東京の休日#133〜【自然と人のダイアログ展】国立西洋美術館の素晴らしきコレクションに魅了されました〜
今年リニューアルオープンした
国立西洋美術館(上野)。
これに際し開催されているのが
『国立西洋美術館リニューアルオープン記念
自然と人のダイアローグ
フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』
です。
今回のテーマは
「対話(ダイアローグ)」。
言われてみたらどの作品も
「対話」から生まれているわけなのですが
たとえば
画家が「自然」を見、聞き、感じ描くことも
画家が(自然の一部である)自分自身と
向き合い描くことも
こちらの展覧会で体感できる
「対話」を、一美術ファンのわたくしの
主観に基づいてはおりますが
ご紹介したいと思います。
✴︎人物との「対話」
✴︎異国との「対話」
✴︎四季との「対話」
✴︎光との「対話」
✴︎人物との対話
描かれている人物の「心情」を
読み解くことが
面白い展示となっておりました。
クロード・モネ
《舟遊び》
モネの描く人物の中でも
かなり顔のはっきりとしている
こちらの作品。
くつろぐ女性ふたりは
どのような会話に花を咲かせているのでしょうか。
ピエール=オーギュスト・ルノワール
《風景の中の三人》
の登場人物たちも
どのような会話をしているのか
想像したくなってしまいますね。
こちらは先ほどのモネの絵の人物たちよりも
三者三様の心持ちをしているように感じられます。
ポール・ゴーギャン
《扇を持つ娘》
「不機嫌そうだね。」との感想を
近くでこぼしていらっしゃる方いたのですが
わたしには飾らない表情に見えたのです。
皆さまの目にはどう映るでしょうか?
✴︎異国との対話
その国のその場所の空気を宿す
それぞれの絵画。
クロード・モネ
《ルーアン大聖堂のファサード(朝霧)》
では
街の中心にそびえる大聖堂の迫力が
まるでフランス・ルーアンにいるかのように
感じられますね。
霧のかかるロンドンの描かれた
《ウォータールー橋、ロンドン》
《チャーリング・クロス橋、ロンドン》
もイギリス・ロンドンの
空気をそのままに感じられる作品と
なっております。
✴︎四季との対話
ウジェーヌ・ブータン
《トルヴィールの浜》
海を、砂浜を愉しむ人々に溢れた
こちらの作品。
夏の風景と
そこにいる人々
両者との対話が可能なようです。
クロード・モネ
《雪のアルジャントゥイユ》
夏に見る雪景色。
懐かしさと羨望の入り交じる
不思議な感覚で眺めてしまいました。
フィンセント・ファン・ゴッホ
《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》
こちらは晩年の代表作だそう。
初来日です。
ちょうど六月は、
麦の刈り入れの季節。
また、生と死が
刈る人(死)と刈られる麦(生)に
投影されているようです。
人生の季節も感じることのできる
一枚となっておりました。
また、
見頃を迎えている睡蓮。
国立西洋美術館の顔とも言える
こちらのクロード・モネの二作品に加えて
エンネ・ビアマン
《睡蓮》
も心惹かれる作品でした。
展示に添えられていた
言葉もはっとするもので。
✴︎光との対話
ポール・シニャック
《サン=トロペの港》は
南仏の色鮮やかな光に
満ちております。
そして、
今回の展覧会で最も印象的だった
テオ・ファン・レイセルベルへ
《ブローニュ=シュル=メールの月光》
月光の神秘的な美しさを
感じる作品でした。
ということで今回は
『国立西洋美術館リニューアルオープン記念
自然と人のダイアローグ
フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』
をご紹介いたしました。
記念にふさわしい
内容となっておりますので
ぜひ皆さまも足をお運びくださいませ。
ドイツ・フォルクヴァング美術館から
多数の作品が来日した貴重な機会にも
なっております。
また、ミュージアムショップに
エシカルな
フェアトレード商品が
並んでいることも
今回の「対話」のテーマに
ぴったりで。
こちらの素敵な絵画に包まれたコーヒーを
お土産にいたしました。
写真・文=Mana(まな)