ヴェネツィアの休日 #1 〜夕陽に染まるサン・マルコ寺院を愛でた日のこと〜
ローマ、フォレンツェを経て
やってきたのは
水の都・ヴェネツィアです。
その美しさには
一瞬で虜になってしまいました。
街全体がまるで宝石箱のようなのです。
その中で一際
輝きを放っていた「宝石」は
夕暮れ時に訪れた
サン・マルコ寺院。
9世紀に、ドゥカーレ宮殿に付属する
宮殿礼拝堂として建てられました。
二階建ての大理石でできた
こちらの寺院は
サン・マルコ広場を
その宮殿、鐘楼、時計台と
ともに彩っています。
(寺院バルコニーからの眺めです。)
正面を飾る
半円形のモザイク。
夕陽をそのまま自分の輝きへと
変えていて
ため息が出るほどに
麗しいのです。
朝とはこんなにも色合いが
異なります。
(もちろん清々しい朝の空気を纏う
サン・マルコ広場も素敵なのですが!)
その黄金色にしばらく釘づけに
なってしまいました。
実は、この金色の装飾。
ビザンツ文化の影響を
受けています。
現在のトルコを中心に発展したその文化。
モザイク画は、
この時代に洗練された芸術を
代表するものだそう。
大理石、ガラス、貝殻などを
5mmほどに砕き、
それを使って描くという高度な技法。
光の当たり方によって
色の変わる天然の素材を
計算しながら並べるという
繊細な作業により完成します。
富の象徴であるとともに、
ヴェネツィアが、ビサンツ帝国と
深く交流していたことを伺えます。
さらに、何度か修復されている
こちらの寺院は
その他にも
10世紀〜12世紀のロマネスク、
それ以降にフランスで発展したゴシック、
フィレンツェで花開いたルネッサンスと
幅広い芸術の影響を受けて
つくられているのです。
それが調和している
建物というのは
ヨーロッパでもめずらしいのだそう。
自然の光も、多様な芸術も
とりいれて輝く
ヴェネツィアの街の魅力の
一端にふれたようです。
サン・マルコ広場から見渡す
ラグーナもいつまでもみていられる景色。
刻々とその表情をかえていく様子を
心に留めるのに、短い旅行では
時間がまだまだ足りませんでした。
写真・文=Mana(まな)
Basilica di San Marco(サン・マルコ寺院)
住所:San Marco, 328
30124 Venice
拝観時間:9:30〜17:15(最終入場 16:45)
http://www.basilicasanmarco.it/?lang=en