西土 まな

詩を書きます

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人鳥

青い世界で、血を見たんだ 鮮やかで、気味が悪かった 浮かび上がるソレ 無防備に水中へ 嘴には生臭いアレ 魂は何処 器は此処に 夜まで待てない 微笑みは月のよう ガラス越しの君は いつだって破壊者 傍観者の僕は 暗闇にそっと目論む

    • できない

      胸に刺さったあの人の言葉 大きな声で歌っても すぐには消えてくれないね 朝起きて昼働いて夜泣いて 時計は2時あの人の言葉は 廻るぐるぐる廻る あの道を曲がったら 知らない君に出会えて すべてが上手くいく そんな気もしなくて 月明かりが照らす 緩やかにムラサキ 淀んだ僕 冷やし溶かしていくよ 月の魔法とやらに 踊らされた僕 大切なカーネーション ぶら下げて 会いにいくよあなたのところへ あの道を曲がったら 知らない君に すべてが上手くいく そんな気もしなくて 知ら

      • Move on

        失った悲しみ そんなもの最初から無い 生まれた意味など 考えるより先に 目の前の現実を飲み込め 若い肌に刻む刻印が いつしか足枷にならぬよう 一秒たりとも無駄にしない 繰り返していく 惰性に埋もれるな 彩やかな花は私を貶める 煌びやかな世界が 闇を照らすことはない 朝になり囀る声は 愛する者たちの灯火、命 燃やそう だけど 冷ややかに しなやかに 時に激しくも この心音に委ねる

        • フレネミー

          あら よく似てる あなたとわたし どっちが高けりゃぶつかるし どっちも低けりゃみなごろし 赤ちゃんがいるのわたし あなたから生まれた赤ちゃんが わたしの血と肉でできた赤ちゃん わたしたちよく似てる 似ているはずよ 憎しみがどこから生まれたか それはどうでもいいの ただ鮮明に見えるのは あなたの恨めしそうな瞳、 口もとから溢れる薄ら笑み 悪いことしましょう 抗えるから いいことしましょう 繋がれるから ママが言ってた 友達は大切に

          どこでも住めるとしたら

          どこでも住めるとしたら 私はあなたの記憶に住みたい 歯に噛んだ笑顔の先に 私というジオラマを置いて どこでも住めるとしたら 私はあなたの絵に住みたい 桜の咲いたあの坂道の先に 私という卒業通知を置いて どこでも住めるとしたら 私はあなたの心に住みたい 幾度となく流れ墜ちる涙の先に 私という花を置いて #どこでも住めるとしたら

          どこでも住めるとしたら

          SNS

          押し殺してた悲しみが 憎悪に変わる 無くしたはずの鍵が 尖ったナイフに変わる 消えたりしない 託された想いが 時空を超えて 薄着の主人公に マッチが渡されて でも救われない そいつは炎に包まれた 不特定多数の興味本位が 今日も誰かを殺す 失敗じゃ済まされない 一言一句残るから 記憶から溢れ堕ちて 灰になっても

          幸せ感じた数だけ 1人になると感じてしまう 孤独、抜け出せなくて 今になってわかる 許せない過去 バイオレンスの大きさ アンバランスな自分が 均一な愛を求める 身勝手さに ふと、あの日の雪が積もる

          寝室

          幸せ感じた数だけ 1人になると感じてしまう 孤独、抜け出せなくて 今になってわかる 許せない過去 バイオレンスの大きさ アンバランスな自分が 均一な愛を求める 身勝手さに ふと、あの日の雪が積もる

          ゾンビガール

          醜くて汚い私は  綺麗なあなたに見惚れているのです 鮮やかな花に 悲しみを閉じ込めて  戒めて 喜びに変えているのです 歩く速度は気持ち悪いほどゆっくりです  腐敗した体は緑です ああ 貴方にとっては恐ろしい怪物 ああ 私にとっても救われない産物 昨日から思ってるこの想いは永遠 歩けば忘れる 私はzombie  girl 幸せな時も病める時も  ずっとずっとそばにいるよ 退屈な夜も騒がしい朝も  ずっとずっとずっとそばにいるよ

