弁護士の将来設計①~ワークライフバランスと生涯勤務弁護士~

みなさまはじめまして。自称若手弁護士のまもるくんです。ツイッターで主に弁護士絡みのお金のことばかりつぶやいていましたが、さすがに文字数制限が厳しく意図を伝えきれないことが多くなってきたのでnote作ってみました。

1.若手の求める情報

さて、いきなりですが、まずはワークライフバランスというか、普通の弁護士が「そこそこ稼いでそこその生活を過ごしながらそこそこの老後を送る」モデルについて考えてみました。私の感覚では、登録5年未満の真の若手弁護士や司法修習生や司法試験受験生が求めている情報は「突き抜ければいくら儲かる」ではなく「ワークライフバランスを求めて普通に仕事して普通に生活したらどうなるのか」だと考えたからです。

2.収入・貯蓄モデル

表は、30歳(司法試験の平均合格年齢29歳+1)で弁護士になり、就職し、事務所から給与をもらいながら個人受任もやり、67歳で仕事辞めるっていうモデルです。今回はずっと普通の事件の扱う普通の弁護士(街弁)で、かつ勤務弁護士というパターンです。街弁でずっと勤務弁護士って実はこれまではレアケースなんですが、まあこの方が将来予測はしやすいでしょう。それに今後は珍しくなくなると予想しています。

比較対象とするべきサラリーマンの手取りは、年収800万だと590万、年収900万だと657万、年収1000万だと723万、年収1100万だと787万です。いずれも令和2年度以降の概算値ですが、ここと「⑦実質手残り」を比較してみるとわかりやすいかと思います。貯蓄などの累積については、一切貯蓄しない場合には「⑩貯蓄合計」、かなり保守的(インデックス投信積立てとか)にとはいえ運用する場合には「⑬運用した場合の金融資産」を見てください。勢いで作ったので粗が目立つと思いますが、(できれば優しく)いろいろとご指導いただけたらありがたいです。

街弁勤務弁護士① - コピー

街弁勤務弁護士② - コピー

3.定義や計算根拠など

今回、エクセルをいじくり回していて思ったのは、課税上の所得と実質手残りが全然合わないことです。なので課税上の所得概念は無視しています。給与所得者+個人事業主、つまりは給与所得控除と経費両方使えるっていう(本来制度が予定していないと思われる)イソ弁黄金パターンだとどうしても課税上の所得より実質手残りの方がかなり多いんです・・・たぶん実際にはみんなもっと納税少ないし・・・でもふかさない、控えめに作るっていう趣旨からはこれでいいかと。このnoteは匿名でやっている完全な趣味ですが、皆様のご意見を伺いながら修正を繰り返して精度を高めていければいいなって思ってます。以下は今回の定義とか計算根拠の一覧です。

①給与・・・事務所からいただける額面給与。実は給与所得にできるか業務委託報酬(≒委任、請負)でもらうのかで手残りが数十万違うぞ!私は給与所得にすべきと思っている。それと、事務所からの給与は7年目800万で天井をかけている。サラリーマンだと7年目以降昇給なしは理解できないかもしれないけど、一般的に街弁にはイソ弁に高い給与を支払う体制がない。
②売上・・・個人受任の売上げ。ここは600万を上限として天井をかけている。あくまでワークライフバランス重視ってことで。なお、個人受任があまりできない地域、事務所は給与を上げてもらえたりすることが多く、逆に個人受任がたくさんできると給与はあまり上げてもらえない傾向にある。ちなみに僕は個人受任多かったせいか?給与自体は一度も上げてもらえなかった(笑)。
③経費・・・経費率は「②売上」の60%に設定している。事務所への上納30%とそれ以外30%で想定。もっとたくさん経費化してる人が多いかもしれないけど、それは・・・。
④合計・・・給与+売上-経費。
⑤社会保険料等・・・事務所の社会保険はなしという前提だから国民健康保険とか。計算が面倒なので10年目までは80万、その後は一律100万円にしてしまった。
⑥納税・・・こちらも概算ということで、合計から社会保険料等を引いた額に対して、10年目まで実質手残りの10%、11年目から15%でざっくりと引いた。自分の体感でもっと少ない気がするが・・・。
⑦実質手残り・・・合計-社会保険料等-納税。ここをサラリーマンの手取額と比較する。
⑧消費・・・いわゆる生活費ですね。実質手残りの8割。
⑨貯蓄・・・実質手残りから消費分を引いた2割を貯蓄する前提。実は本当は考え方が逆で、実質手残りから貯蓄分を先取りで引いて、残りで生活するのが貯蓄優等生の王道なのだ。年収200万300万であれば手取りの2割を貯蓄するのはしんどいが、このモデルでは、概ねサラリーマン額面年収800万~900万円でもらえる手取りを全部使える生活をする前提なので「本来」余裕なはず。
⑩貯蓄合計・・・意味そのまま貯蓄の累積。運用は一切考慮していない。
⑪運用益・・・貯蓄合計に対し3%で計算。かなり控えめである代わりにインフレを考慮していない。今の貨幣価値でこのくらい、という感覚で捉えて欲しい。
⑫運用益を加えた年間貯蓄・・・意味そのまま。
⑬運用した場合の金融資産・・・意味そのまま。やはり利回りを控えめにした一方でインフレ率を考慮していない点は注意。

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