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ファットボーイスリムの最新MVもイイけれど、やっぱりクリストファーウォーケンが最高だ!(オススメMV #145)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の145回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回はファットボーイスリムの特集となります。
1ヶ月ほど前にイケてるMVがYouTubeにアップされましたので、まずその最新MVを紹介し、続いてファットボーイ・スリムと言えばこのMVというほど有名なMVを、そして最後に私のお気に入りのMVで締めさせてもらうという三本立てでお送りします。

では、最初のMVは最新作となるオススメMVです。
ファットボーイ・スリムの「Role Model」です。どうぞ!

様々な業界の著名人が入れ代わり立ち代わり登場して歌うというシンプルな構成のMVですが、そのメンバーがバラエティ豊かな構成で、飽きずに最後まで一気に観れる良作MVです。

ファットボーイ・スリム(Fatboy Slim)は、イギリスのDJでありアーティストであるノーマン・クックのソロプロジェクトで、個人としては1985年から、ファットボーイ・スリムとしては1996年から活動を開始し、ビックビートと呼ばれるテクノのジャンルの第一人者と言われています。
実は、私自身ビックビートをイマイチ理解しておらず、かつファットボーイ・スリムの楽曲を聴くことがほとんどないという状況ですが、お気に入りでリピートしているMVはいくつかあるため、MVだけでのお付き合いとなっているアーティストとなります。

「Role Model」は、今年5月にリリースされた最新シングルで、MVは6月にYouTubeで公開されました。
このMVの特徴は、何といっても「著名人が入れ代わり立ち代わり表れて歌う」というシンプルな構成にあります。
しかし、シンプルな構成にもかかわらずビートの効いた強めの楽曲とのバランスがいいのは、登場する著名人の変化により程よいインパクトを与えつつ、登場する著名人のチョイスと組み合わせが絶妙だからと考えています。

登場する著名人も多岐にわたっており、「どんなヒトが出てるんだろう」とワクワクしながが観れるのもこのMVの楽しみのひとつとなっています。
ミュージシャンが最も多く登場しており、デビットボウイは様々ないでたちで登場し、ブロンディのデボラ・ハリーはこの連載でも紹介したMV「Heart Of Glass」のままでの登場です。(フロンディのMVを紹介した過去回はコチラ⇒「時代は違うレトロMVだが両方いいのでぜひ観るべし!」
俳優の登場も多く、カーク船長のウィリアム・シャトナー、シャイニングのジャック・ニコルソンがイイ味出しています。
アンディ・ウォーホルやダリといったアーティストというか芸術家も出ているから驚きです。

そして、その登場する著名人が歌詞にあわせて歌っているようにCG(コンピュータ・グラフィックス)で加工されているのですが、これまた絶妙な加工で、全く違和感がないところに技術の進歩のスゴさが伺えます。
以前この連載でアニメをベースにして同様に歌詞にあわせて歌っているように見えるMVを紹介しましたが、そちらは一部の歌詞のみ映像とあわせていたので、多分その部分だけ口(くち)の動きが同じ映像を組み合わせたのだろうと想像しています。(もしかしたらそのMVもCG加工で動きをあわせているのかもしれませんが...)
ちなみに、そのアニメのMVはタイムボカンシリーズの映像を使った超オススメとなるMVですので、ご興味あるかたはご覧ください。(超絶オススメの過去回はコチラ⇒「家宝にすべきレッドスパイダーのタイムボカン」

続いてのオススメMVは、ファットボーイ・スリムのMVでは一番有名かつ、私もお気に入りのMV。
ファットボーイ・スリムの「Weapon Of Choice」です。

オスカー俳優のクリストファー・ウォーケンが不思議なダンスを踊る映像はシンプルでありながらもインパクトは絶大で、しかも映像のインパクトが強いにもかかわらず楽曲もしっかり前に出ているという稀有な傑作MVとして仕上がっています。

クリストファー・ウォーケンといえば、映画「デューン 砂の惑星 PART2」に皇帝であるシャッダム4世役で出演した記憶が新しいですが、なんといっても1978年の名作映画「ディア・ハンター」での鬼気迫る演技が有名であり、私も深く記憶に残っています。
実は、私の中でのクリストファー・ウォーケンのはまり役は、1983年の映画「デッド・ゾーン」で、スティーヴン・キングの原作の良さを監督のデヴィッド・クローネンバーグが余り手を加えることなく映像化したため、クリストファー・ウォーケンの演技が際立つことで優れた作品に仕上がっていると思っています。
ちなみに、最初に話に出たDUNE2では、クリストファー・ウォーケンのシブい演技も見どころですが、それよりもフローレンス・ビュー演じる皇女イルーランの印象が強いというか、彼女の身に付ける被り物(かぶりもの)のインパクトが強く、映画を見ても彼女ばかり見てしまっていました。
特に映画の終盤、皇帝と共に惑星アラキスにやって来た時の皇女イルーランの被り物は秀逸で、中でもアラキスに到着した際の正中線(鼻筋ですね)に沿って額から顎に延びる鎖から左右に肋骨のように伸びる金属の細いプレートで構成される被り物はピカイチです。
この姿を見るためにDUNE2をリピートして鑑賞したといっても過言ではない程です。(映画自体もあまりに素晴らしすぎて、なんとフルサイズのIMAXで3回も鑑賞してしまいました!)
ちなみに、幼少のみぎり海外SF小説を読み漁っていた時期があり、もちろん「DUNE 砂の惑星」もハヤカワ文庫で読みましたが(今でも経年劣化で朽ちてはいますが自宅の書庫で保管しています)、石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)先生の描く表紙と挿絵が素晴らしく、それだけでもコレクションしておく価値がありそうなぐらいです。
脱線しついでに、映画のネタでもうひとつ。
このDUNEは以前にも一度映画化されており、私も劇場でではありませんが鑑賞したことがあるのですが、さすがにこの話を2時間に収めるのは無理があり、また監督のデイヴィッド・リンチとの相性もイマイチなようで、随所にインパクトはあるものの全体の仕上がりとしては微妙となっています。
来月より一部の映画館で4Kリマスター版が劇場公開されるようなので、都合が合えば見に行こうかと考えています。(逆に言うと、他を調整してまでは見に行かない感じです...)

