バイクの免許を取りたい②入校~初の実車教習

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教習所へ入校したら、まずは適性検査なるものがある。
性格診断のようなもので、それぞれの性格に応じて、運転時に気をつけた方がいい事を検査するというものだ。
この検査は普通自動車免許の教習生も一緒に受けるので、時期的にも若い学生さんが多く受けていた。

数日後、技能教習初日を迎えた。
バイクの教習を受けるには、ヘルメット、グローブ、プロテクターの着用が必須となっている。
プロテクターでガッチガチに身を固めながら、教習開始を待つ。

教習開始時間になり、インストラクターの方が出てくる。
バイクの教習は車と違い、1対1ではなく、数名を1人で担当する形だ。
私は小型二輪の方と一緒の組で、教習を受けることとなった。
ますはじめに、バイクの機構の説明を受ける。ギアの順番や、ブレーキの位置など簡単に説明を受け、教習車へ向かう。

教習車はHONDAのNX400だ。2024年の夏までは、おなじくHONDAのCB400SFというモデルが使用されていたが、排ガス規制もあり2022年に生産終了となり、その後継機としてNX400が教習車として使用されている。

教習車仕様のNX400
エンジンガードやバンパーが付いてゴテゴテしている

まずは取り回しから。教習車の駐輪場から二輪のコースまでは少し距離があるため、そこまで引いていく。NX400の車重は201kgだ。
200kgの鉄の塊を動かすのはなかなかにしんどい。12月だというのにヘルメットの中は既に汗だくになってしまった。

二輪のコース手前までバイクを運んだらいよいよ乗車である。
サイドスタンドを払い後方確認をして乗りこむ。
NX400のシート高は790mm。まぁまぁ高いのだ。
そのため私は冗談ではなく、なだぎ武がマネをするディラン・マッケイのような姿勢で右足を大きく上にあげ乗り込んだ。
そしたら教官から、膝を中に入れるようにしたらそんなに足をあげなくても済むとアドバイス頂いた。確かに大きく足を上げすぎるとバランスを崩す可能性もあり危険だ。再度、膝をシートにそわせるようにすっと乗り込んだ。これなら安心だ。

その後倒れたバイクの引き起こしを体験した。
引き起こしが出来なくて免許取得を諦めたという人もいるくらいなので身構えていたが、コツを掴めば案外上がるなと思った。力任せではなく、腰を使い、身体全体で押し上げるイメージだ。

続いて、半クラッチの練習。
半クラッチなんてのは自動車の免許の卒業検定以来なので、8年ぶりだ。
右手でブレーキを握りながら、左手のクラッチを徐々に開けていく。クラッチが繋がりエンジンの回転数が落ちたところで再びクラッチを握る。
これを数回繰り返し、半クラッチの場所を覚える練習をした。
この動作は、この後の教習でもほぼ毎回自主的に行った。同じメーカー、同じモデルであっても車体ごとに若干違いがあるからである。

そして半クラッチができたらいよいよ発進だ。
ブレーキを離し、再度半クラッチを行う。
すると車体が少しづつ進み始める。そこからコースの外周をぐるっと周回していく。
よちよち歩きの赤ちゃんのようなスピードで、他の教習生に追い越されながら、外周をぐるぐる回る。
おっかなびっくりではあるが、確かにしっかりとバイクは進んでいた。

2周ほどしたところで終了の時間となった。
50分という時間は普段仕事している時には苦痛でしかないのに、今はとても短く感じた。もっと長く乗っていたい。もっと上手く乗りたい。そう思えた最初の50分だった。

次回からは本格的に操作や運転技術を学んでいく。
そこでは有利だと思っていた経験が、思いがけない形で壁となって自らの前に立ちはだかることとなった。

続く

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