夢の力。その2
夢の力。
43歳の夏の終わり。出産する夢を見た。
駅のホームで男の子を産んだ。
痛みなくあらっ?と言う間に生まれた。
子どもって案外簡単に生まれるんだ、と思った。
その夢を私の夢分析の先生に話した。
先生は、「子どもを産むも産まないのも、結婚するのも
しないのもあなたの自由です。でも、今、少しでも産んでもいいかな。と、思ったら子どもを作ってみたら?」と言われた。
私は7歳の時に親に「私は結婚できない」といった。
結婚は他人にお味噌汁を作ったり、他人の機嫌をとったり
しなくてはならないと、小さい頭で考えた。
その能力は私にはないと思った。
子どもも欲しいと思ったことはない。2歳の時から年子の
兄弟2人の心理的な面倒をみてきたからだ。
子どもは機嫌がよくないと人の言うことを聞かない。
どうすれば機嫌がよくなるか、観察する癖がつき、
自分と他人の感情の違いを考えざるを得なかった。
お姉ちゃん、妻、女、あらゆる役割を担うのが嫌だった。それは他人がつけたものだから。夫を私の主人です。というのも私らしくない。
何にも属したくない。
自分の好きに生きたい。
が、夢に見たなら仕方がない。これは、運命だ。
28歳から43歳の夢分析の体験の中で自分が見た夢に素直に従った方が得であるということを私は、知っていた。
子どもを向こうの世界から引っ張ってこよう。空の上にいる
子どもの足を引っ張るイメージを作った。
その夢を見てから一年後、私は男の子を産んだ。立会い出産、
普通分娩で5時間で産んだ。しかし、出産は困難でこのまま死んでしまうかも?と思う瞬間があった。医者も慌てていた。薄れて行く意識の中で絶対的な
ゆるぎない確信をもった。たとえ、私がこのまま死んだとしても
この子は幸せに生きる。何故なら私が今、最高に幸せだからだ。
死が迫る瞬間に意識が変容するのかもしれない。通常の意識状態とは違う
感覚を体験した。
とてつもない幸福感に満たされて全てを手放せられると思った
瞬間にこどもが生まれた。
医者は、超音波を見てお腹の中にいる子は女の子です。といった。
しかし、お腹からでてきた子はやはり男の子だった。
3歳くらいの時、彼が「本当は女の子がよかったんだけど
お母さんが男の子がいいといったから男の子になったんだよ。お母さん足、引っ張ったでしょ。」と言った。
私はシングルマザーで子どもを育てた。
そのやり方は自分に合っていた。自分でなんでも決められるからだ。
小さい頃から兄弟の面倒をみていたので子育ては
難しくなかった。
私のやり方で生きると楽である。
夢はもう一つの世界と繋がっている。自分の内から湧いてきて体と頭を繋ぐ。
(私はスピリチュアルではない。超絶現実主義、この世のお得を求める人だ)
思いもかけない夢物語。毎夜見る夢。
その主人公は夢を見た自分。
夢が描いたシナリオを生きると
いろいろお得です。
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