缶ハイボール座談会と、一社JWPCの初会合。そしてオールドプルトニー。
京都から帰って休む間もなく、日曜日は午前中ガロアの原稿、ウイスキーライフの原稿を書き、昼にウイ文研。1時からガロアのテイスター座談会。今回のテーマは“夏だハイボールだ!!”ということで、20種類のウイスキー缶ハイボールを集めて一気にテイスティング。私を含めて7人のテイスターが、それぞれ10点満点で採点して、それを後で表にした。はたしてテイスターが選ぶ1番の缶ハイボールは何だったのか。次号のガロアを見てのお楽しみである。
27日の月曜日にはイアンマクロードのイアンさんの訪問を受け、ローズバンクやタムドウー、そしてグレンゴイン、さらに現在アイラでオープン準備中のラーガンベイについても聞くことができた。ラーガンベイの規模は年間100万リットルほどで、来年5月にはオープン予定という。100万リットルというと、同じアイラのアードナッホーと同じサイズ。さらに驚いたのは、インドの北部、おそらくヒマチャルプラディッシュ州か、ウッタルプラディッシュ州に、イアンマクロードが新しく蒸留所を建てていることだった。スチルやマッシュタンはフォーサイスで、穀物はやはりインド産六条大麦も使うとか。
1時間ほど話を聞き、その後はミーティング三昧。やることが山積みで、分刻みのスケジュールである。その後、夕方の6時からは2階のウイスキースクールで、ジャパニーズウイスキーの定義の法制化に向けて、一般社団法人、日本ウイスキー文化振興協会(JWPC)の、第1回会合を開く。TWSCの実行委員やマスターオブウイスキー、さらにガロアのテイスターを中心に、発起人の要請を行ってきたが、25名の賛同を得られ、これを発起人から評議員と名称変更した。さらに現状と今後の活動について報告し、意見聴取も行った。すでに国会議員の有志による議連設立の準備が始まっていて、来週水曜には議員会館に行って、私のほうでレクチャーすることも決まっている。
28日の火曜日は夕方4時から、中国人のグループのためのスペシャルテイスティングセミナーを、やはりスクールで行う。白酒などのお酒を造っている会社の社長や技術者たちのグループで、ジャパニーズウイスキー、お酒について知りたいということだったので、山崎、白州、響、余市、宮城峡、さらに黒糖焼酎の紅さんご、泡盛の八重泉、そして純米酒を用意し、合計8種を私の方で説明し、テイスティングを行う。セミナーは1時間半ほどで終了したが、その後質問が相次ぎ、結局3時間ほどのセミナーになってしまった。
で、昨日の水曜日は午前11時半から恵比寿のウエスティンホテルのバーで、こんどはインバーハウスのマスターブレンダー、スチュアート・ハーヴェイさんに、ガロアの編集長インタビュー。オールドプルトニーのコースタルシリーズ第2弾、ポートについて主に話を聞く。プルトニーは北ハイランドの北海に面したウィックの町の高台にあることから、もともとマリタイムモルトとして有名であった。そこでスチュワートさんたちが考えたのが、海つながりで、海のそばで造られるワインやスピリッツの樽で、追加の熟成を行ったプルトニーを出すことだったという。第1弾がピノデシャランドで、これはフランスのコニャック地方の海辺で造られる甘いスピリッツ。第2弾が今回のポートで、これもポルトガルのポートの町で造られる酒精強化ワイン。第3弾はマディラで、第4弾はシェリーのマンサニージャだという。すべて海のそばで造られているお酒で、海がアクセントとなっている。
結局1時間以上も話を聞き、来年インバーハウスの5つの蒸留所を訪れることを約束してホテルを後にした。