          ゾンビガール

          白い顔の悪魔

          何故そんなふうに笑うの 綺麗な声でそっと こんなに意地悪なのに 美しく思うの あなたは私に憎しみをくれた 甘い紅茶と私のリテラシー 創造者はあなた 黒く染まったあなたの内側に 切り取って薔薇を敷き詰めたよ それは私の願いにすぎない 荒ぶ風が吹く午後 堕ちる日をただ眺めた こんなはずじゃなかった 表裏一体 夢が崩れた

          白い顔の悪魔

          独学

          ベランダに鴉の羽 萎んだ蕾と堕ちたハイビスカス 器用に生きる君には見えない きっと見えない 僕はしょうもないなあ 口を滑らす鳩の目 何もしなくてもわかるよ 僕は不幸だ バスを待ちながら孤独に苛立つ 何かしよう何かできるはず そう思っては石の上 KISSの温度から流れ込んでくる 色とりどりのアレ 流星みたいな空模様 綺麗な花を写真撮って 僕だけのものにすることも 許されないこんな世の中 狂っちまえ 喉が渇いて、対価を払って 潤しても心は寒くて寒くて この目に映る

          さみしさはあなたが教えてくれた

          さみしいなんて知らなかった あなたが教えてくれるまで ずっと独りだったから ずっと独りで生きている そんな気がしてたから あの闇を抜けて なにか生まれるなら 燦々と揺らめく太陽は 来る日も来る日も 輝き続ける だけど眩しさとともに この鮮明に焼き付いた 愛しさだけが 離れてはくれないのです さみしさはあなたが教えてくれた 私の太陽

          さみしさはあなたが教えてくれた

          もうあなた無しでは居られなくなる

          もうあなた無しでは居られなくなる この音楽が雑音に聴こえても もうあなた無しでは居られなくなる 感性と感性が寄り添うとき 一時の歪みに似た 重なりとは違う 白く幸福に満ちた 狂想が生まれる 祝杯しようカンパネラ この何色にも満たない 空白の星と星との間に 祝杯しようカンパネラ 寒くて仕方がない、 甘くて苦い想い出に

          もうあなた無しでは居られなくなる

          ガラスの無い窓

          そんなつもりじゃなかった よく犯罪者が言うけれど 犯した罪の分だけ 空に近づけるなら それはもう計画的犯行 救いようのない精神 誰かを欺いて楽になるんなら 私は誰かに心底騙されて 偽善者のフリをしよう この窓にはガラスがない 雨も雪も銃弾も 全て 受け止めて 全て土に還せばいい そうしてまた 生まれ来るのだから

          ガラスの無い窓

          手紙

          昨日 あなたに宛てた手紙は行方不明 新しく買った便箋と 少しインクの滲んでしまう そんな想いで綴ったのですが いったい何処へ行ってしまったのでしょう 確かに封を閉じ 心の奥の方へと仕舞っておいた筈なのに 明日には見つかるでしょうか 思い掛け無い場所から出てくるでしょうか それとも既に存在すら消え失せてしまったでしょうか また書けば良い そう 誰かが仰るかもしれない でも今の私にはもう あの手に終えないほどの文字たちを 鮮明なままに書き起こせる自信が

          二面鏡

          二面鏡 あなたとわたし 繋がる二面鏡 どうしてそんな 嘘をつく? 触れていた協和 突然に眉を上げた 確かに自分で嘘をつき 謝罪もしたけれど ほんとにあの時居たのは 自分かな? 確かめたくて 鏡を合わせたら たくさんの顔 知らなかった顔 わたしが生きてきた顔 どんな風にいま見える? あなたに合わせる顔もないけれど