
今年一年の締めくくりと、白酒、チベットのチャン…
今日でウイ文研事務所は仕事納めだが、今年も本当に忙しかった。2ヵ月に一度のウイスキーガロアだけでなく、年4回のウイスキーコニサー倶楽部、そしてイヤーブック、2冊のTWSC公式ガイドブック、さらにウイスキー検定のウイスキーライフと、ほぼ1ヵ月に1冊の割合で雑誌、本、そして出版物を作ってきた。また今年は5年ぶりのコニサー教本・中巻(スコッチ編)の改訂版の出版もあり、本当に原稿を書きまくってきた。それに単発や連載の他社の原稿に、このブログの原稿も入れれば、ゆうに1000枚近くを書いたことになる。400字詰め原稿用紙だから、40万字!! まるで流行作家である。
いったいいつまでこのペースで書き続けるのか、いや書き続けないといけないのか分からないが、とにかく書ける時に書く、行けるうちに行くつもりだ。眼のこともあり、見えているうちに、今はとにかくできるだけ多くのものを見たいと思っている。体力の衰えで、このところ釣りに行けてないが(仕事での釣りは年3回行っている)、来年はプライベートの釣りも、できるだけ行きたいと思っている。
ということで今週も超ハードスケジュール。月曜は秋から引き受けている大手企業のコンサルのミーティングを夕方行い、そのまま西麻布の隠れ家寿司店に行き会食。24日のクリスマスイブは、3ヵ月ぶりとなるウイ文研放送、WBBCのライブ放送をいつもより長めの90分にわたってお届けした。今回は一社日本ウイスキー文化振興協会のマクアケのこともあり、そのことを30分ほど話させてもらった。その他にも、さすが3ヵ月ぶりということもあり、盛りだくさん。来年からも1~2ヵ月に1回、放送を続けていきたいと思うし、もう少し動画配信も増やしていくつもりだ。
結局、今週は午前中のすべてを使って、2月に行われるウイスキー検定の第20回の問題作りに取り組んでいた。今回は3級、2級、1級と、20回目にして初めて行う製造に特化した検定、「ウイスキーメイキング級(WM)」をやることになり、それも含めて合計400問の問題作成に取り組んでいる。年末年始の休みを利用して、すべてを作ってしまわないといけない。
さらに、ほぼ午後すべてを使ってミーティング。次号のガロアのコンテンツ、イヤーブック、TWSC、ガロア初となる2冊のムック本、コニサー倶楽部、そして4月に行われる横浜フェスなどである。年末年始9日間の休みとなるため、やっておかなくてはならないことが山のようにあるからだ。コロナ前には毎年やっていた忘年会もそれどころではなくなり、年賀状も申し訳ないが、年賀状じまいとすることにした。毎年会員も含め3000~4000枚の賀状を出していたが、70歳にして初めて、年賀状をあきらめることにした。それほど、今は時間がないのである…。

ということで昨夜は今年最後のモルトマラソン。昨年秋に始まったモルトマラソンも今回で12回目。アイル・オブ・ラッセイからキルホーマン、キングスバーンズ、ノッカンドオ、アンノック、ラガヴーリンの6種をテイスティング。さらに固体発酵の話をしたついで(?)に、1975年から81年にかけて私が行った、チベット踏査行の時の写真を見ていただきながら、ラダック・ザンスカールの話をし、チベットということではないが、中国福建省の大芹蒸留所のシングルモルトを最後に全員で飲むことに。

チベット、ラダック・ザンスカールのスライドを上映し、その話をするのは約20年ぶりのこと。以前は学習院の生涯学習センターや常磐会、さらに水戸の紅茶館などで年に1回くらいの割合で話していたが、ウイスキー関連で話すのは初めて。それもこれも中国をやるようになってからのことだ。それも白酒のことを知ったことがきっかけなので、世の中、本当に分からないものである。22歳から27歳まで、チベットに5回通い、固体発酵のチャンというドブロクを毎日のように飲んでいたのに、それが世界的にも珍しい固体発酵であるということを知ったのは、今年のことだった。そもそも中国の固体発酵が知られるようになったのは、1930~40年代のことで、世界の酒類関係者、学者が驚いたという。つまり、それまで白酒やチャンの造り方というのは、西欧ではまったく知られていなかったのだ。
中国で蒸留酒といえば白酒。実にシェア率90%を誇るといい、白酒は世界の蒸留酒の中でもジンやウォッカ、ブランデー、ウイスキーを抜いて消費量世界一なのだとか。まだまだ世界には知られていない酒がある…。ここ2~3年、焼酎や泡盛の蔵を回っているが(泡盛、黒糖はすでに7~8割の蔵を回った)、来年はいよいよ中国のウイスキー蒸留所、そして何千とあるという白酒の造りの現場を見て回りたいと思っている。