だいぶ脱線してしまったので、話をMVに戻しましょう。

この「Weapon Of Choice」は、2000年リリースの3rdアルバム「Halfway Between the Gutter and the Stars」に収録され、翌2001年にシングルカットされた楽曲で、シングルカットのタイミングでMVも公開されています。
そして、このMVは、2001年のMVA(MTV Video Music Awards)ではなんと6部門で受賞し、更に2002年のオスカーでも受賞するなど、業界での評価も高い作品となっています。(ホント、スゴイことです!)
多くのMVを手掛けているスパイク・ジョーンズが監督を務めていますが(私の中では、映画「マルコビッチの穴」の監督としての認識が強いですが)、やはりクリストファー・ウォーケンの存在というかダンスがこのMVの存在価値であることは疑いもない事実です。

余談ですが、個人的にこの「Weapon Of Choice」のMVとメチャクチャ似てると思っているテレビ番組があり、それが「孤独のグルメ」のオープニングおよび番組全体のイメージです。
この「Weapon Of Choice」のMVを観ると「孤独のグルメ」を思い出し、逆に「孤独のグルメ」を観ると「Weapon Of Choice」を思い出す...という具合なのですが、今あらためて「孤独のグルメ」のオープニングを観てみたところ、全く違っていて驚きました。
ただ単にクリストファー・ウォーケンと松重豊さんの出で立ちが似ているから錯覚したのかもしれませんが、そう書きながらもなぜかまだ似ていると思っている自分がいるのが不思議です。

余談ついでにもうひとつ。
上にも書いたとおりクリストファー・ウォーケンはDUNE2に出演していますが、この「Weapon Of Choice」の歌詞はDUNEと関連していると言われているのです。
1コーラス目では「私の声のトーンに驚かないで、私の新しい武器なんだ。選んだ武器を見て」という意味の歌詞になっており、まさしくベネ・ゲゼリットの声を使った能力「ヴォイス」を表現しているようです。
そして、2コーラス目は「リズムなしで歩けば、虫は寄ってこない」とあり、こちらも砂虫(サンドワーム)に気付かれないための砂歩きのことを言っているとしか思えません。
なぜ「Weapon Of Choice」の歌詞がDUNEに関連する内容となっているのか、調べたのですが明確な結論を得ることができず、モヤモヤしたまま現在に至っています。
ご存じの方がおられたら、ぜひ教えていただければありがたいです。

しかし、DUNEとつながりのある歌詞の「Weapon Of Choice」に出演しているクリストファー・ウォーケンが、DUNEの映画にも重要な役で出演するというのは不思議な縁を感じますね。

メチャクチャ余談が長くなってしまったので、そろそろ最後のオススメMVに参りましょう。

最後は私のお気に入りのオススメMV
ファットボーイ・スリムの「Right Here, Right Now」です。

マジメと不真面目のブレンドが絶妙なMVですね。
単純な楽曲と凝った映像の組み合わせが素晴らしく、また映像の楽曲のマッチングもよく、最後まであっという間に観てしまうのは優れたMVである証(あかし)です。

この「Right Here, Right Now」は、1998年リリースの2ndアルバム「You've Come a Long Way, Baby」に収録され、翌1999年にシングルカットされた楽曲で、同1999年にMVも公開されています。

ダーウィンの進化論を映像化したようなMVですが、そもそもダーウィンの進化論が正しいのかどうかという議論もあるものの、まあそれは置いておいて、この映像は「Once upon a time... Man」というフランスのテレビアニメのオープニングをオマージュして作られたようです。
ネットでアップされている動画を観たところ、確かに映像構成はそのままですが、大幅にグレードアップして作り変えられた映像となっており、本家本元も「よくここまでグレードアップしてくれた!」と思っているに違いありません。
楽曲としても、1995年の映画「Strange Days」で主演女性が劇中で発する「Right Here, Right Now」というセリフを若干エフェクトは掛けているもののほぼそのまま使っており、サンプリング&オマージュ満載の楽曲&MVとなっています。

シンプルな楽曲と凝った映像という組み合わせは、得てして楽曲の印象が残らず映像だけが前に出てしまうものですが、このMVは不思議とバランスが良く、楽曲もいい具合に前に出ながら凝った映像がしっかり印象付けをするというある種奇跡的なMVとも言えます。
まあ、ややこしいことを考えずに楽しみながら観れるMVでもあるので、サラッと観て楽しむのも良いかと思います。

ちなみに、「Right Here, Right Now」というタイトルで複数のアーティストが楽曲をリリースしており、その中のひとつは私の超お気に入りのMVとなっています。
それは、以前の回でも紹介したジョルジオ・モロダー御大(おんたい)の「Right Here, Right Now」という楽曲のMVで、超絶オススメですので、未見の方はぜひご覧ください。(超絶オススメのMVを紹介している以前の回はコチラ⇒「ジョルジオモロダー御大の登場だ!」

さて、今回お送りしたファットボーイ・スリムのオススメMVはいかがでしたでしょうか。
テイストは違えどすべてオススメのMVですので、ぜひ3つとも観て楽しんでいただければ幸いです。

ではまた次回に。

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