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92本目『リスのコールタール騒動』Out on a Limb 1950年【ドナルドダック主演作をすべて観る】

監督:ジャック・ハンナ/公開:1950年12月15日

あらすじ:

 植木屋のドナルドは、無駄な木の枝を切りながら、切った枝の切り口にコールタールを塗る作業中。コールタールは黒くベトベトの物質で、たまたま木の上でドングリの収穫に励んでいたチップとデールはコールタールに触れて体の自由を奪われるわ、枝を切られてドングリの収穫はストップするわで大激怒。ドナルドはドナルドでチップとデールをさらにイジメてやろうと、植木ばさみを自在に操り、襲いかかるのであった。

コメント:

 1本の木の上と下で両者が攻防を繰り広げるシンプルな作品。なぜドナルドが働いているところにチップとデールのねぐらがあるのかという問題についてはいつものことなので置いておくとして、ドナルドが木の下で操作し、チップとデールの前で怪鳥のような振る舞いをする植木ばさみと、ゴムのように伸び縮みしてチップとデールをしつこく困らせるコールタールの描写キレたドナルドが芝刈り機に載って木に登っていくメチャクチャな場面あたりが見どころと言えるが、全体としては他愛のないドタバタに終始した内容だ。強いて言えばラストのドナルドのやられ方が、人だったら確実に死んでいるレベルの残虐さであるというところか(それとてドナルドvsチップとデールの戦いにおいてはそう珍しいことではない)。だいたいコールタールというものに現代人はまったくなじみがない。昔(50~60年前)はよく木の電柱などに防腐剤やコーティングのために塗られていたらしい。アスファルトにとってかわられるまでは道路の舗装にも使われていた。現在は発がん性のある危険な化学物質であることが知られるようになり、昔ほどはカジュアルに使用されなくなっている。

備考:

・ディズニープラスに配信あり。画質が良すぎて驚く。

・RKOピクチャーズのクレジットが入ったオリジナルのオープニング、エンディングはこちら。


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