「おもしろい」ものを無料で見れるありがたさ。
以前もnoteで書いた、最近毎週欠かさず必ずタイムフリーで聴いている、「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」。
「ゴッドタン」などを手掛けた元テレビ東京のテレビプロデューサー、佐久間宣行さんがパーソナリティを務める番組で、
タレントではない、この春まで一会社員だった人らしく、
ほのぼのとした家族トークや仕事トークもありつつも、
ちゃんとエンタメの最前線のことも余すことなく知れる楽しい番組で。
その番組のイベントが配信されたのを、
今日も今日とて、配信期限ギリギリで見たのですが、
いや〜、期待に違わずおもしろかった…!
「チケット買ってくれた人を信頼している」という佐久間さんの言葉通り、
電波に乗る放送では絶対しゃべれないであろうエピソードトーク満載だし、
番組で言ってたコーナーとかVTRとかもちゃんと出てきてるし、
普段から放送聴いてる身としては、めちゃめちゃ楽しめる配信でした。
2時間スキマなく、めっちゃ楽しかった…!
でも、ゲストも豪華だし、すごいスペシャル感あるイベントだったけど、
一方で「いつもの放送」っぽいテイストも全然失われてなくて、
なんなら「これって公開収録かな?」ぐらいに、いつもの楽しいエンタメトークが繰り広げられていて。
「逆に、普段はこのおもしろいトークを週1で、しかもタダで聴けてるなんて、実はめっちゃすごいことなんじゃん…!」
というのが、イベント見終わってまず感じた感想でした。
そう考えると、テレビとかラジオみたいな、旧来型のマスメディアって、散々オワコンだなんだって言われるけど、
奇跡的というか、ありがたいことなのだなあ、と。
イベント中も、これからNetflixで配信になるコンテンツの話が出ていて、
確かにNetflixとかHuluとかアマプラとか、オンラインでの配信コンテンツがここ数年ですごく勢いが出てきて、
地上波では見られないような、おもしろいコンテンツがたくさん世に出てきたのは良いことではあるのだけれど、
一方で、そういうコンテンツってもれなくちゃんと有料ですよね。
今までみたいに「テレビをつけたら何かおもしろいものがやっている」という世界が完全に過去のものになってしまう、
「本当におもしろいものはいちいちカネを払わなければ見れない」世界が、遠くない未来に本当に来てしまうんじゃないか、という恐怖も感じてしまいました。そうなったら嫌だなあ…。
佐久間さんは「作り手」としての話もたくさんしてくれるので、
自分たちが作る番組・イベントの内幕も放送で話してくれていたのですが、
ラジオ番組もそれ単体としてだけで十分に収益を上げていくのって、このご時世だとやっぱり難しくて、
幾度の改編を乗り越えて長く番組を続けていこうと思ったら、ただ毎週の放送をやるだけじゃなくて、こうやってイベントとかをやる、
しかもそのイベントで入場料をとるだけじゃなくて、ちゃんとグッズを売るみたいなところまでやらないと、番組をつないでいくことができない。
そう考えると、
毎週の楽しみがこうやって公共の電波に乗り続けるためにも、
ちゃんとこうやって然るべきタイミングでは、ちゃんとお金を払っていかないといけないし、
普段無料で楽しめるところでは、
そのありがたさをかみしめながらちゃんと楽しむのはもちろんだけど、
Twitterでつぶやくとか、
「おもしろい!」を伝播していく、広げていくこともちゃんとやる。
そうやっていくことが、「好きなもの」「おもしろいもの」をなくさないために、リスナー側に必要なことなのかなあ、と改めて感じました。
これだけ人々の趣味や価値観も、メディアの種類も多様化した世界では、
「おもしろいもの」はテレビの向こうから勝手にやってくるのではなくて、
好きなもの、なくなってほしくないものは、能動的にちゃんと守っていかないといけない。
それは一見大変なことのようだけど、自分たちがおもしろいと思うものに、間接的にでも画面のこちら側にいる我々も関わることができると考えると、それはそれで素敵な世界なんじゃないかな、とも思います。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?