115本目『クマの冬ごもり』Bearly Asleep 1955年【ドナルドダック主演作をすべて観る】
前回：
あらすじ：
自然公園のパークレンジャー（自然保護官）になったドナルドは、公園に住むクマたち（やたら文明慣れしている）を冬眠させるために軍隊同然の厳しいしつけでほら穴に誘導するが、ぐうだらなクマのハンフリーだけは寝相が悪かったりイビキがうるさかったりして仲間たちから追い出されてしまう。冬眠に失敗したクマの執念はすごい。ハンフリーはドナルドの家のベッドに目を付けるのだった。
コメント：
チップとデールのシリーズに引き続いて、ドナルドの被害者キャラが炸裂しているハンフリーとの共演作。本数はそれほど多くないが、ハンフリーの巨体のおかげもあっていつもアクションがダイナミックでよい。クマの集団が横並びになったりするのはシネマスコープのサイズを考慮しての演出だろう。ハンフリーの「気のいいヤツかもしれないが、一緒にいると超めんどくさい」というキャラクター設定がとてもよく出ている。
自分のシリーズではいろいろな職業に挑戦しているドナルドだが、正式な設定としては軍人らしい。確かに海軍の水兵の格好が彼の普段着だ。号令のかけ方など、割と普段の仕草なども軍隊式。『総統の顔』（1943年）などのような戦時中の作品でなくても、ドナルドの周りに感じる戦争の影みたいなものを他の作品からも読み取ってみたい。
備考：
・『クマ公の冬ごもり』という旧邦題もある。
・ディズニープラスに配信あり。タイトルはなぜか原題そのまま『Bearly Asleep』。
・シネマスコープ作品。のちにスタンダードサイズに再構成してタイトルバックを差し替えたバージョンも存在する。