【榊萌美】CREATORS INTERVIEW #03
こんにちは。BANGのマナベです。
この記事は、新しい価値を生み出す人=クリエイターと定義し、毎回様々なゲストの方にアイデアについて語ってもらうインタビューシリーズです。
さて今回のクリエイターは、元ギャルでありながら実家の和菓子家を継ぎ、独自のアイデアでお店の経営をV字回復させた榊萌美さんです!今や各メディアにひっぱりだこの彼女のクリエイターとしての側面に迫ります。
INTERVIEW
――まずお名前を教えてください。
榊氏(以下榊):榊萌美、27歳です。
――お仕事は何をされていますか?
榊:埼玉県桶川市にある創業135年の和菓子屋を営んでいます。ちまたでは「和菓子屋をかの 6代目女将 榊萌美」として活動しています。
――今までに「これは閃いたな」と思うアイデアや、「これはヒットだな、よく考えついたな」というエピソードがあれば教えてください。
榊:商品を作る上で閃くことは結構あるのですが、その中でも一番は皆さんもご存知の溶けないアイス「葛きゃんでぃ」ですね。
もともとは返品になってしまうゼリーのロスをなくすことを考え、挑戦しては失敗を繰り返していたのですが、初めてゼリーを凍らせてアイスにするという変換をしたんです。
変換してすぐにヒットしたわけではなかったのですが、時間が経ってヒットして、アイスのお陰で会社を立て直したという経緯もあるので、私の人生で一番大きなターニングポイントになったと思っています。
――ゼリーを凍らせることを思いついたきっかけはあったのですか?
榊:きっかけは母と話しているときでした。母から「ゼリー好きだったのに、なんで食べなくなっちゃったの?」と聞かれたときに、「いや、私はゼリーが好きなんじゃなくて、凍らせたゼリーが好きなんだ」って話をしてたんです。
そのときに「ハッ」とコンビニでアルバイトしていた経験を思い出したんですね。アイスは凍らせれば賞味期限が消えるという概念をアルバイトのときに知ったんです。
そこで「凍らせれば売上が伸びるのでは?」と考え、そのまま葛を取り扱っている問屋さんに電話して、葛アイスができることを確認しました。
ちょうどそのとき10万人以上が集まる大きなお祭りが桶川市であったので、そのときに販売してみようと。いざ蓋を開けてみたら2日間で1000本売れたんです。1日1個も売れなかったゼリーが、2日で1000本売れるアイスになった。「これは良い」と商品化しました。
――萌美さんがアイデアを考える時にはどんなことをしていますか?
榊:私は人と会話していると「ハッ」と気付くことがすごく多いんです。自分が言葉にして伝えることで思考が整理されて「私はこう思っていたんだ」「これがやりたいんだ」というのが会話しながら浮かぶんですね。ですから1人で考え込むよりも誰かと話している方がアイデアが浮かびます。
――いわゆる「壁打ち」ってやつですね。
今まででどんな時に閃いたことがありますか?
榊:やっぱり人と話しているときが多いですね。話をしながら頭で別のことを考えているので。
――ちなみにどなたと話しているときに閃くことが多いですか?
榊:私がいつも一緒に仕事をしているエイコって子がいるんですけど、その子と話しているときが多いですね。
――気のおけない仲間ということですね。
逆に悩んだ時にすることはなんでしょうか?
榊:決まった人ではなく、たくさんの人に話を聞きます。例えば自分が何かに悩んでいたら、10人の人に今までどうしてきたかを聞いてみます。その中で自分に合うものや、取り入れられそうなものを少しずつもらって、悩みを解決することが多いですね。
――萌美さんは徹底して人を巻き込むんですね。
榊:はい。いつもたくさんの人が巻き込まれてると思います!(笑)
――萌美さんの人柄ならではですね。
では集中したいときにはどんなことをしますか?
榊:自分を追い込みます。期限を守れないタイプなので、期限をギリギリに設定して、やらざるを得ない状況にしないと集中できないんですね。あとは物ごとを楽しいように考えます。
例えば暗記ものがあれば、音楽をかけてリズムに乗って覚えるとか……集中しなければいけないことを遊びに変換しないと物ごとが進まないんですね。
――ポジティブですね。
逆にリラックスしたいときにすることはありますか?
榊:自然のある場所に行きますね。森とか海とか……べつに土手でも良いんですけど、自然のあるところに行って、心の健康を考えます。
――それは大事なことですね。
最後に今後の抱負やビジョンについて教えてください。
榊:「足るを知る」ですね。
――「足るを知る?」もう少し詳しく教えてください。
榊:「自分の幸せとは何か」みたいなことをよく考えるんですけど、結局自分という人間は死んだらなくなるじゃないですか。
お金持ちになるとか、成功したとか、そういうことに私は喜びを感じるタイプではないなと思っていて。
幸せって人それぞれなんですけど、人間は生きていく上でいろいろな人と関わったり、他人の成長を見たりすることで、何か他人と比べてしまう。自分軸ではなくなってしまう。
そうすると、そこに追いつかなきゃいけないような気がして、自分の幸せが見えなくなってしまう。私はそこを絶対にブラしたくないと思っています。
何と言うか……みんなの幸せをちゃんと安定してできるような仕組み作りをする。これが今の目標です。
――ありがとうございました。
PROFILE
榊萌美
Moemi
和菓子屋をかの六代目女将
埼玉県にある創業明治20年の和菓子屋をかの六代目女将。代表商品は溶けないアイス『葛きゃんでぃ』。和菓子の入り口を拡げたいをコンセプトに、今年和菓子の新ブランド「萌え木」を立ち上げた。
それでは次回をお楽しみに!
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