おかしいって?当然だ。目の前にある棒は何一つ切れていないのだから。
まあ、切れている切れていない論争はこれくらいにしておいて、頭の中に切れている棒を準備すると、何かおかしなことが起こってしまう。
だって、棒の上にまだ体重の思い男性が乗っているんだよ?
これじゃあ、だめだ。
もち上げないと。
よいしょよいしょと持ち上げる。
とんでもなく重いから、すごい力を使ったよね?
しかも、その男性が乗っている棒を持ち続けようと思ったらずっと力を使い続けなくてはならない。
なんだ、さっきまで棒の下にあった地面みたいじゃないか。
ということは今は、棒を支えている手にさっきまで地面にかかっていた力がかかっているということなのか・・・。(棒の自重を考慮しなければ)となる。
次に、今持っているところをもとに戻して、べつの場所で切ってみよう!
すると、どこで切っても一緒じゃないか。となる。
→ということは、棒の中のどこでも同じだけの力がはたらいているということなのか?
続く
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