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フェスの準備とJWPCのブース、マクアケを通した応援について思うこと

 今週末に開かれる東京フェスの準備に追われている。ウイ文研ブースで販売するオリジナルボトルや、お土産ボトル(100ml)の選定も急ピッチで進めてきた。もちろん書籍やトートバッグ、そして今回新しく登場するスコッチの最新蒸留所マップ、さらにブックマーカーとして使えるクリップなど盛り沢山だ。さらに恒例の有料試飲もあり、そこではフェス記念のウイ文研ボトルが有料で試飲できる。今回も30種類近くを用意してる。


 
   ミニボトルはスコッチ、アイリッシュ、ジャパニーズのブレンデッドと、ジンのブレンドの4種類だが、どれも美味しく仕上がっている。販売ボトルで急遽追加したのが、ギリギリ間に合ったカバランのヴィーニョバリックとスコッチのオスロスクだ。前者は今年3月にカバラン蒸留所に行った時に、李社長立ち合いのもと、私が数樽の中から選んだもの。もちろんソリストなので、シングルカスクのカスクストレングス。すでにその樽の鏡板は送られてきていたが、ギリギリ、ボトルも間に合った。180本弱のボトリングなので、大切に売っていきたいと思っている。

  オスロスクは、グラバーコレクションの1本。もうじきグラバーコレクションも50本に達し、ひとつの区切りを迎える。来年早々には、グラバーコレクション50本をまとめた、一冊のムック本を作りたいと思っている。その中で、グラバー魚譜とは何だったのか。トーマス・グラバーとその息子、アルバート・グラバー、日本名・倉場富三郎についても書こうと思っている。

 フェスでは今回、ウイスキーコニサー、ウイスキー検定のブースをウイ文研とは別にして、そこでもコニサー限定ボトル、検体合格者限定ボトルを販売する。さらに一社JWPCのブースも設け、そこでは今やっているマクアケのクラウドファンディングの案内も行なう予定だ。特に返礼品が名前の記載だけという、本当に応援したい人だけの申し込みもできるようにする予定だ。そのブースでまとめて登録を受け付け、後日まとめてその金額をうちがマクアケに収めるというもの。

 当初クラウドファンディングとは別に10万人オンライン署名というのも計画していたが、まだそのシステムが整っていないため、まずはマクアケのシステムを使って1000名の応援を求めようというもの。残念ながら、まだ30人にも達していない状況で、ぜひ協力を呼びかけたいと思っている。そのための説明会も急遽、フェス明けの12月9日(月)に予定している。いわば緊急アピールで、ことはそれほど急を要していると、私は思っているのだ。。

 ジャパニーズウイスキーを取り巻く環境は、私が思っていた以上に急激に厳しさを増していて、このままでは10年後には半分の蒸留所が潰れてしまうという危機感も持っている。スコッチやアイリッシュ、最近の中国・台湾、韓国を取材していて、強くその思いを抱いていて、これはジャパニーズではないが、アイリッシュのウォーターフォード蒸留所が、77億円の負債を抱え倒産してしまったという。ウォーターフォードはブルックラディを復活創業させたマーク・レイニエー氏が創業した蒸留所で、究極のテロワールを追及していたが、投資があまりにも大きかったということかもしれない。。
 
 スコッチの新しい蒸留所にも同様の話があちこちから聞こえてくるし、これは対岸の火事と決めつけるわけにはいかない。日本を除く世界の4大ウイスキーには、しっかりとした地理的呼称、法的根拠があるが、ジャパニーズにはそれがない。いわゆる原酒が10%以上使われていれば、残りがスピリッツであろうが、度数が40%以下であろうが、そして一番の問題は日本産が一滴も入っていなくても、ジャパニーズウイスキーといってしまえることでもある。たとえ、それが日本産でなくても、たとえそれがウイスキーですらなくてもである。こんなことは世界のウイスキー業界では考えられない。ましてや日本の酒がユネスコ文化遺産に選ばれたばかり。なのにウイスキーは、その資格もないことを自ら認めていることになる。

 なんとかしてジャパニーズウイスキーを地理的呼称とし、そして法制化することが急務と考えて設立したのが一社JWPCである。しかし、JWPCには活動費もなく、スタッフもいなく、そして事務所もない。なによりも、私一人がやるには限界があり、さらに言うと、本来ウイ文研や土屋守がやるべきことでもない。我々はウイスキーの造り手ではないからだ。本当に誰か他にやってくれる人がいれば、いくらでも協力したかったが、この2~3年、誰も本気になって考えてくれなかったというのが、偽ざる本心だ。

 何度も言うようだが、これはウイ文研や私がやることではない。しかし他に誰もやる人がいないのなら、他の仕事を犠牲にしても、そしていくら費用がかかっても、やるしかないと思っているのだ。

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