MWの論文と検定の問題作り。そしてイヤーブックについて思うこと

　昨年は30日に鎌倉に帰り、正月3日の午後に再び恵比寿の仕事場にもどってきた。暮れの28日からマスターオブウイスキーの論文を読んでいたが、一日にせいぜい読んでも2作まで。どれも、それなりに面白く力作だが、論文として成立しているのかという点が気になる。一応A~Eの採点をしたが、こんどの11日（土）の論文審査会の協議を待ちたいと思っている。

　それと並行して進めていたのが、2月に行われるウイスキー検定第20回の試験問題。今回は3級、2級、1級、そして20回目にして初めてとなる「ウイスキーメイキング級（WM）」の４つ、合計400問を作らなくてはならず、年を越してようやく昨日（8日）に、ほぼ形となった。あとは校正を何度かくり返し、印刷、製作ということになる。WM級は本当はメイキングウイスキー級としたかったが、それだとMWとなり、マスターオブウイスキーと勘違い(?)されてしまうかもしれず、そこであえてWM級としたのだ。

　中身はウイスキーの製造にかかわる、あらゆること。5大ウイスキー、各ウイスキーの法定義なども入ってくるし、それぞれの蒸留所の造りのスペックも問題となる。出題範囲は、いってみれば5大ウイスキーすべてで、100問選択式といえども、かなりハードルの高い問題になっている。これも1級と同じように、ウイスキーコニサーのエキスパートレベルの問題かもしれない。そういう意味では、今年5月のコニサーのエキスパート試験を受けようと考えている人には、かっこうの腕試しになるかもしれない。ぜひ、チャレンジしてみたらいかがだろうか。

　論文採点と検定の問題作り、それと同時進行していたのが、毎年この時期が正念場となるイヤーブック。日本蒸留所年鑑で、こんどの2025年版で、3号目となる。昨年秋頃から何度もミーティングを重ね、編集作業をやってきたが、いよいよ入稿が1月下旬と迫り、気を抜けない状況となっている。これも連日、執筆・校正が続いている。昨年の2024年版でリストにした蒸留所は準備中も入れて114ヵ所だったが、今回の2025年版では、それが130を超えている。ただ、今回から内容を少し吟味し、現在稼働中、準備中、詳細不明（カクニン中）の3つのカテゴリーに分けることにした。

　ここ数年、準備中としてきた蒸留所のうち、いくつかがすでに消えてしまっているからだ。あるいは、再三の問い合わせにもかかわらず、回答がない蒸留所がやはり数ヵ所あり、それもカクニン中とした。これはかつてスコッチにも似た状況があり、代表格はシェットランドのブラックウッドや、ファイフのレディバンクなどがそうで、本国でもすでにリストから外すということが起きている。計画自体はあったが、実現しなかったというところも、少なからず散見されるのだ。

　と、年末年始も仕事づくめになってしまったが、それもあり3日の夜から体調を崩し、今も全快とはほど遠い…。それでもスケジュールがほぼ埋まっているので、休むわけにもいかず、相変わらずの生活が続いている。インスタにも上げているが、70歳まで続けてきた年賀状を今年から、「年賀状じまい」ということにした。毎年、ウイ文研会員も含めて3000～4000枚出していたが、その時間がまったく取れなくなってしまったからだ。

　毎年楽しみにしていてくれた方には申し訳ないが、これも世情のひとつかもしれない。もっとも私の場合は、それは理由ではない。事務所自体もスタッフの数が足りていなく、正直それどころではないという状況が、続いているからだ。はたして、今年はどんな1年になるのか。とにかく眼の前にあることを、1つ1つ仕上げていくしかないと思っている。

　そういえば元旦、鎌倉宮で引いたおみくじは大吉だった。もはや、祈るしかないという心境だ…。