156.個をまとめる、まとまった個の一部を感じる。これが共同中で生きる人道
著・三松會 占心行動学塾長 脇田尚揮 ■LINE公式アカウント■
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人をまとめるのはとても難しいもの。それは一人一人が異なった性格、感じ方、価値観を持っているためです。しかし“共同体”で見ると、人々をバラバラの個体で考えても理解はできません。他者を仲間とみなし繋がりを形成することでこそ、健全なパーソナリティを育むことができると言えます。
しかし何でもお手本通りにやることを強制したり、規則やマニュアルで縛るのは逆効果になることも少なくありません。共同体の中が息苦しくなり人が伸び伸び育たなくなるでしょう。こと細かく指示されることで、自分の頭で考える姿勢が無くなる場合も。
そこで大切になってくる姿勢が“和敬清寂(わけいせいじゃく)”です。これは千利休が茶道の根本精神として広く示した言葉。縁あって出会った者同士が和やかに打ち解ければ、互いを敬い尊重し合うようになる。そうすれば清らかな心になり悩みも迷いもない純粋な境地に至るという発想です。
この“和”とは、古くは聖徳太子の制定した『十七条の憲法』でも尊ばれている日本人の心。争いごとがなく穏やかにまとまるさまです。
この「和」の心で互いを認め合うことで「敬」が生まれ、「清」を得て「寂」に至る。個をまとめるために規則で正さなくても、お互いを認め合う精神であれば自ずと人の心はまとまると言えるのです。 しかも、まとまった全体それぞれから個一人一人の息吹を感じることもできるはず。
監視しあうよりも尊重しあう、この“和敬清寂”の考えこそが共同体のための人道と言えるのかもしれません。
Q.ルールと尊重、それぞれの長所・短所はどこにあると思いますか?