バイクの免許を取りたい④ 1段階後半~見極め
前回の記事
普通自動二輪の免許を取得するにはこなさなければならない課題がある。
クランク、S字、一本橋、スラローム、急制動、坂道発進だ。
前回S字は経験したが、ここから各課題を習得する時間が続いていく。
各時間のはじめはウォーミングアップ走行を行う。インストラクターの後をついていき、バイクと身体のウォーミングアップを行うのだ。
その際、いきなりまだ経験してもいないクランクへといざなわれた。
クランクとは細い道で直角に二度と曲がる課題だ。
わたしはフラフラしながらなんとか通過していく。
そのままインストラクターは一本橋へと向かった。
一本橋とは名前の通り、一本の細い平均台のようなところを走り抜けるというものだ。
こちらもなんとか通過することができた。
いきなりの洗礼に驚きつつも、案外できたことに一安心した。
その後、このクランクと一本橋を何度も繰り返す。
クランクは、じっくりと考えれば考えるほど逆に難しくなっていった。
ここはこの速さで、ここで曲がる。そう考えれば考えるほど、身体は固くなりスムーズな操作ができなくなってくるのだ。
最初のなんとか通過できたイメージはどこへやら。
何度も何度も失敗してしまう。
ある時ほかの教習生を見ていたベテランインストラクターにアドバイスをもらった。
「あなたは曲がり切れないのをビビりすぎて速度がゆっくりになりすぎている。バイクはゆっくり走れば走るほどバランスが取りづらくなるのだから、もう少し勇気をもってスピードを上げなさい」
実際にもう少しスピードを上げて挑戦したところ、上手くいった。この成功体験が大きかったのか、この後クランクでミスをすることはなかった。
一本橋に関してはほぼ問題なかった。一本橋は7秒以上で通過することが求められるのだが、私は10秒以上で渡れていた。しかしそれも考え物で、そんなに余裕を持っていてもコンテストでもないのだから不必要なのだ。
検定では、橋から落ちてしまったら一発アウトなので、その危険性を高めているだけである。そのため、7.5~8.0秒で走り抜けてしまったほうが良いのである。
次の時間では残りのスラローム、急制動、坂道発進を行った。
スラロームは立てられたパイロンの間を右へ左へとかわしながら進むものだ。
これが難しい。アクセルワークとバイクの倒し加減がわからない。
スラロームに関しては2段階の途中まで自信を持つことができなかった。
急制動は40キロのスピードから指定の場所でブレーキをかけ、指定の位置までに停止するという課題だ。
ここでは前回の後輪ブレーキ特訓が大いに功を奏した。
少し早めに後輪ブレーキをかけることで車体を安定させ、その後前輪ブレーキを握りこむことで安定して停止する。この課題は初めから最後まで失敗がなかった唯一の課題であった。
坂道発進はその名の通り、坂道の途中で停止し、発進するというもの。
車のMT免許でも多くの教習生が壁にぶち当たる課題だ。
しかし、バイクの坂道発進はまだましであった。
車のMTでの坂道発進は、ブレーキから足を離して、クラッチを踏み、半クラッチをして発進となる。そうするとどうしても一瞬の間に車が後退する感覚があり、それが恐怖心となる。
しかし、バイクの場合、右足で後輪ブレーキをかけることで後退する心配のない中で安心して半クラッチをつなぐことができる。半クラッチがつながったタイミングで右足を離すことで、安全に発進することができる。
おかげで、こちらも感覚がつかめた後は失敗することなくこなすことができた。
以上の課題を習得した段階で1段階修了となる。
見極めのためにコースを覚え、コースに沿って各課題をこなしていく。
コースの順番はこうだ。
S字→クランク→一本橋→急制動→スラローム→坂道発進
見極めは緊張する。なぜなら通らなければ追加料金がかかるからだ。(そこかよ)
なんとか一通りこなすことが出来た。
スラロームはなかなかスムーズには行かなかったが、ひとまず及第点。
見極め良好として、いよいよ2段階へと進む。
おまけ
1段階の後半にはAT体験がある。ビックスクーターに乗り、コースを周回するというものだ。
数日間MT車両に悪戦苦闘してきた身としたら、あまりにも楽すぎて、スクーターでもいいかもなと思ってしまった。
私はコース内をぐるぐる回っただけだったが、他の教習所ではクランクなどを行い、感覚の違いでミスをし、二度と乗りたくないと言う人もいるらしい。
悪いイメージを持たずに良かった…
続く。