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地方三題いちご噺



今日も他人から投げられたテーマに合わせて、思いつきの文章を書きます。



日本全国津々浦々、多くの祭が日々行われておりますが。みなさんは中国地方のとある町に、他人の尻に向かっていちごを投げつけまくる祭があるのをご存知でしょうか。


いちご投げ祭が始まったのは1980年代中頃。高度成長期以後も、工業のまるで育っていなかったその町では、めずらしい祭を開催することで観光客を呼び、まちおこしができないかと考えられていました。

そこで町の職員が目をつけたのが、スペインのトマト祭り。トマティーナ。「血まみれになってもなお屈しない」という精神から生まれ街中が真っ赤なトマトまみれになるこの祭の思想にあやかり、ぜひうちの町でもトマト祭を行おうという提案を行ったのです。

しかしその町ではトマトの栽培が盛んではなく、大量に投げ合うのが難しい。ならばと投げられることになったのが、同じ赤色であり、その町での特産品だったいちごです。瀬戸内海に面し、気候に恵まれた町ではいちごがありあまるほど獲れていました。いちごは赤いというだけでなく、種が多い。種といえば子宝。「人々に種を授ける」という意味で、いちごを投げ合い、子宝成就を願う祭として始まりました。


いちご祭に参加するときの正装は、上半身は自由ですが、下半身は純白で大きめのパンティを履いていくこと。そこへ向かって人々は互いに全力でいちごを投げつけ合います。

パンティにいちごのシミが付けばつくほど、その家は子宝に恵まれ、農業を営むなら豊作になると言われています。ですので、みな、いちごを自分に投げてもらえるよう、お尻をふって猛アピール。「もっとふって!」「もっともっと!」とお囃子が聞こえるのはシュールな光景として話題です。よっ!ズロース!はいはい!ブリーフ!

家にはいちごの果汁がつくのを防ぐため前日からビニールが貼られ、街中を走るトラックからは大量に積まれたいちごがばらまかれる。町民はもちろん、県外からの参加者も多く、みな、いちごを投げ、投げられ、大騒ぎの祭が現在でも行われています。

祭は夕方に始まり、必ず朝までいちごを投げ合い続けます。朝になり明るくなると、照らされるのはいちごの果汁で模様のできたパンティ。朝日に透かし見て、そのしみの形がよければよいほど、より子宝に恵まれるのだとか。


ちなみに、そのいちごの跡がたくさんついたパンツが可愛らしくデフォルメされて全国的に広まった結果、アニメのヒロインが履いているパンツの定番としていちごパンツが生まれました。某いちごパンツの女の子が空から降ってくる降水確率100%な漫画が人気を博しましたが、このいちご祭ではいちごそのものがいまも降り注いでいるわけです。



はい。以上だ。

もう大体気づいていたと思うが、ぜーんぶ、全て、オブオール、つくり話。真っ赤な嘘である。いちごだけに。真っ赤な嘘100%だ。いちごパンツは1980年に連載の始まった「Dr.スランプ」ですでに登場しているぞ。もうその頃からヒロインといえばいちごパンツだぞ。

(ちなみに、この「うその祭フォーマット」に反応してしまう人は思春期を卒業できていない人だな。そうだな。)



以上、本日のテーマ。「いちご」「朝」「パンティ」の3本立てでした。
(一気にテーマを渡されたので、一気に消化してやったぜ)


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